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2004/01/31

原発事故のリスク目標

原子力発電のリスクについては、世界的に極めて徹底的に研究・検討されてきたため、リスクの考え方としては現時点では恐らく最も進んでいる分野であろうと思う。僕自身も企業でプラント運転や研究開発活動等に関する安全管理にも関わってきた経験があるが、原発の世界ではこうなっている、というのがお手本となる部分が多かった。(普通の人は日本の原発は事故やトラブルばかり起こすと思っているかもしれないが、絶対的にはともかくも、(他のプラントと比べると)相対的には非常に高い安全レベルと言える筈。だからどうだ、ということでもないが。)

さて、asahi.com (1/30)にこんな記事が載った。

「年間100万分の1以下」原発大事故のリスク目標値案
 国の原子力安全委員会は29日、原子炉の炉心崩壊などの大事故が起きた際、周辺住民の被ばくによる死亡リスクを「年間100万分の1程度以下にする」との安全目標値案をまとめた。99年の核燃料加工施設ジェー・シー・オー(茨城県)臨界事故を受け、同委が専門部会で基準作りを進めてきた。今後、安全規制への反映を求めていく。
 現行の安全規制では、大事故が起きないようにすることが前提となっており、大事故の発生頻度を定量的に評価した安全目標値がなかった。目標値はがんによって国民が死亡する確率の約1000分の1。隕石(いんせき)が落ちて死亡する確率の数倍だという。 (01/30 00:32)
ところが何故か他の新聞社には全くこの記事が載らない。この内容であれば、各紙が報道してもおかしくはないと思うが。

そこで、原子力安全委員会のホームページで資料を探してみた。原子力関係は、かなり情報公開に気を使っているので当然それらしい情報があるだろう、と思ったのだが。。確かに死亡リスクを年間100万分の1以下にする、という目標について記載された資料が見つかったが、何とこれは昨年の8月の資料「安全目標に関する調査審議状況の中間とりまとめ」(pdf)だ。これに関連するリスク管理についての説明資料としては、やや古いけど2002/7のパネル討論会資料のページが充実している。

では、朝日新聞は何で今頃こんな記事を載せたのだろう?この記事を見る限り、昨年8月の中間とりまとめと何も変わっていないように見える。ただし、よく見ると朝日新聞では「周辺住民の被ばくによる死亡リスクが年間100万分の1程度以下」「目標値はがんによって国民が死亡する確率の約1000分の1」「隕石が落ちて死亡する確率の数倍」と記載されている部分は、中間とりまとめとは少し異なる。

中間とりまとめでは、「施設の敷地境界付近の公衆の個人の平均急性死亡リスク」と「施設からある程度の距離にある公衆の個人の放射線被ばくによって生じ得るがんによる平均死亡リスク」が、それぞれ「年あたり100万分の1程度以下」となっている。更に、年あたり100万分の1程度の死亡率は、がんによる死亡率の2000分の1程度であることになっている。一方で隕石が落ちる確率については、記載されていない。

この相違はどう見たら良いのだろうか? 死亡リスクについては、新聞記事を読んで最初に疑問に思ったことだった。放射線被ばくの影響は急性死亡とがんになるリスクの両方があるわけで、がんのリスクをどう評価したのかが知りたかった。中間とりまとめを読んでも今ひとつ理解できていないが、少なくとも即死とがん死亡を別々に計算していることはわかる。それにしても、朝日はどうしてがんの死亡率の1000分の1としたんだろう?両方を足したのかな? それとも最新のデータで見直したのだろうか?

朝日の独自取材があったのかもしれないが、それにしては内容が貧弱な感じもするし。でも記事には「29日・・・安全目標値案をまとめた。」とあるな? 去年の8月からまとまっていたように見えるけどなあ?? よくわからないものだ。

原発の事故による死亡リスクのレベルについては、もう少し勉強してからコメントしたい。(日常生活の死亡リスク確率と比べると確かに無視できるレベルと思えるが、年間の死亡者数は平均すると100人程度となるのか? 交通事故等に比べても十分に小さいが、みんなの納得が得られるレベルなのだろうか?)→2/14追記:別の資料を発見、この中で急性死亡確率の考え方の説明が記載されている。(分母が1億人ではなく、近隣住民数となる)

いずれにしても、本件ちょっと調べていたら興味が出てきたので、2/7(土)に東京で行われる第10回原子力安全シンポジウムに行ってこようかな。ここでは、本件の関連の話が聞けるかどうかわからないけど。

*2/7のシンポジウムの参加メモをブログに書きました。

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ベンタ エアウォッシャー

うちの部屋の暖房はエアコン。ということで冬場は部屋の中がどうしても乾燥してしまう。そこで以前から購入を検討していた加湿器なる装置をついに買ってきた。ものは、ドイツ製の「ベンタ エアウォッシャー」(英語では Venta-AirWasher)という装置。一部ではそれなりに知名度がある装置らしい。日本のオフィシャルなホームページは(株)インターフェスト。何故、わざわざ、やや割高感のある、こんな単純な構造の無愛想な面構えをしたドイツ製の装置にしたか?というと、

(1)国産の加湿器はどれもこれも「マイナスイオン」を発生させるらしい。そんな怪しげなものはうちのお部屋にはなくてよろしい。というか、こんな怪しげなものを健康に良いと言い切って、競い合って標準装備している日本のメーカーが情けない。マイナスイオンの怪しさは、ここで今更あれこれ書かなくても、疑似科学批評(マイナスイオン批評特集)およびそのリンクページで、じっくりとお楽しみいただければよろしいかと思うけど、要はこちらの方が主張するマイナスイオン不買運動に共感したということだ。

(2)加湿方式は色々あるけど、微細な水滴と一緒に水垢やウィルスや細菌までばら撒いちゃう超音波式は嫌だし、ヒーターでお湯沸かして蒸気を発生させる加熱式はエネルギー効率が悪すぎる。ハイブリッド式というのが今の日本メーカーの主流らしいが、マイナスイオンは出るし、構造がやや複雑でメンテがどうか? それに比べて単なる気化式って奴は電気は食わないし、構造はシンプルだ。

(3)上記した二つの条件を念頭に、たまたま、ビックカメラで見ていたら、ベンタのエアウォッシャーが置いてあったので、パンフレットもらって帰ってから、インターネットで情報を集めた。ユーザー情報としては、2chのいくつかのスレッド、amazonのカスタマーレビュー、それにくろさわサンちの情報が手に入った。どうやら、音がうるさいのと、水タンクに添加する「ハイジェン液」なる魔法の液体?が高いのが問題らしい。

ハイジェン液というのは、水垢の付着を防止、細菌の繁殖を抑制、ローラーディスク面への水膜の形成を促進という主として3つの効果がある薬品のようで、500mlで5000円ぐらいするらしい。1回に50mlずつ、2週間に1回ということで1シーズンで使い切りというイメージだと許容範囲か。でもちょっと高いのは確か。内容から考えて、除菌機能付の界面活性剤という感じなので、これなら多分台所用の洗剤を適当に添加しておけば大丈夫でしょ。

気化式の場合、冷たい水を室内の空気で強制的に気化させるので、当然加湿と同時に気化熱分の温度低下が起こる。そのため加湿された空気が冷たく感じられるし、室温が若干下がることになるのも問題。しかし、考えてみると、加熱式は電気ヒータで水を加熱して気化熱分を補っている訳で、だからこそ電気代が高くなる。(温度が高い分、湿度も高くできるので加湿能力にも大きな差があるけど)一方、気化式はそのままだと室温が低下するので、その分を通常の暖房器具に頑張ってもらうことになる。暖房専用機と加湿器のヒーターとどちらが効率よく部屋を暖めるのか?って問題ですな。とすると、今のヒートポンプ式エアコンのエネルギー効率の良さは抜群で、電気ヒーターなんか目じゃないので、トータルの電気代に関しては圧倒的に気化式+エアコンの勝ちとなる筈(と思うけど)。

しばらく使ってみてから、インプレッションを載せようかな。ファンの音は確かにスイッチを強(2)にすると、結構激しく、近くにいたらゴーゴーとうるさい。弱(1)ならば、ファンの音は許容範囲かな。でもローラーディスクが回りながら周期的にカサッ・ガララララーていう音がするのが何となく気になるぞ。

*約2週間使用してのコメントを2/16のブログに記載した。

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2004/01/30

1/6のAIBOって

2004013001.jpg

グリコから販売されている「MY HAPPY AIBO」というシリーズを購入してみた。左側が初代のERS-110、右側が2代目のERS-210。後ろに写っている巨大な足は、うちのケンタ(ERS-220)。

うーむ。1/6モデルってもっと大きいかと思ったけど、こんなに小さいのね。ちょっと塗装が雑だけど、関節はほぼ本物並みに動くから許しちゃおう。でも、このシリーズ何故かERS-220はラインナップされていない(>_<)。よっぽど人気なかったのかな?

