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2004/02/14

ソニーの植物原料樹脂

1/26のブログでNECのバイオプラスチックのことを書いたので、2/13の日経新聞に載っていたSONYの植物原料樹脂のニュースも書かなきゃ不公平になる。

植物原料樹脂 難燃性を向上 ソニー・三菱樹脂
ソニーは三菱樹脂と共同で、植物を原料とするプラスチックの難燃性を高める技術を開発した。植物原料プラスチックは石油を使わず、土中の微生物が分解するため環境への負荷が小さいが、難燃性に課題があり用途が限られていた。
 難燃剤として無機系の水酸化アルミニウムを使用する。欧州連合(EU)の有害化学物質規制に適合。米民間機関が定める難燃性の規格で「V-2」と呼ばれる基準も満たしており、コンセントをつないで使うAV(音響・映像)機器、ゲーム機などに使用可能になった。

ソニーのプレスリリースを見ると、ポリ乳酸ベースの樹脂であることがわかる。(NECと一緒の樹脂ですね。)こちらには無機系難燃剤を使用としか書かれていないので、水酸化アルミニウムというのは日経の独自取材かな?

日経の記事もSONYのプレスリリースも、植物原料樹脂採用のポイントとして、再生可能性と生分解性という二つのキーワードをあげている。生分解性って本当に意味あるのか、どうもピンとこないけど。

NECのプレスリリースと比べてみると、難燃性のレベルはNECが最高の「5V」に対して、SONYは一番下のレベルの「V-2」であることがわかる。SONYのDVDプレーヤーに対しNECがパソコンやテレビということで、要求される難燃性レベルに多少の違いはあるのかもしれないが、今回の樹脂については、NECの方が性能が上かな?(あくまでも難燃性だけ。コストやその他の性能等は不明。)

それにしても、NECは「バイオプラスチック」でSONYは「植物原料プラスチック」と用語が違うのも困ったもの。これでは一般顧客は違うものだと思ってしまう。用語統一は化学業界の仕事かな? 更に言えば、普通はABS、ポリカ、PET、ナイロン等の樹脂名で呼んでるのだから、ポリ乳酸(PLA)という名前をもっと積極的に普及させてもいいのでは。NECの記事もSONYの記事も、プレスリリースにはポリ乳酸と書いてあるけど、新聞記事には出てないしね。

*三菱樹脂のホームページも見に行ったが、本件に関するニュースは今のところは無し。三菱樹脂はまだましな方だと思うけど、個人顧客を直接相手にしている家電業界と比べて、化学関係の会社はホームページの作り方というか情報の取り扱いがまだまだ下手だね。専門用語だらけのニュースリリースは時々載るけど、簡単な解説や役立つリンクなんてものは滅多に見られない。(もともと一般大衆向けではなく、関連業界向けのニュースリリースという認識なんだな。)世の中の人々の化学物質への不安や疑問を解消していくことが、自分たちの事業にプラスになることを考えるべきだし、製品宣伝と社会貢献を兼ねて、情報・知識をもっと積極的に供給することに目覚めても良いと思うけどね。

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