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2004/02/23

アクセシビリティ診断ツール

インターネットで、色々なページを見ていると、時々とても目が疲れたり、読むのに苦労するサイトがある。文字の大きさや色使いといったものは、サイトのデザインを大きく左右する要素なので、デザインする人の個性が反映されたものと言ってしまえばそれまでだが。視覚に関して特に問題のない人でも、時々そういうサイトに出会うくらいだから、障害を持つ人にとって見づらいサイトが沢山あるのは想像に難くない。そんな、サイトの「見やすさ」を評価するソフトが無料で手に入るということで、ちょっと試してみた。

ソフトを開発して提供しているのは、富士通でプレスリリースが出ている。要するに、ユニバーサルデザイン(年齢や身体的条件に関わらず誰でも使えることを最初から想定して、製品やサービス、空間をデザインすること)を目指しましょう。その一つとして、アクセシビリティ(環境、設備、機器、ソフトウェア、サービス等を障害者、高齢者等、様々な人々が利用しやすくしていこうという思想、及び、利用しやすさの度合い)を高めるための診断ツールを提供しますよ、ということらしい。

診断ツールは3種類あって、説明を読んでも、それぞれをどう使うのかが今一ピンと来なかったけど、とにかくダウンロードして使ってみた。

【ColorDoctor】
ウィンドウが左右にニ分割されており、左ウィンドウは通常の表示、右ウィンドウは色弱者にとっての見え方(グレースケール、第一色覚、第二色覚、第三色覚)で表示される。ブラウザモードを選べばチェックしたいページのURLを入れて表示させることができるし、透過モードとすれば、自分のPCのデスクトップ画面をそのまま表示可能。

左側の画面を操作すると、右側の画面もリアルタイムに変換表示されるので、面白い。健常者にとって、色弱の人たちに見えている世界が体験できるだけでなく、確かにこういうツールがあれば、気軽にチェックして改善しようという気になる。

試しに、昔検査で使ったチャート(石原表というらしい)の載ったページを表示させてみると、なるほどと納得である。そういえば、労働安全衛生規則が改正になるのでということで、以前来ていた職場の安全表示の色使いを見直してくれという通達もみつかったが、これも実際にこういうツールで見せられると納得できるというものだ。

【ColorSelector】
背景色と文字色の組み合わせが読みやすいかどうかを判定するツール。カラーパレットから、背景色と文字色をそれぞれ選んで判定してもらう。先のColorDoctorが、出来上がったデザインを後から診断するのに対して、こちらは作成時に色を選ぶ際に参考にするといった使い方かな?

【WebInspector】
サイトのURLやHTMLのファイル名を指定して、開始ボタンを押すと、チェック結果がファイルに出力される。このファイルには、改善した方が良い点を、項目ごとに整理して具体的に書き込まれている。

ちなみに、この「Do you thik for the future?」サイトを診断してみた結果、優先度1の問題点が3件、優先度2が何件か出てきた。例えば、優先度1の一つは「<html>にlang属性がありません」という指摘であり、もう一つは「タイトルバックのオレンジ色(#ff6600)と文字の黒(#000000)の組み合わせは、色覚特性(第一色覚-赤)の基準でコントラストが足りません」となっている。

そもそも、このサイトは@niftyのココログサービスのデフォルトデザインのうちの一つをそのまま使っていて、指摘の場所は全くいじっていないのになあ。。(しかも@niftyは富士通系だし、) 

ちなみに、優先度2の指摘は、リンクを開くときに新たなウィンドウで開く設定(target="_blank")はやめましょう、となっている。これは、好みの問題と思うけど、どうなんだろう?

最初インストールするのに、Java 2 PlatformとMicrosoft .NET Frameworkのインストールを要求されたりするので、多少面倒くさいけど、自分が情報発信する立場の人は、体験的にチェックしておくのは必要なことだと思う。むしろ、ホームページ作成ソフト等にこういった機能が標準装備されていても良さそうなものだが。(IBMのホームページを見ると、バリアフリーの扉のようにアクセシビリティは大きなテーマのようだけど、富士通とは違うアプローチなのかな? 同様なソフトは置いていないみたい。)

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