*グリコのサイトで調べたら、ニュースリリース詳細情報が見つかった。北海道・東北では昨年10月から売っていたのね。(それにしても、「おまけ」のためにここまで頑張ったサイトを作るか、普通?) ソニーのサイトで調べたら、お知らせの中に、関東地区他では1/13から発売とありました。

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「ヒトは環境を壊す動物である」

挑戦的というか魅力的な題名に魅かれて読んでみた。帯には「進化的必然!? 『わかっちゃいるけどやめられない』のはなぜか。環境問題を進化生物学の知見をもとに検証する」とある。

ちくま新書 452
 ヒトは環境を壊す動物である
 小田 亮 著 bk1amazon

出だしは快調。とてもワクワクとした気分で読ませてくれる。「はじめに」、「第1章 『環境』とは何か」のあたりは、新鮮な視点も見られるし、地球環境問題というのは人間にとっての問題であり、地球にとってやさしい云々というのは欺瞞だ、という主張も、その通り!と素直に納得するし。

そして、第2章以降がいよいよ本書の中心部。ヒトという種がどのように生まれ、どのように進化して、どのように今の社会を作り上げてきたのか?について、お得意の進化生物学の視点で展開していく。進化生物学というのは、ドーキンスの「利己的な遺伝子」で有名になったもの。

第2章「人間はどのような動物か」、第3章「心の進化」、第4章「環境の認知」、第5章「公共財を巡って」、そして第6章「進化と環境倫理」へと繋がっていく。話の展開と、その流れで著者が言いたいこと、というのは、確かに読んでみると何となくわかる。

現代人は生物進化の流れの中ではまだ高々15~25万年前に出現したとされており、農耕を始めたのは、たった1万年前の出来事であった。進化生物学の教えるところによると、人間の心、社会、道徳、倫理といったものも、科学的に取り扱うことが可能であり、そういった推論を行うと、現代人の物の捉えかたというのは、数十万年以上前から人類が経験してきた環境や社会や生活に適した形にできあがっている、ということになる。つまり、高々ここ数百年の急激な社会環境変化には生物として到底ついていけてない筈で、それが環境問題を自分たちの危機としてうまく認識できていない理由だ、という結論に導かれていく。

まあ、確かに「現在の環境問題は我々の身の丈サイズを超えた問題である」という意見には同意するし、この本の中でゲーム理論や社会学的な実験を基に次々と明らかにされていく、現代人の本質は、その通りなのかもしれない。でも「こういう具合に説明することもできますよ」ということであって、本当に今の我々ってのは、心の問題とか判断の仕方といった点まで進化論的に説明されちゃっていいんだろうか?というのが根源的な疑問。今までいくつかの進化生物学による本を読んでみたけど、どうしても「こう仮定すると現状をこのように説明できます」って話以上に踏み込んでは納得できないんだよね。これは僕が勉強不足なんだろうけど。(もしかしたら最初に竹内久美子を読んでしまった反動かもしれない。)

てなことで、本書は良くも悪くも、進化生物学的視点で今の環境問題という奴を捉えてみると、こんな風に見えますよ、って本だ。地球規模の、しかも世代を超えた利害が関わる大問題を、従来と同じ枠組みで議論しようとしても、そう簡単にはうまくいかないですよ、ということも確かに言えそうだ。じゃあ、どんな落とし所にどうアプローチしていけば、人類共通のコンセンサスを得られるのか?なんて事はこれだけでわかる筈もない。でも、もしかしたらもう少し突っ込んで研究すると、地域間や世代間の利害調整をどうするのが良いのか?といった本当に知りたい問いへの答えが得られるのかも知れない、という淡い期待は持てたかも。

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2004/01/29

ウェイバックマシンの威力は?

先日紹介した『「ネットの未来」探検ガイド』の中にあった、インターネットアーカイブ・ウェイバックマシンを試してみた。

実は注目していた知財関連訴訟判決が今日出たので、その関連資料をインターネットで見ていたところ、古い新聞記事へのリンクがことごとく切れていたので、「よし、この機会にウェイバックマシンなるものの実力をテストしてみよう!」という気になったという訳。

調べたかったのは、パテントサロンというサイトの職務発明問題トピックスのページ内のリンク先。お目当ての【日立製作所】関連の過去記事を探すと、毎日新聞の記事以外はすべてリンク切れ。(毎日新聞が一番長くリンクを残してくれているってことになるみたいだ。)

そこで、ウェイバックマシン(Wayback Machine)というインターネットアーカイブの出番。これは、全世界のインターネット上の情報を、定期的に、可能な限り保存してしまうというプロジェクト。これにより、現在は消去されている情報であっても、過去のある時点にさかのぼってアクセスできる可能性があることになる。

何はともあれ、Wayback Machineの入力欄に、見たいページのURL(この場合は"www.patentsalon.com/topics/employee/index.html")を入れ、Take Me Back ボタンを押すと、2002/10/27と/12/8、それに2003/1/26のページが保存されているようだ。欲しい情報は2002/11/29以降なので2002/12/8のページを見てみることに。

さて、一見すると現時点とほとんど同じページが表示された(なんとなく日本語ページが出てきただけで感激するなあ)。現時点ではリンク切れになっているところをクリックしてみると、yahoo!は駄目、朝日新聞は違う記事にリンク、日経BiztechはOK、ZDNetもOK、infoseekは駄目、日経新聞は駄目、読売新聞も駄目という結果であった。

ウェイバックマシンで見ている2002/12/8のパテントサロンのページは、URLが"http://web.archive.org/web/20021208102314/http://patentsalon~"となっており、このページ内の各リンクのURLも先頭に"http://web.archive.org/web/20021208102314/"がついている。ところがリンク先のサイトのアーカイブが同じ日付で取られているとは限らないわけで、その辺がどうなっているのか?と思いきや、例えばリンクが繋がっていた日経Biztechのアーカイブ先URLは先頭に"http://web.archive.org/web/20021202132359/"がついているし、ZDNetは"http://web.archive.org/web/20030218081003/"がついている。ということは、結構賢くて、リンク先のページを同じドメイン内の別のアーカイブからも探し出してくるということのようだ。たまたま朝日新聞の場合には、違う年の同じ日付・記事番号の記事があったために、それが引っかかってきたらしい。

ということで、インターネット情報のタイムマシンとなるのか期待されるウェイバックマシンだが、さすがに毎日大量に更新されていくニュースの保存という意味では完全とは言えないようだ。でも普通のページ(って何だ?)については、結構感動ものだし、ともかくどうしても見たいと思ったら、まずはここで探してみるのはとっても有効だと思う。ともかく一度お試しあれ!

*結局ウェイバックマシンでは手に入らなかった場合には、有料コンテンツでDB検索するか、図書館にでも行って新聞縮刷版を見ることになりそうだ。とは言え、たとえインターネット上の情報がリンク切れになっていても、その出所と年月日がわかれば、その大元の情報に何とかたどり着けるから何も無いよりは良しとするか。

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2004/01/28

「伸長法」通信教育広告に排除命令

asahi.com(1/28)の記事「身長伸ばす通信教育ででっち上げ広告、通販会社に排除命令」によると、

 若者をターゲットにした身長を伸ばす通信教育講座の販売広告に、実際には受講していない芸能人の成功体験をでっち上げたなどとして、公正取引委員会は28日、東京都千代田区の通信販売会社「日本通信教育連合会」に対し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。
 公取委によると、同社は02年4月~03年5月の間、雑誌や新聞の折り込みチラシに、ヨガを取り入れた方法で身長を伸ばすという触れ込みで、ビデオと教本がセットになった「伸長法講座」の販売広告を掲載。
 その中で、「受講生が芸能界で大活躍!」と銘打って歌手や女優を登場させ、「順風満帆の芸能生活も伸長法あってこそだと思います」などと、本人の承諾なしにうその体験談を載せた。ほかにも「受講生の約8割が5センチ以上も背を伸ばす」「世界各国のプロスポーツチームが採用」と、実際の調査に基づかないうその内容があった。
 日本通信教育連合会は、昨年5月までの1年間で、この講座を約1万7000セット(1セット約3万円)売った。「指摘は真摯(しんし)に受け止め、チェック体制を強化する」としている。 (01/28 20:47)
これを読むと、いかにも胡散臭そうだけど、全国で1年間で17000セットも売れるということ自体が信じられない。一体どんな広告だったんだ?という興味と共に、公取委は正式にはどういう判断でどういう命令を出したのか知りたくなったので、1次情報を見に行ってみた。これが、公正取引委員会の関連資料(PDF)

問題となった宣伝そのものが添付されているが、やっぱり胡散臭い。

「脚の関節部の骨端軟骨を刺激し、『成長ホルモン』の分泌を活性化させ、直接骨を伸ばしていく。」,「成長期を過ぎても背が伸びる方法を特別大公開!」などと記載した上で「受講生はすでに50万人を突破!その内約8割が5cm以上も背を伸ばすことに成功しているのだ。」
こんな記述を信じてしまうってのもすごいな。もしも本当だったら、どんな事になっているか?という想像力が不足しているのかね。もっとも、コンプレックスにつけこむ商法は悪知恵が働いているというか、値段も微妙なセンをつけているし、どうせ駄目もと、他人に相談するのもカッコ悪いし、っていう消費者心理に付け込むわけだ。

よく見ると、折込チラシの部数は592万部。売り上げとの比率は約0.3%ってことね。これって結構高い割合のような気がする。非常にニセ広告が有効に機能していたと言えそう。まあ法律違反になるような内容だからこそだろうけど。

排除命令の根拠となっているのは、不当景品類及び不当表示防止法という法律。今回、違反しているとされる条文は第4条の1「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」の部分らしい。

で、排除命令というのは、この商品を市場から排除する、ということでは全くなく、

ア 一般消費者に誤認される表示を行っていた旨を公示すること。
イ 今後,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると示す表示を行わないこと。
ということらしい。あくまでも不当な表示はいけません、やめて下さい、ということで、商品そのものの可否を判断しているわけではないのですな。当たり前か。つまり「うそでした、ごめんなさい。本当はこうだったんです。」ということを公示すれば、引き続き販売しても良いことになる。(著しく優良であると表示しなければ良いってのも微妙だな。少々実際のものよりも良さそうに広告するのは許容されるようだ。)もっとも、そうなると今後この商品を販売し続けたとしても、さすがに買う人はいないか? 法律ギリギリの所で消費者をその気にさせるのが、宣伝広告屋さんの腕の見せ所と言えるのだろうけど。

*問題の広告は朝日新聞にも折り込まれたらしいが、特に責任が発生するわけではなさそうだ。

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BSE:安全性の科学的な根拠ってなんだ?

