確定申告システムの障害
今年は所得税の確定申告の必要があるので、先日近くの税務署に行って、必要書類一式をもらってきた。説明書を見ると、必要な書類はインターネット上にあるっていうので見に行くと、全部がPDF形式で保存されてた。(自力で申告できる人は、わざわざ税務署に書類をもらいに行く必要はないってこと。) しかも、インタラクティブに必要なデータを入力すると、税額等を自動的に計算して、提出用の申告書を作ってくれるシステム(最終結果を各自がプリントアウトして税務署に提出する必要あり)まであるという。早速、昨日(2/3)国税庁のホームページにある、所得税等確定申告等情報の「所得税の確定申告書作成コーナー」に行ってみた。でも、システム障害でサービス停止中だって。
今日のニュースを見たら、本当のトラブルだったようだ。 YOMIURI ON-LINE (2/4)の記事によると
確定申告書、印刷すると別人の物…国税庁HPトラブルとある。個人情報の流出に関しては、住民基本台帳の件もあって、それなりに慎重にやってくれていると思ってたけど、意外とずさんだな。この記事からすると、少なくとも住所と収入等の情報が他人のパソコンに流れたことになるぞ。これって、ごめんなさい、で済むレベルじゃないような気がするけど。情報が漏れた人は損害賠償請求しても勝てるんじゃないか?
国税庁のホームページ(HP)上で所得税の確定申告書を作成、印刷すると、別人の申告書が出てくるというトラブルが、先月30日から今月3日にかけて、全国で計4件発生していたことが4日、わかった。
同庁は3日夜にサービスを停止し、申告内容が流出した利用者に謝罪した。再発防止策を講じたうえで、6日からサービスを再開する見通し。
同庁によると、トラブルが起きたのは、HP上の「所得税の確定申告書作成コーナー」。申告書には住所、氏名、給与所得などの情報が記入されているが、神奈川県内の利用者がパソコンで申告書を作成、印刷したところ、兵庫県内の利用者の申告書が出てきたなどのトラブルが相次いだ。利用者からの申し出で発覚したという。
パソコンで入力した申告内容は、国税庁のサーバーを経由したうえで印刷される仕組みになっており、同庁は「全く同じタイミングで複数の申告内容が送信され、システムが誤作動を起こした」と説明している。
先月13日のサービス開始から今月3日までの同コーナーへのアクセスは、延べ119万件に上る。(2004/2/4/20:45)
一方、同じYOMIURI ON-LINE (2/4)に、こんな記事も載っている。
「電子申告」に設計上のミス、正しい数字入力で誤結果こちらは、情報漏洩ではなく、単純な計算ミスだし、おそらく税額を小さめに算出してくれそうなので、まだましだけど。
名古屋国税局管内で2日から全国に先駆けてスタートした「電子申告」で、利用者に配布された申告用ソフトの所得税の減価償却と定率減税の計算式に、正しい数字を入力しても誤った結果を出す設計上のミスがあることが3日わかった。
国税庁によると、減価償却では、原則95%までしか償却できないが、申告用ソフトでは100%まで償却する結果が出た。また、所得税額の定率減税では上限額が25万円と定められているにもかかわらず、所得額を入力すると、上限額を超えても所得税額の20%を控除額として表示したという。
様々な手続きやサービスが電子化していくことは、とても便利でいいことだと思うけど、少しお粗末過ぎるんじゃないだろうか? 新しいシステム、それも国のサービスとなると利用者数も多いし、予期しなかったことも起きるかもしれないけど、その影響は莫大だし、だからこそ、十分にテストしてから運用して欲しいものだ。(って余りにも当たり前のコメントだね。) スラッシュドット ジャパンでも話題になってるけど初歩的ミスみたいな論調になってるな。
まあ、今年は少なくとも危なくってこのシステムは使わない方が良さそうだな。良く説明書を読んで、順番に記入欄を埋めていけばそんなに難しくはないし。
でも、このシステム、どうせ各自がプリントアウトして税務署に提出する必要があるのならば、計算ソフトを各自がダウンロードしてローカルマシンで計算・印刷する形にすれば、セキュリティ問題に悩まなくて済むのになあ。
*電子化されると仕事がなくなって困ると思い、わざと信頼性に不安があるように思わせるようなエラーを仕込んでるんじゃないか?というのは勘ぐりすぎだろうけど。
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