アメリカでBSE牛が見つかったことを受けて、現在牛肉等の輸入を禁止しているが、輸入再開の条件をめぐって日米で揉めているとのこと。ポイントは日本と同じ全頭検査をアメリカでもやって「科学的」に安全を保障してね、という日本側の要求をアメリカ側は「非科学的」として拒否しているということらしい。

このBSE問題は、科学的云々以外にもいろんな観点から議論できるし、考えてみたい題材なので、このBlogでは、僕の考え方がある程度まとまった段階で、ひとつずつ情報や考え方を整理していくことにしたい。

BSE問題は、各新聞社のホームページでそれぞれ特集している。例えば、NIKKEI NETYOMIURI ON-LINEなど。(内容的には日経新聞の特集がよくまとまっているのでお勧め。)こういうDB的な使い方が、紙の新聞とインターネット新聞の一番大きな相違なのだろうな、本当に便利だね。

ところが、日本で(国際的には極めて異例な)全頭検査を実施することになった「科学的」根拠なんかはどこにも書いていないようだ。一方で、アメリカが、全頭検査が「非科学的」である、と主張する根拠、もしくはアメリカが実施しようとしている検査体制で十分である、という「科学的」根拠についてもどこにも出てこない。というか、日米共に「科学的だ」「いや非科学的だ」と言うだけの、実のない水掛け論に終始しているだけみたい。

科学的な考え方としては、安井先生のページ(2001/11と日本のBSE問題当初の情報でありやや古い)や中西先生のページ(こちらはつい最近の情報)が参考になる。要するに、全頭検査というのは、もともと科学的根拠などないままに、(絶対の)安心を求める、その時の日本の雰囲気で決めちゃったみたいだ。でも逆にアメリカの体制がどの程度安全なのか? 或いはどの程度危険なのか? これらについても全く示されていないのが現状だ。

安井先生の記事や農林水産省のBSE関係Q&Aの中で日本人がBSE起因で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病にかかる確率をみつもっているが(詳細は農水省解説資料も参考)、どうもこれら予測のシナリオはアメリカからBSEの牛が入り込んでくることまでは想定していないようだ。

NIKKEI NET (1/26)によると、

 【ワシントン=吉田透】米農務省は26日、日本が米国産牛肉の輸入再開条件としているBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)全頭検査について改めて拒否した。日本への輸出用だけに検査を限定しても年9億ドル(約960億円)の経費が必要との試算を公表。全頭検査は「科学的に不要なうえ、コストが膨大だ」と批判した。米政府は2月10日前後にゼーリック米通商代表を訪日させ、輸入再開を迫る構えだ。
 ベネマン農務長官の特別顧問であるデビッド・ヘグウッド氏が同日の記者会見で語った。9億ドルという検査コストについて「日本の(米国産牛肉の)市場規模が10億ドル規模であることを考慮すると、大きすぎる」と指摘した。
とあるが、検査コストをそのまま転嫁した場合、アメリカ産牛肉の価格が約2倍になるということか。これで日本の消費者が、自分たちの安全のためのコストと割り切って、従来通りの消費を継続するなら誰も文句は言わない、ということかな。まあ、ありえないな。

最近、日本の理数科教育の危機が言われていて、この前も「理数系科目は社会に出てから役に立たないので勉強しない」なんて意見が記事にあったけど、こういう日常のリスクを正しく判断するためには、理数科の基礎的知識が必要なんだよね。ところが、「どうせ細かな数字を出しても一般国民は理解してくれないし、下手すると誤解してしまう恐れもある」と考えているのかどうか、閣僚が牛肉食べて「ほら安心です」って言い切っちゃう国だからなあ(最近はアメリカも似たようなものらしいが)。これで科学技術立国なんて言わないで欲しいねぇ。まあ確かに鶏と卵の関係かもしれないけど。

ともかくも、まずは具体的なリスクを定量的に明らかにして、比較するところから始めないと駄目だと思う。日本の全頭検査が本当に必要なのか?アメリカの現状はどうなのか?そして、それを基に科学的に考えるということがどういうことなのか?をこういう機会を最大限に利用して示していくべきじゃないのか。(単なる情報公開ではなくてね。)

さて、では科学的な判断で牛の検査体制を決めることができるか?というと、それは無理でしょ。科学にできることは、せいぜいが、現時点でわかっている情報を元に、各種対策をとった時の将来を予測することだろう。その予測結果を用いて最終的な政策を決めるのは、社会が許容できるコストとリスクを基にした利害調整作業ということになるのではないか? 

それにしても、一人の犠牲者も出してはいけない、っていう感覚は本当に国民的コンセンサスなんだろうか?(確かにヒロイズムのようで心地いいだろうけどきれいごとだな。) 現状でも普通に牛肉を食べて変異型クロイツフェルト・ヤコブ病にかかる確率って(タバコの害で亡くなったり、交通事故で亡くなったり、と比べると)相当に低そうだけど。それに比べるとアメリカ人は大らかなのか、あまり気にしていないみたいだね。こんな記事もありました。

CNN.co.jp(1/25)から、「牛の脳」バーガー、今もメニューに 米インディアナ州 という記事。

米インディアナ州エバンズビル(AP) 米国で初の牛海綿状脳症(BSE)感染牛が発見されたことで、牛肉を食卓から遠ざける家庭がみられる一方、インディアナ州南部では、伝統の珍味である牛の脳の料理が今もレストランのメニューに名を連ねている。BSEの原因となる異常プリオンは、牛の脳や背骨などに蓄積しやすく、これを食べると感染の恐れがあるとされる。
創業160年を超えるドイツ料理店、ヒルトップインでは、牛の脳に卵と小麦粉をまぶして揚げ、パンにはさんだバーガーが、昔ながらの人気メニュー。脳は加熱すると膨らむため、パンからはみ出すほどのボリュームだ。ドイツやオランダからこの地へ移り住んだ開拓者らは、家庭の味として親しんでいたという。牛の脳はこのほか、カリフォルニア州やテキサス州の一部でも郷土料理となっている。
ヒルトップインの店内でバーガーを持ち帰り用に包んでもらっていた銀行員のセセリア・コーンさん(40)は、「BSEよりコレステロールの方が心配。先に動脈硬化でやられるかもね」と涼しい顔。マスタードとオニオンピクルスを添えて食べれば、「カタツムリやスシをしのぐ珍味」だという。
友人に誘われて来店したというスコット・ムーアさんも、できたてのバーガーを前に「宝くじに当たったこともないのだから、BSEなんかにかからないはず」と言い切った。
だが、米農務省は最近、30カ月齢以上の牛の脳の売買禁止を決めた。子牛も含め、脳の部分はすべて販売を中止した業者もある。地元の市場ではこれまで牛の脳が100グラム当たり50円以下で売られていたが、今後は入手が難しくなりそうだ。同店のオーナー、トム・デウィグさんは、代わりの食材として、味がよく似た豚の脳を検討中だという。
少しは見習っても良いかも。

*2/26追記:その後の関連記事をベースに2/26のブログを書いた。未だ非科学状態変わらず。

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2004/01/27

「e図鑑」 700円/月だって

BIGLOBEが新規に始めるコンテンツサービス。サイトは、e図鑑

宇宙や生命など、自然科学の最新の研究成果や、ナノテク、ロボットなどの最新テクノロジーをわかりやすく解説、また楽しい実験や工作、観察などを通して、自分の手を動かし、考え、解き明かすという「科学する」目と心を育てる、サイエンスエデュティメントです。
最前線の研究者たちとのネットワークにより実現した最新の信頼のおけるコンテンツ群です。興味深いテーマや旬の話題追求等、小学生から大人まで、継続して楽しんで頂ける科学アミューズメント図鑑です。
※2月より課金が開始されます。
※1月26日~1月31日の間に解約手続きをして頂ければ課金は発生いたしません。
※2月より月額700円(税込)の利用料金が必要となります。
ということ。

まだ、サンプル程度しか見ていないけど、結構おもしろそうだ。きれいな動画もあるし、科学事典としての使い道がありそうに思う。でもね、毎月700円の定額制というのはちょっときついなぁ。年間8400円出したら、気の利いたソフトが買えるしね。必要なときに安い料金で利用できれば十分だが、携帯と比べてそういう課金制度がまだ使いやすくないってことか?

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「著作権の考え方」

著者は、つい最近まで著作権を取り扱うお役所、文化庁の著作権課長をされていたということで、なかなか生々しくておもしろい本である。最近はインターネット絡みで著作権等の知的財産権についての一般向けの書籍も多く出ているけど、この本はそういう解説本とは相当に視点が違っていて、正にタイトル通りに「著作権の考え方」を述べたものである。

岩波新書 869
 著作権の考え方
 岡本 薫 著 bk1amazon

前半は著作権の解説。著者は著作権を3つに分類し、著作権1、著作権2、著作権3として(本書中では丸囲み数字)説明を試みる。これはもちろん法律用語ではないので、本書内でしか通用しない用語なだけに、最後までなじめなかったが、要するに、
 著作権1=著作権2+著作隣接権(いわゆる広義の著作権全体)
 著作権2=人格権+著作権3   (著作者の権利)
 著作権3=財産権
ということのようだが、やっぱりわかりにくいな。ともかくも、世の中で一般に著作権と言われているものには、このように3つがあり、国によってはそれぞれの扱い方が異なってくるし、著作物の種類に応じてきちんと区別して議論しなくてはならないということらしい。

著作権が、時代の変遷と共に、新しい技術、物、手段等の出現に合わせてダイナミックに変わってきたものだけに、一見すると著作権の対象により色々と取り扱いに違いがあり、非常に複雑怪奇な印象がある。しかし、本書の著作権の解説においては、何故そういう決まりになっているのか? という観点で歴史的な経緯も踏まえ、できる限り全体像を把握した上で、個別のケースを理解できるような工夫がされていると思う。(そうは言っても、読んだだけではやっぱり理解までには至らなかったけど。。)

後半は著作権に限らず、社会のルールはどうやって決めるべきなのか?という大きなテーマへと発展していく。日本の社会が、対立する利害の調整という合意形成手段に対して非常に未熟であることを、具体的な事例をあげて説明してくれる。この著者、文化庁時代に相当に「宿命的な対立構造」関係の調整に苦労したことが伺えるが、この部分が本書の中では一番読み応えがあった。

更に、著作権が関わるビジネス(映画・放送・出版等の業界)が他の製造業やサービス業に比べて不当に保護されすぎていて自助努力が足りない、という著者の主張が痛烈に書かれていて、かなり小気味いい。

最後は、今後の著作権がどうあるべきか、国際協調はどうあるべきか、といった内容に進んでいくが、ここも著者の想いがストレートに書かれていて、とてもわかりやすい。著者が今まで関わってきた立場を考慮すると、必ずしも全て真に受ける訳にはいかないと思うが、説得力はかなりあるし。(日本の著作権はインターネット対応等で世界で一番進んでいるんだという自負も、事実だとしてもちょっと鼻に付くし。でもアメリカは自国の利益のことしか考えていない国(著作権後進国)というのは、なるほどって感じだ。)

非常に気に入ったので、本書の「おわりに」の部分の一部を引用する。

 本書の中で述べてきたように、「一億総クリエーター、一億総ユーザー」という時代が突然に訪れ、「一部業界の一部のプロ」だけでなく「すべての人びと」が、著作権と無縁でいられないという状況に直面している。「法律ルール」「契約・流通システム」「国際問題」「著作権教育」「司法制度」など、すべてにわたって大きな転機を迎えつつあるわけだが、著作権の保護は、それ自体が目的なのではなく、人びとが幸せになるための「手段」にすぎない。
 したがって、すべてのルールやシステムは、著作権と関わるようになった「すべての人びと」のために作られるべきだが、繰り返し述べてきたように、著作権の世界には「宿命的な対立構造」が存在している。そうした対立構造の中で建設的なルールづくりやシステムづくりを進めていくためには、すべての人びとが民主主義の基本である「異なる立場の相対化」を行い、憲法のルールにしたがって自ら行動することが必要なのである。
ということで、本書の雰囲気が伝われば幸い。でもこういう引用は著作権法上許されるんだろうな??

*より具体的なケースについては、むしろ
 丸善ライブラリー 350
  インターネット時代の著作権
  半田 正夫 著 bk1amazon
の方がQ&Aが沢山あって、ハンドブック代りに手軽に使えるのでベターかも。

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2004/01/26

難燃性バイオプラPC

これは内容はともかく、うたい文句の「生分解性」がちょっと気に入らないなあという記事。

YOMIURI ON-LINE (1/25)の記事。

 NECは24日、パソコンやテレビなど家電製品に使える安全で燃えにくいバイオプラスチックの開発に成功したことを明らかにした。2006年までに、このバイオプラスチックを使ったパソコンの商品化を目指す。
 バイオプラスチックは、トウモロコシなど植物原料が成分で、土中では水と2酸化炭素に分解されることから、環境にやさしい新素材として注目され、食品容器など一部で実用化されている。
 バイオプラスチックをパソコン本体に使うには燃えにくくする必要がある。NECは、無機材料の吸熱剤(金属水酸化物)などの新素材を組み合わせることによって、世界で初めて従来のハロゲンやリンを成分とする有害な難燃剤を用いずに家電製品の難燃性の国際基準をクリアした。 (2004/1/25/09:48)

2003年秋から、パソコンのリサイクルが義務付けられたのはよく知られていると思う。例えば、パソコン3Rのページによると
2003年10月1日より、「資源有効利用促進法」に基づいて、メーカーとお客様が協力しあって、家庭のパソコンを再資源化するPCリサイクルがスタートします。
使用済パソコンはこれまで、自治体が回収・処理していましたが、PCリサイクルがスタートすると、パソコンメーカーが回収し、部品や材料をより有効に再資源化していきます。
となっている。

つまり、昨年秋以降に購入したパソコンは、原則として全て使用後はメーカーが回収するのである。だとすると、パソコンの本体を「土中では水と2酸化炭素に分解される」状態にする必要性がどこにあるんだ? NECさんはご丁寧にも不法投棄された場合も考慮して、それでも環境にやさしいなんてことを主張しているのだろうか? それとも、輸出対応? むしろ単にイメージを良くするだけなのかもしれないけど、どうなんだろうね、こういう中途半端な環境対応って?<ここの段落については、本記事最後の1/29追記参照のこと>

実は臭素(ハロゲン)系やリン系の難燃剤が有害だ、と簡単に切って捨てるような表現にも、いちゃもんはつけたいところだが、ここではいわゆる「バイオプラスチック」が未だに、土中で分解するので「環境にやさしい」という論理に対して異論と疑問を呈しておきたい。土壌中で生物により容易に分解するのも悪くはないが、どうせCO2にしちゃうなら、むしろエネルギー回収ができるような焼却炉で燃やした方が、その酸化反応熱をいくらかでも有効に活用できる点で有利ではないの? 何でも土中に埋め立ててしまえ、という一昔前の廃棄物処理と比べればともかくも、現時点で本当に生分解することが環境にやさしいのかどうか、説得力のある説明に出会ったことがないような気がする。

むしろこのプラスチックは、原料が植物であり「再生可能性資源」であることを強調すべきであろう。使い終わった後は焼却しようと生物が分解しようが、発生するCO2の量には変わりない。しかしそのCO2は、元々大気中にあったものを植物が光合成で固定したもので、それが回りまわったものだということが重要なのだ。もっとも、プラスチックを作る工程で必要なエネルギーや出てくる廃棄物が、従来の石油原料の場合と比べて大きくないということもチェック必要だけどね。それともう1点、世の中には食料が足りずに飢えで苦しんでいる人が沢山いるのに、貴重な畑を工業原料製造用に使用しても良いのか?というのは、また別の次元で考えるべき問題かも。

ちなみに、NECは昨年こんな発表をしているので、今回のプラスチックもケナフ繊維強化ポリ乳酸系なのかもしれない。

*バイオプラスチックの定義も曖昧。原料がバイオ(トウモロコシ、イモ、サトウキビ等)であること、製造工程に微生物反応等のバイオ反応工程を取り入れていること、製品が易生分解性であること、のいずれかの条件が関係していそうだが、全ての条件を満たす必要があるのかないのか、不明確。

バイオプラスチックで検索して見つけたのが、トヨタ自動車のページ。こちらは、同じポリ乳酸だが、さすがに「植物由来」を前面に出している。でも年間何千万トンものバイオプラスチックを作るとなると、その原料の植物の供給はどう考えるのか?については残念ながら触れられてないな。

*1/29追記
NECのホームページに正式なプレスリリースが載っている。これによると、なんと、生分解性については一切触れられていない。バイオプラスチックについては、

バイオプラスチックとポリ乳酸: バイオプラスチックは、植物資源を原料としたプラスチックであり、石油枯渇対策や、地球温暖化の要因とされている炭酸ガスの固定化対策を実現できる。中でも、トウモロコシ等の発酵で作った乳酸を重合させたポリ乳酸がバイオプラスチチックとして初めて量産化されている。しかし、電子機器用としては、難燃性、耐熱性などが不十分であった。このため、これらの特性の改良が行われているが、特に難燃性の達成が大きな課題であった。
と解説されており、植物由来ということがポイントとなっている。

ということは、「土中では水と2酸化炭素に分解される」ことがポイントだと認識していたのは、読売新聞の記者さんだったみたい。NECさん、ごめんなさい。

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2004/01/25

排ガス脱硝装置を開発、首都高速で実用化?

日経新聞の記事だが、何だか突っ込みたくなる内容。

NIKKEI NET (1/25)によると、

 国土交通省と日本、首都高速、阪神高速の三道路公団は、大都市部での自動車の排ガス対策として、二酸化窒素(NO2)と浮遊粒子状物質(SPM)を除去できる大型装置を初めて開発した。地下トンネルを走る首都高速中央環状新宿線(2007年春に開通予定)などの換気所に設置し、空気中に漏れる有害物質を抑制する。
 従来、排ガスを含んだ空気からNO2などを大規模に除去する装置はなく、道路トンネルと地上を結んで空気を入れ替える換気所周辺では、高い濃度のNO2が検出されることもあった。国交省と三公団は1992年から脱硝装置の開発に着手。このほどNO2を90%以上、SPMを80%以上除去できる大型装置を開発した。
 脱硝装置は一基約20億円で、来年度から首都高速中央環状新宿線などの10カ所に設置する。トンネル内の空気からNO2やSPMを除去し、換気所の塔から上空高く噴き上げる。新技術により、地上のNO2濃度は環境基準の数百分の一以下に抑えられるという。
とのこと。直感的に無駄な設備投資という印象を抱くのだが、如何ですかね?

最後の「地上のNO2濃度は環境基準の数百分の一以下に抑えられる」というのが、まず気になる。環境基準は、環境省の関連ページを見ると0.04~0.06ppm以下となっているが、そもそも道路付近は適用対象外とあるから、環境基準を守る守らないという点からは恐らく無意味。大体、都心の道路脇はNO2濃度は基準を大幅にオーバーしている筈で、何で高速トンネル排ガスを浄化しただけで基準の数百分の一まできれいになるねん?という疑問から考えると、この数百分の一というのは、地上大気濃度というよりは、装置を通過した直後のガス中のNO2濃度と考えるのが自然かな。

だとすると、この脱硝装置のNO2除去率が90%で、除去後のNO2濃度が基準の数百分の一ということになる。これも何か変だよね。これだと脱硝前の汚れた大気中のNO2が環境基準の数十分の一でなくては辻褄が合わないもんな。だったら最初から除去不要じゃん。というか、こんなおかしな数字に普通は疑問を感じないものかね、日経新聞さん?

それとも、「換気所の塔から上空高く噴き上げる」ことでまわりの大気で希釈するのか?だとすると脱硝に意味がなくなるし、まわりの大気が既に汚いことが問題なのだから、これも解決になってないというか矛盾してるよな。

記事の数字の矛盾はともかくとして、以前脱硝触媒の開発に関わった経験も合わせて考えると、SPMの除去はコストは別にしてフィルターでも可能だとは思うが、脱硝ということになれば、除去前のNO2濃度が相当に高くないと厳しいし、温度もかなり高くなくては触媒を使うにしろ使わないにしろ反応が十分に進むとは思えない。一般論として、エンジン排ガスを直接個別に処理する場合と比べて、はるかに希薄で低温なガスをべらぼうに大量に処理する必要があるわけで、これは滅茶苦茶に効率が悪くなるのが普通でしょ。一言「筋が悪い!」と言いたくなるんだけど、何か画期的な技術が使われているのだろうか?

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『シュワルツ博士の「化学はこんなに面白い」』

今日の本は結構読むのに時間が掛かったかもしれない。ようやく読み終えた!という達成感があるな。

主婦の友社 発行
 シュワルツ博士の「化学はこんなに面白い」
 ジョー・シュワルツ 著、栗木 さつき 訳 bk1amazon

330頁もある結構読み応えのある本。内容は化学に関わる様々なエピソードの、これでもかといったオンパレード。食べ物、サプリメント、洗剤、シャンプー、薬、プラスチック、等々。ある時は、化学にとっての歴史的な発見や発展のお話だったり、過去の事件の背景を化学的に明らかにするお話だったりと、確かに個々の話は興味深く面白い。

また、著者は本書の冒頭で「化学物質」を有害なものとして恐れる風潮に対して、「化学物質」じゃない物質なんかこの世にないこと、また天然物質だから良くて、人工化学物質だから有害である、というのは全くの誤解である、ということの説明に大きなスペースを割いている。本書を執筆した背景には、こういう化学に対する悪いイメージが一人歩きしている状況があることは間違いない。著者はカナダの大学教授である。アメリカやカナダで流行しているらしい、様々な主として健康にまつわる沢山の話が紹介されるが、そのほとんどが、そのまま日本にも当てはまることに驚かされる。一般社会が科学的な手続きや基礎知識に乏しいために、しばしば誤った知識、製品、或いは言動が世を席巻するのは日本だけではなかったということだ。

特に、シュワルツ博士はホメオパシーやカラーセラピーといった疑似科学に対しても、皮肉たっぷりな表現で切り込んでおり、なかなか小気味良い。そして本書の最後には「科学とはいったいなにか」というタイトルで全部で22の簡潔なまとめが記載されているが、これが非常に秀逸。

ただし健康に関連して、シュワルツ博士は、種々のサプリメントが有用だとして勧めているようだけど、これについてはどうかなぁ? むしろ質素でもよいから多種の食材をバランス良く食べることが肝心という論調の方が賛同できるけど。。この辺は北米では既にサプリ漬けが一般化していることに起因しているのかもしれない。

この本はbk1やamazonの書評でも非常に好評のようだけど、問題は誰が読むのか?ってことかな。そもそも普通の本屋にはまず並んでない。(僕はインターネットで購入した。)主婦の友社の発行であり、確かに一般の主婦に読んでもらいたい意図を持って出版されたのであろう内容なんだけど、これを普通の主婦が読むとは思えない。(ってきっぱり書くと主婦ハラと言われるかな?) 恐らく化学に対して親近感を持ってない人は読んでもワクワクしたり、続きを読みたい、って気にあまりならないんじゃないかな? なまじ分厚いだけに気力がないと読めないかも。(かばんに入れて持ち歩くにもでかくて重いし)とは言っても、本書は別に順番に読み進める必要はない構成になっているので、目次を見て興味を持てそうなところだけ、とか今後何かの時に巻末の索引を使って関係した部分だけを辞書代わりに拾い読みするだけでも十分に有用だと思う。

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2004/01/24

高校学力テストのニュースを見て

今朝(1/24)のうちに配達された日経新聞を見ると、1面と社会面に結構大きな扱いで記事になっている。

YOMIURI ON-LINE (1/23)の記事によると、 

文部科学省は23日、高校3年生を対象に一昨年実施した学力テスト(教育課程実施状況調査)の結果を発表した。
 対象の4教科のうち、国語と英語は想定された正答率を満たす問題が多い好成績だったが、数学と理科は下回る問題が大半となり、課題を残した。同時に行ったアンケートでは、勉強好きは2割にとどまり、4割の生徒が家でほとんど勉強していないことも分かった。文科省は指導の改善方策を各教委に示して、学力向上を図る。
 高校生の学力テストは1962年度以来、40年ぶり。同一問題がないので結果の比較はできない。
 達成度の判定は、標準的な時間で学習指導要領通りの授業を行った場合に期待できる正答率(設定通過率)を委員会で決め、実際の正答率と比較して行った。
 国語は出題全問中、84%が想定の正答率以上となり、英語も69%の問題で到達していた。
 逆に、数学は出題30問中、想定を超えたのは1問、同程度が5問、8割に当たる24問が下回った。
 理科は物理、化学、生物、地学の4科目で、各72―60%の問題が想定の正答率に達しなかった。
ということ。

何で40年ぶりにこういうことをしようと思いついたのか知らないが、もっと継続的にやっておけば、教育施策との相関も見れて意味があろうものが。。おまけに調査を実施してから発表までにどうしてこんなに時間が掛かるのやら。(解析結果なしに結果のみを発表すると報道機関が勝手な憶測を飛ばすという恐れがあるとは思うけど)

しかし、これって数学や理科の正答率が想定よりも低かった、と書かれているが、単に正答率を想定した人が実態を読み間違えていたということじゃないの? その原因はもちろん生徒の学力が予想以上に低かった可能性もあるけど、教える側が勝手に教えたつもりになっている(想定正答率が高すぎ)という可能性もあるのでは?

日経新聞には各教科1問ずつしか実際の問題が載っていなかったので、もっと調べてみようと思ったが、もちろん新聞には参照先URLなんか載っていない。では、インターネット上の各ニュースにはリンクが張ってあるかというと、どこにもない。(今回のニュースに限らず、こういう状況って今時のニュースソースとしては不親切すぎないかねぇ。参考リンクぐらい載せてくれればいいのに。新聞社がこういうソースを明らかにしないのは、読者がみんな1次情報にアクセスするような状況を好ましく思っていないのではないかと勘繰りたくなるなあ)

そこで文部科学省のホームページへ行ってみたが、それらしい情報は発見できず。結局、あれこれと調べていて、ようやく国立教育政策研究所なるところで発見したのが、この平成14年度高等学校教育課程実施状況調査というページ。全く手間を掛けさせてくれますな、もう少しみんな積極的に情報発信すればいいのに。
ともかくも、結構膨大な資料をよくよく見てみると、なんだ結局全問公開されているわけではないのね。あーぁ、どうして?? 

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「インターネット完全活用編 大学生のためのレポート・論文術」

どっちがタイトルでどっちがサブタイトルかよくわからないタイトルだけど、今日はこの本を読んでみた。前回の「ネットの未来」探検ガイドに続いて、インターネットをうまく使って、欲しい・有用な情報を入手する方法に関するものである。

講談社現代新書 1677
 インターネット完全活用編 大学生のためのレポート・論文術
 小笠原 善康 著 bk1amazon

タイトル通りに大学生のための本ではあるのだろうが、大学生でない人達にもとっても有用な本だと思う。でもなぁ。今時の大学生は、こんなに手取り足取り解説してくれる本があって幸せだと思うよ、ただね、テーマの絞込みを国語辞典なんか使ってやらんで欲しいな、とも感じるけど。

それはともかく、今の時代、インターネットをうまく使いこなせるか否かは、普通の知識人として生きていくためにも、とても大切なポイントだと思う。この本では、まず漠然とした単語からスタートして、その意味、背景、周辺情報と徐々にポイントを明らかにしていく、全てインターネットを使った方法が、具体的に紹介されている。具体的なサイトとなると現時点でも日々変化し続けているので、必ずしもそのまま使えるかどうかは保障できないだろうが、このアプローチの仕方はとても参考になること間違いない。

国会図書館の書籍検索に始まり、インターネット上の各種書評を参考にする方法まで、懇切丁寧に説明されている。学術的な資料の検索方法については、通常の検索ノウハウには記載されていないことも多いので、現役の研究者が採用してる方法の紹介という点で、この本はなかなか有益だった。

ところで、論文の電子的提出方法の章は笑えた。いわく、メールで送る際には宛先アドレス間違うな、差出人がわかるようにしろ、自分のアドレス間違うな、論文内に自分の名前を書いておけ、、だって。おーぃ、今時の大学生、本当に大丈夫か? (でも小笠原先生、文字化けの原因はFEPの問題ではないと思いまーす。)

少し気になったのは論文の扱いについて。少なくとも自然科学分野ではいわゆる査読を受けた論文と査読のない雑誌への投稿とは明確に区別されている。しかし、本書ではその点が一切記載されていない。もしかして社会科学分野ってそういうところなのかな? 他にも著者が自然科学や科学技術分野のことについて書いている内容が、やや偏見ぽく感じられたのは確か。(まあ僕のひがみかもしれないが)

最後の章では「嘘つきの法則」と題して、新聞報道でも時にはそのまま素直に読んでは駄目よ、という例や、情報を発信する際についつい大げさになったり、最初に結論ありきの議論をしがちだよ、という点を指摘している。これは、まさにその通り。情報受信側として如何にだまされずに真実を見抜くのか? 情報発信側として如何に誠実でいられるのか? といったことを考えさせられる。最後に著者は「論理的に正しい文」などそもそも存在しない、と言ってくれてるんだけどね。まあ、メディアリテラシーと言ってしまえばそれまでだけど、参考になりました。

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2004/01/23

ボスプレッソ

サントリーのBOSSシリーズの新製品らしい。日本工業新聞(JIJweb)の1/23の記事によると、ボトル缶入りのエスプレッソタイプコーヒーで、製品名がBOSSPRESSO(ボスプレッソ)となるらしい。写真を見ると、何だか試薬瓶のような印象を持つが、これは僕が化学系の出身だからか?  

エスプレッソならぬボスプレッソ?! 人気の缶コーヒー「BOSS」シリーズで初めてエスプレッソタイプの新製品「ボスプレッソ」が2月17日に登場する。サントリー木曽川工場(愛知県犬山市)内に“巨大エスプレッソマシン”ともいえる製造プロセスを導入し、缶コーヒーでありながら、焙煎したての香りとコクを実現した。シリーズで初となるボトル缶も採用するなど、話題を呼びそうだ。
 サントリーは新製品投入に合わせ「ボスプレッソ製法」と呼ぶ新製法を開発した。超微粉砕したコーヒー豆の下部から高温スチームをあて、抽出された香りと抽出液をそれぞれ急速冷却で凍結し、この「香り」と「コーヒー液」をボトル缶につめる仕組みで、「工場内に巨大なエスプレッソマシンを設けたようなもの」(同社担当者)だ。
 新製法により、従来のドリップ製法で抽出時に逃げてしまう焙煎したての香りとコクを再現した。また、ボトル缶の採用は「広口ボトルで香りとコクを感じてほしい」というねらいだ。

それにしても、サントリーのBOSSのブランド戦略はとても遊び心もあって楽しい。実は以前ふとしたことからBOSSの缶コーヒーを調査して初めて気づいたが、現行のBOSSブランドコーヒーは12種あり、それぞれの製品のBOSSおじさんの姿が微妙に異なって笑わせてくれる。「休憩中」ではダーツしてるし、「無糖ブラック」では車運転してる。「赤道ブレンド」のおじさんなんかサングラスしてるしな。詳しくはBOSSホームページで。

*2/2追記 検索エンジンでボスプレッソをキーワードにこのページにたどり着いちゃう方が多いようなので、公式ページにリンクしておきます。サントリーのニュースリリース

*2/18追記 ボスプレッソを買ってみたので、その記事を書きました。2/18のブログ

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鳥インフルエンザと鶏肉

アメリカのBSE騒動で牛肉輸入停止とか騒いでいたかと思うと今度は鶏肉の輸入停止措置とか。asahi.com (1/22)によると、

 農林水産省は22日、タイで高病原性鳥インフルエンザが発生し、感染者が出た疑いがあるとして、同国からの鶏肉など家禽(かきん)肉の輸入を停止した。タイ政府が発生の有無を確認している段階での異例ともいえる措置となる。鶏肉そのものは食べても人に感染した例はないが、同省は「食の安全・安心の確保のため、事実がはっきりするまで、念のために停止した」としている。タイ産は日本で消費される鶏肉全体の約1割を占めており、停止が長引くと、米国産牛肉と同様に、消費者にも影響を与える可能性がある。
ということのようだ。

農林水産省も今年は大変な幕開けとなったようですな。それにしても、BSEと鳥インフルエンザが同列に扱われているようで、何でもありの世の中には何だか呆れてしまう部分もある。(どっちもまだ真相がよくわからんという点で同じとも言えるか?) どう考えても今回の鶏肉騒動は過剰反応だと思うんだけど。

鳥インフルエンザに関しての感染症情報センターQ&Aによると、鶏肉を食べて人に感染したという例はないと明言されているし、鶏肉を生で食べずにきちんと加熱処理すればウィルスは完全に死滅する訳だし。万万が一にも人に感染したとしても、所詮インフルエンザ、新手の強力なインフルエンザとは言ったって、まだ見ぬ敵をそんなに恐れるくらいなら従来からのインフルエンザの心配した方がよっぽど気が利いていると思うけどねぇ。

でも、もしスーパーに「タイ産鶏肉」が並んでいたら、みなさんはよっぽど安くても敬遠するんでしょうね。賢い消費者なら、この機会に無茶苦茶に安く買ってきて、十分に火を通して食べると思うんだけどね。逆に高い他国産を買わされたくはないなぁ。

*もちろん感染した鶏肉を無条件に輸入してしまうと、国内の健全な鳥に感染を広げてしまう恐れがあるので、適切な検疫処置が必要であることは確か。ただ食の安全と、鳥への感染の問題は別に扱うべきであるということ。

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2004/01/22

『「ネットの未来」探検ガイド』

インターネットから効率的に情報を入手する方法に興味があり、本を探していたが、今回はこの本をみつけて読んでみた。なんと2時間もあれば読めてしまう、超お手軽本だけど、なかなか得られるものが多かった。

岩波アクティブ新書 99 
 「ネットの未来」探検ガイド 時間と言葉の壁を超える
 歌田 明弘 著 bk1amazon

第1章は、Googleを使いこなそう、という話。ツールバーの導入、その使用法についても触れられている。僕もグーグルツールバーは導入していたが、今まで使っていなかった便利なオプションについても使用法が説明されており、得した気分。10へぇ~位かな?

第2章は、(英語限定も多いが)ベータ版だったりプロトタイプ版のさまざまなグーグル周辺ツールの紹介。特にGoogle Labで公開されているいろんな検索関連ツールは、まだ実際に使いこなしていないが、ゲーム等の遊び心と共に将来の可能性を感じさせてくれて楽しそう。今後使ってみての感想も書き込んでみたい。

第3章は、このサイトのようなブログもうまく活用すれば貴重なデータベースになるわけで、その方向性や試みについて。そして、ニュースリーダーについて話が及ぶが、これについては使ったことがないが、確かに便利そう。また、現在の各新聞社のリンクポリシーが、世の流れに逆行していると嘆いているが、これには全く同感。このブログでもリンクで結構苦労してます、ハイ。

第4章は、インターネットを丸ごと保存するというプロジェクトの話。アメリカ大統領がクリントンからブッシュに替わった途端にホワイトハウスのホームページがそっくり入れ替わって古いものは消えちゃうなんて話は「20へぇ~」レベル。しかしアメリカ人は恐ろしい事を考え付くねぇ。既にインターネットの全情報を定期的にバックアップし始めていたのね。Internet Archive 日本語のページもちゃんと保存されているらしいので、後でゆっくり試してみよう。確かに、文化的な価値も高そうだけど、一方で著作権問題が大きな壁になりそうでもあるな。

第5章は、インターネット翻訳の現状と将来について。確かに韓国語と日本語は文法が似ているので機械翻訳の精度が高そう。ほとんど違和感ないレベルまできているのだそうで。将来、言語の壁がこういう方法で取り払われると、確かに世界が変わるのかもしれない。ちょっとシリアスに考えてしまう話題ですねぇ。

第6章は、グリッドコンピューティングとかピアトゥピアの話。グリッドコンピューティングとしては、僕ももう何年も前からseti@homeに参加しているけど、その後の進歩がいまいちのように思うぞ。

というように、簡単に読み終えた割には実は、なかなか読み応えというか、実際に読むだけでなく体験して感じるためには相当手ごわいかもしれない本です。コンピュータやインターネット関係の雑誌をこまめに読む生活からとっくの昔に足を洗っていたので、こういう内容は大部分が結構新鮮だった。

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TDLコースター事故原因

2003/12/5に東京ディズニーランドのスペースマウンテンの車軸が折れた事故についてのニュース。

asahi.com (1/21)では、

 千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)で昨年12月、ジェットコースター「スペース・マウンテン」の車軸が折れた事故で、TDLを運営するオリエンタルランド社は21日、車輪を支える金属製の車軸(長さ約1メートル)の太さが、設計より0.86ミリ細かったため、車軸を受ける部分とのすき間が余分にできて金属疲労を起こしたと、事故原因の調査結果を発表した。
 同社によると、太さが足りなかった原因は、95年に車軸受け部品を国内の業者に発注するようになり、車軸の直径を44.14ミリから45ミリに変更した際、設計図面の原本を直し忘れたためという。これをもとに02年8月、車軸を業者に発注していた。このため、折れた部分には設計の8倍の負荷がかかっていたという。
と報道しており、直接の原因は寸法違いだけど、その背景は複合的というニュアンスに読める。

一方、NIKKEI NET (1/21)は、

 昨年12月、千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)のローラーコースター型アトラクション「スペース・マウンテン」の車軸が折れて脱輪した事故で、TDLを運営するオリエンタルランドは21日、誤った設計図面で車軸を発注した人為ミスが事故原因と発表した。
 同社によると、1995年9月に車軸や軸受けの設計図面の仕様を変更。車軸径を従来より0.86ミリメートル太くした。
 ところが、社内での図面管理が不十分だったため、今回折れた車軸は古い設計図で規定より細い車軸を発注、車両に取り付けた。車軸と軸受けの間に設計値の5倍以上のすき間が生じ、車軸に強い力が繰り返しかかって折れたという。同社は「設計図面の適切な管理を怠ったことが原因」としている。
と報道。発注ミスが主要原因というニュアンス。

YOMIURI ON-LINE (1/21)は

 同社によると、スペース・マウンテンは1995年9月から車軸の太さを従来の44・14ミリから45ミリに変更した。しかし、2002年8月、国内の機械部品製造業者に車軸を発注した際、誤って古い図面を基に44・14ミリの車軸を発注した。
 このため、車軸と車軸受けとの間に1ミリを超えるすき間(通常は約0・2ミリ)が出来て、結果的に車軸に通常の8倍の圧力が加わり、先端が折れたという。
 発注ミスの車軸を使っていたのは、14編成のうち、7編成あった。
となっていて、やはり発注ミスという見解。

ところがSankei Web (1/21)では、

 昨年12月に東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)のローラーコースター型アトラクション「スペース・マウンテン」の車軸が折れ脱輪した事故で、TDLを運営するオリエンタルランドは21日、原因は車軸の設計ミスと発表した。
となっており、「設計ミス」? それって何か変じゃないか?

そもそも、0.86mmも細い車軸を取り付けたら、軸受けとの間の隙間が広くなりすぎて、取り付けの際に気づくだろうが!?という至極当然の疑問についての答えはどこにもないのね、と思ったら、

Mainichi INTERACTIVE (1/21)は、

 千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)で昨年12月、コースター型アトラクション「スペースマウンテン」の車軸が折れ後輪が脱輪した事故で、TDLを運営するオリエンタルランドは21日、記者会見で「本来の車軸よりも細い車軸を取り付けてしまったのが(事故の)原因だった」と説明し、陳謝した。
 <中略>
 TDLは95年、車軸の太さを現在の45ミリに変更した。その際、旧来の寸法が書かれた図面を破棄しなかったため02年8月に限って、古い図面を添えて業者に発注してしまった。納品後も車軸の太さを確認せず、車両に取り付けた担当者も太さの違いに気がつかなかったという。
としっかり疑問に答えてくれてて好感が持てるが、これって本当か?? 昔、自転車を自分で組んで調整した身としては、こんだけクリアランスが違えばいくら何でもしっかり気づくと思うのだが。

ということで、今回のニュースソースはTDLらしいので、本家のサイトで探してみたら、オリエンタルランドの報道はこんな形。事実関係を明らかにしただけであり、決して「担当者も太さの違いに気がつかなかった」などとは発表されていないし、発注ミスを全ての原因と決め付けてもいない。或いは記者会見ではそんなニュアンスの発言があったのかもしれないが。

こんな単純な新聞記事でも、深読みしないと意外と記述が信用できない、という良い例か? 事実だけを書いているならともかくも、それについての解説や見解を限られた紙面(Web版は別に記事のスペースに制限はないと思うのだが)に書こうとするとこういうことになる面もあるのだろうが、でも「設計ミス」はないでしょ?ね、産経新聞さん。

*1/23追記
 佐賀新聞の記事DBに登録されたのでリンクを(許可なく)張っておく。これによると、Sankei Webの記事と一緒なのでソースは共同ということかな? ついでに出てきた2003/9/7の記事を見ると、アメリカディズニーランドのビッグサンダー・マウンテンの脱線事故を受けて日本も一時運行停止したようだが、この時に一斉検査をしてスペース・マウンテンの車軸のがたつきに気づかなかったものだろうかねえ?新聞はこういうことにも全く触れてくれないのね。。


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2004/01/21

精密星座表示クロック

シチズン・アクティブ株式会社が発売する「精密星座表示クロック」がなかなかすぐれもののように見える。しかも、資料によると、相当かっこいいんじゃない?

2タイプ合わせて限定150個というのも、結構レアですねぇ。でも値段考えるとためらっちゃうのは、天体マニアじゃないからかな? しかも直径約50cmということは、相当デカイ!!

*2/8追記
 銀座伊東屋で2/7に実物が展示されているのを発見。本当にデカイ! 面白かったのは、長針が1秒毎に少しずつ(0.1度か)ステップワイズに動いていたこと。秒針はない。こんな時計を見たのも初めてだ。考えてみると、文字盤は反時計回りに1日で約1回転するんだね。

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「エネルギー 風と太陽へのソフトランディング」

環境問題系の科学的な理解を高めるのに、なかなかわかりやすく、しかも視点が独創的なので、とても好きなシリーズとして、日本評論社のシリーズ「地球と人間の環境を考える」というのがある。全6巻、今まで5巻が発行されており、この度最後に残った「エネルギー」が出たので、非常に期待して読んでみた。

 シリーズ 地球と人間の環境を考える 05
  エネルギー 風と太陽へのソフトランディング
  小島 紀徳 著  bk1amazon

ついでに、シリーズの他の本も紹介しておくと、以下のようになっている。

 01 地球温暖化 埋まってきたジグソーパズル
    伊藤 公紀 著 bk1amazon
 02 ダイオキシン 神話の終焉
    渡辺 正、林 俊郎 著 bk1amazon
 03 酸性雨 誰が森林を傷めているのか?
    畠山 史郎 著 bk1amazon
 04 環境ホルモン 人心を「攪乱」した物質
    西川 洋三 著 bk1amazon
 06 リサイクル 回るカラクリ止まる理由
    安井 至 著 bk1amazon

さて問題の「エネルギー」だが、残念ながら期待はずれだったようだ。

この本は終始「ぼくたち」を主語とした語り口で、高校生あたりを読者として意識したような書き方となっている。しかし、このシリーズの他の本から考えて、もっと上を狙っているように思えるのだが。まあ、高校生にもわかるように書こう、というのであればそれでも良い、わかりやすいことは悪いことではないから。(でもどうしてシリーズの他の本と対象が異なるんだろう?出版社とのすり合わせはやらなかったの??)

では、内容がわかりやすいか?というと残念ながらこれが駄目みたい。数式は使わない、という方針のようだが、図や表の説明が舌っ足らずになっていて、読んでもさっぱり言いたいことが伝わってこない。説明の論理が飛びすぎていて、直感的に理解しにくいところも多い。これは、読者の側の能力不足という問題かもしれないが、高校生相手ということを意識しすぎて逆にわかりにくくなっていやしないか?

副題が「風と太陽へのソフトランディング」ということで、現状の化石エネルギー主体の社会から再生可能自然エネルギー社会へのスムーズな移行に向けてのいくつかの具体的な道筋や考え方が示されているかと思いきや、これまた中途半端で、現状を多面的に眺めた後は、さてどうするか?各自で考えてね、という感じで放り出された印象が残る。

そもそも環境問題を理解していくには、かなり大局的な視点が必要で、いつの・どこの・だれを対象として考えるのか?によって答えは変わってくる筈である。このシリーズはそういう点が明確なので読みやすかったのだが、この本については結局最後までそこが明確にならなかったようだ。地球の資源と大気中のCO2と我々の暮らしをどうバランスさせるのか?がポイントであるならば、そこには自然科学の視点からだけでは解決不可能な領域があるはずで、この種の本にはその限界を明確に提示してもらいたい、と言ったら欲張りすぎだろうか?

ということで、僕としては期待が大きかっただけに今回の書評は激辛になってしまったけど、いろんな環境問題の中でもエネルギー問題が最も重要であろうと考えているので、個人的にはもっと勉強し続けていきたいと思うけど、もう少し突っ込んだ本の出版を期待したいところだ。

ちなみに、著者の小島先生だが、日本化学会編の「本音で語ろう 地球温暖化」 bk1amazonの中で「砂漠緑化とCO2とエネルギー資源」という章を担当されているが、こちらは大学生向けということで、スッキリと論旨明快、意図する中身も同意できるものだったのだけど。。

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2004/01/20

献血とHIV感染

昨年末に話題になった以下の事件の続報
 読売新聞記事(2003/12/30)
 佐賀新聞1面(2003/12/30)佐賀新聞3面(2003/12/30)

*読売新聞の記事はリンク切れの可能性あり、佐賀新聞は今のところ国内で唯一全記事を永久保存するらしい。(佐賀新聞は記事への直リンは禁止しているけど。。)
 
厚生労働省が1/20、感染した患者の血液と問題の献血血液の双方から検出したHIVウィルスの遺伝子タイプが一致した、と発表したとのこと。(朝日新聞、日経新聞等) これで、1999年に日赤が高感度検査を導入して以来初めての輸血によるHIV感染が確認されたことになる。

少し気になったのは、献血血液の全数についてHIV検査を行っているにも関わらず、いわゆる「すり抜け」が起こってしまう理由である。感染初期には検査では引っかからない時期(空白期間:HIVでは11日間)がある、と聞いていたのでそのせいだと思っていたら、今回のケースではさかのぼって5月の献血血液サンプルを精密分析したらHIVが検出された、とある。

どうやら、全数検査の時には50検体をまとめてNAT(核酸増幅検査)するので低濃度HIVは検出できなかったが、今回の再検査では個別にNATしたのでみつかったということらしい。そこで、今後は50人分をまとめて検査する体制から20人分をまとめて検査する体制に変えるとのことだが、なんだかなあ。(確かに「すり抜け」確率が従来の2/5になるのだろうけど)

本件の経緯・事情・問題点等は、上記佐賀新聞の3面の記事に詳しいが、献血愛好家であるところの僕としての意見をまとめると、

・いかに検査を厳しくしたり献血を制限しても、感染の初期問題、検査精度やコスト等を考えると、この種の感染症リスクはゼロにはならないだろうこと
・献血によって救われた命や伸びた寿命が沢山あることとの対比の必要性。特に輸血や血液製剤の使用は何らかの治療の目的で使用されることから、使用しなかったケースとのリスク・ベネフィットを考える必要性
・国内の献血を厳しく制限する方向になった時、ただでさえ血液の国内自給ができない現状を考えると、海外から血液or血液製剤の輸入を増やすことになり、そのリスクとのトレードオフにならないか?

なんてところか?

感染者が出ないにこしたことはないが、何らかのリスクが残る以上は今後とも同様の感染が発生することは防げないと思う一方で、それでも献血を制限する方向にもっていくのは間違った方向だと思うし、献血が一部の愛好家(マニア)に支えられているような現状を打破するためには、もっと門戸を広げる方向に持っていくべきだと思うけどな。

ただし、主要先進国でHIV感染者が増えているのは日本だけだ、という指摘もあるように、対策が必要なのは献血の検査体制と同時にHIV感染防止にあることは間違いない。

エイズ関係の情報は、JHC NET PLAZAがよくまとまっているようだ。

ちなみに、この近辺の情報については日本赤十字社のホームページには何も記載されていない。この辺りにも献血事業が何となく胡散臭く見られる一因があるような気がするんだけど?

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富士の真上から

204012001.jpg

2004/1/11の中華航空 CI0017便(東京→台北)の右側窓際席から見た富士山。当日は快晴で視界良好だったので景色を楽しみにしていたが、座席からは山中湖辺りはきれいに見えたものの富士山は見えてこなかった。どうやら進行方向左側の窓から見えるのかいな?と残念に思いながらも、ふと身体を起こして窓の真下を覗き込んでみたところ、写真のようなきれいな富士山が見えたというわけ。
更に、富士山を通り過ぎた直後の写真がこれ。結構きれいでしょ。国内便(例えば東京→岡山便)にも何度か乗っているけど、高度がもっと低く、もう少し南側を通るので、こんなに火口を真上から見下ろすことはできないよね。ということで、やっぱり富士山ってきれいだよね。

204012002.jpg

インターネットを検索してたら、こんなサイトの中でこんな富士山の写真を発見。やはり成田→台北便から撮ったものらしい。偶然か?

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2004/01/19

台湾の献血車

PICT0067.JPG

これは、台北市西門でみつけた台湾の献血車の献血風景。見た目は日本とほとんど一緒でしたね。でも赤十字マークは見当たらなかったようね。むしろ献血のイメージとして下の写真のようなマークを使っているみたい。平日の夕方だったのであまり人がいなかったけど、日本のような「呼び込み」も見当たらなかったし、ある意味ひっそりとやっていた印象。この場所も西門という繁華街の一部ではあるものの、やや場末の暗い通りであり、日本のように駅前広場で堂々と、というイメージとはちと違っていた。

PICT0068.JPG

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台湾から帰国:SARS対応体制

だいぶ間が空いてしまった(^_^;;) 先週は台湾に仲間と遊びに行ったけど、帰り際にどうも食あたりになったようで、体調を崩し、週末はしっかりおやすみモードでした。

いよいよ1/22が今年の春節(旧暦の正月)ということで、台湾でも年末の慌ただしい時期だったのですが、活気がありましたねえ。平日の昼間にも関わらず、繁華街や商店街、或いは路地全部が市となっているような地区のごった返し風景は、近頃の日本では見られない熱気のような。

さて、SARSは幸いにもこの冬は勢いが予想を下回っているようで、まだ中国広州で数人の疑い例が出ただけのようですが、台湾での警戒態勢はどうだったかと言うと、

・入国時
  空港でサーモグラフィによる体温検査
  イミグレーションにSARS調査票を提出
・大きな施設
  有名なお寺や博物館等の人の集まる施設では係員が一人一人のおでこに赤外放射温度計を当てて体温測定
・出国時
  空港でサーモグラフィによる体温検査

というような状況でしたね。詳細は外務省のページで確認してね。

我々の仲間たちの中には同じく食あたりのせいか出国時にやや熱を出したメンバーもいたので、サーモグラフィに引っかかったようだけど、簡単な問答をしただけで、特に問いつめられたりそれ以上の検査をされることもなく無事に(?)出国できたのでした。まあ、こんなものか?

そして日本の受け入れ態勢は?というと、現時点では広州からの入国者のみに体温測定を行っている状況のようであり、台湾から帰国した我々は何もチェック(問診票も)なしにフリーパスで入れたのでした。

なお、台湾の人々も特にSARSを警戒している様子はなく、通常はマスクをしている人達はほとんど見ませんでした。もっとも、台湾ではSARSと関係あるのかないのか、カラフルな色や模様や絵柄のマスクがコンビニを始めいろんな所で売られており、バイクに乗っている人達は結構マスク装着率が高かったようでした。記念に買った人も多いようだけど、あのマスク、日本でしていると本当に怪しいよ。

さて、春節の民族大移動を終えた今月末から来月始めの時点で、中国や台湾のSARS状況がどうなっているのか、興味がありますね。もっとも、今年はSARSよりも鳥インフルエンザウィルスにみんなの注目が集まり始めているようで。また喉元過ぎればって奴か?? (鳥インフルエンザウィルスについても、先の記事で取り上げた岩波新書「感染症とたたかう」に詳しく書かれていますよ。)

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2004/01/11

「感染症とたたかう」

今日(1/11)から台湾に遊びに行くことになっているので、最近やや気になるSARSに関する本を買って読んでみた。
 岩波新書 870 感染症とたたかう -インフルエンザとSARS-
  岡田 晴恵、田代 眞人 著   bk1amazon

正直に言って、SARSが従来のインフルエンザに比べて不当に怖い病気として恐れられすぎているような気がしていた。だってSARSで死んだ日本人は今のところ一人もいないし、世界的に見てもSARSで死んだ人は高々(極めて失礼だけど)7~800人。死亡率だってさほど高くはなかったはず。

ということで、今回の本を読んでみたところ、どうやらインフルエンザが実はとても怖い病気なのに、特に日本人は風邪との区別もせずに軽々しく取り扱っているのであって、SARSが特に怖いわけではないのだ、というような感じがしてきた。というか、この著者にとってSARSは、新型の感染症が一度起こると全世界に致命的な脅威を与えるのだ!ということを皆に広く思い知らせる、ある意味でとても良い警告だ、ということになるのかな。

実際、インフルエンザで日本だけでも毎年数千人規模で死亡しているという事実から考えると、やっぱりSARSで騒ぎすぎでは、と思えるし、一方で著者がいうように、日本人はインフルエンザに対して余りにも無防備すぎる、という指摘もうなづける。

それにしても、この著者は自分でもいたずらに恐怖心を煽るつもりはない、と書いている割には全編通して、いわゆる恐怖本になっているように感じるのはどうして?また、岩波新書ということで一般向けかと思いきや、本書の内容は用語にしても内容にしても、とても専門的で、到底入門書とは言えないレベルだろうと思う。むしろ一般人はこの本を読むと、詳しいことはよくわからないけど、感染症はとっても怖い、人類は感染症で滅びるのではないか?という漠然とした不安を感じる恐れさえあるような。

しかし、SARSに関していえば、なかなかまとまった知識を得るのはまだまだ難しいとてもホットな内容にも関わらず、本書では経緯、政治的な動き、医学的な知見等についてとてもよくまとまっている。さすがにSARSに関しての日本の第一人者の面目躍如といったところか。逆に言えば、この本は来年の今頃には大幅改訂せざるを得ない可能性が極めて高いわけで、よくぞ今出版してくれました!と言えるのでは。

もうひとつだけ、苦言を呈すると読者が読みたい・知りたいことではなく、著者が書きたいことを書き連ねた内容になっているように感じられ、そこが読後の欲求不満感につながっているように思える。

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2004/01/10

化学イノベーションシンポジウム

1/9に東大安田講堂で開催された、日本化学会創立125周年記念の標記シンポジウムに参加してきた。
http://www.csj.jp/csj125/kagakuino.pdf
お目当ては、中西先生の環境リスク論を初めて生(!)で見られることだったんだけど。

何だかターゲットが定まっていないというか、まあ化学会は守備範囲が広すぎて毎度のことだけど、あの講演内容の全てにきちんと付いていける人っているのかよ??という感じ。(自分を基準に考えては駄目なんだけどネ)

でも最近興味を持って本を読んでるおかげでバイオ関係については、講演の入り口部分は興味もって聞けました。ついでに、ブッシュ大統領とチンパンジーが良く似てるよっていう写真を見せて貰ったし(所詮DNAは1%位しか違わないって話)。少し調べてみたら、こんなページ発見。George W. Bush or Chimpanzee?

肝心の中西先生の講演は、ご本人が「化学会の依頼は高校生にもわかるようにというものだったので、そういう資料を用意してきてしまったけど、実際の聴衆はほとんど全部、化学が専門の大学生、社会人ばっかりで、困った」とおっしゃってたように、入門向け過ぎてやや期待はずれ。でも、講演資料集には参考になる資料が沢山載っていたので許そう。

中西先生はHPの内容等から、結構気むずかしくて怖い方だと思ったら、意外とソフトな印象でしたね。他の先生方も名前は知っていたりする方もいたけど、話を実際に聞いてみるといろいろと印象が変わるものです。それにしても、光触媒の藤島先生の講演内容は、宣伝モードでいただけませんでしたねえ。

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2004/01/09

225回目の献血

1/8に横浜駅西口献血ルームにて血漿成分献血を実施。今年最初。今年もコンスタントにやろうと思う。

左腕で検査、右腕から採血。最近、ナースの方を見ていると、右腕からの採血がやりにくそう。血管が太く見えていて薄いので針を刺しにくいのだそうだ。

今回のおみやげは、スーパースターブランド(ミズノ製)の小型のトートバッグ(28×12×22cm)
お気に入りだった、献血Tシャツが最近見あたらないのが残念。

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2004/01/07

リスクラーニング

産総研(産業技術総合研究所)が、化学物質が健康へ与えるリスク評価が簡単に可能なソフトを開発し、インターネットでダウンロード可能というニュースを目にした。(asahi.com どうせリンクが切れるだろうから、一部を引用)

化学物質の健康リスク判定 産総研がソフトを開発し提供  日常生活で浴びたり、摂取したりする化学物質が与える健康へのリスクはどれくらいか。産業技術総合研究所化学物質リスク管理センター(独立行政法人)の吉田喜久雄研究員らが、それを簡単に計算できるソフトウエアを開発した。ソフトは無料でインターネットで提供している。  ソフトの名前は「リスクラーニング」。「特定化学物質の把握と管理・促進法」で指定されている354の物質から、生活の中で接触する割合が高い76物質を取り上げている。  地下水、空気、土壌、野菜など化学物質を運ぶ11の媒体と、飲んだ、食べた、吸ったなど33のシナリオから自分にあてはまるものを選び、性別、身長、体重などのデータを打ち込むと、発がん率など健康被害の危険度を示す「リスク指標」が計算できる。  同センターのホームページからダウンロードできる。 (01/06 13:57)
ということで、産総研の化学物質リスク管理研究センター(CRM)のホームページからRisk Learningのページへジャンプ。早速インストールして使ってみたのでその感想を。

146ページもあるpdf版の取説を読みながら、ともかくも適当に計算してみたのだけど、悲しいことに計算結果を見てもさっぱり何が何だかわからない。うーむ、取説には計算前提や計算式の導入については実に詳しく記載されているが、計算結果の解釈の手助けになるような情報は一切ないのね。何というか、学会等の関係者向けのドキュメントの体裁になっている。

これでもCRMセンター長の中西先生のホームページの熱心な読者だし、先生の本も持っているのに。。。うーん、少し勉強しよう。でも「朝日新聞の紹介を見て使おうと思ったのだけど、これじゃ使い方がわからないっす」というメールを送っておこうかな。

朝日新聞の記者は、

「10年以上毎朝シャワーを浴びて、水道水に含まれるクロロホルムを吸入し続けた場合の発がん率は」「1日1食魚介を食べる人のダイオキシンによる発がんのリスクは」など、生活状況に合わせた検索ができる。二つのケースともリスクは低いという。
と書いているけど、理解できたのかな?

*そもそもこのソフトが公開されたのは2003/12/15のようだが、どうして今頃ニュースになるのかな?朝日の記者が、この間しっかり勉強してソフトを使いこなせるようになったとか?

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はじめまして

tf2こと沢木です。今日からココログ開始です。始めなければ始まらないですものね。
ではでは。

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