地球儀ジグソーの幾何学
一部の巷で流行している、3-D球体パズルという名の立体ジグソーパズル、540ピースの地球儀を買ってきて、週末にチャレンジ。何とか無事に完成した。販売は(株)やのまん、特許出願中とのこと。どんな特許かなと思い、特許庁の電子図書館で調べたけど、(株)やのまんが出願した特許と実案の中には、このパズルに該当するものは無かった。まだ公開になっていないのだろうか?
さて、このパズル、通常のジグソーパズルに良く似た形のピースを嵌め込んでいくだけで、きれいな球状の(中空の)地球儀ができるという優れもの。完成後のインテリア性や実用性も去ることながら、製作途中で地理のお勉強ができるのも中々楽しい。一番小さい240ピースから始まって、540ピース、960ピース、1500ピースと4種類のラインナップとなっている。
箱の中に、パズルピース請求はがきが入っていて、そこに
本製品は、ピースの頂点を中心に、5個のピース集合「A」もしくは6個のピース集合「B」の組み合わせになっています。と書かれている。ここで、5角形と6角形をイメージし、そこからサッカーボールをイメージできるとかなり鋭い。更に、サッカーボール型多面体ならば、5角形が12面と6角形が20面からできていることを思い浮かべ、何故240~1500ピースなんだ? 一体どうなっているんだ? と疑問に思った人は、相当に理科系度が高い。
ということで、理科系人間の僕は完成した地球儀を真面目に観察してみた。その結果、5個のピースが集合している頂点は12個、6個のピースが集合している頂点は80個あった。どうしてだろう? まずは、下の写真を見て少し考えて欲しい。
さて、まじめに考えてみた結果、540個のピースからなる、このパズル、確かにサッカーボール型の切頂二十面体をベースに作られている。興味のある人は写真に線を引いてみるとサッカーボール型の模様が見えてくるかと思う。
上の写真は5個のピースが集合している頂点を中心としたもので、中心はアルジェリアに位置している。この点を囲む5角形の頂点は時計回りに、フランス、エジプト、チャド、コートジボワール、大西洋にあり、それら頂点はいずれも6個のピースが集合している点であることが見て取れるだろうか? 数えてみると、この大きな5角形は15のピースからなっている。
下の写真は6個のピースが集合している頂点を中心としたもので、中心はエチオピアに位置している。この点を囲む6角形の頂点は時計回りに、イラン、アラビア海、セイシェル諸島、ザンビア、チャド、エジプトにあり、それら頂点はいずれも6個のピースが集合している点である。また、この大きな6角形は18のピースからなっている。
サッカーボール型多面体は12個の5角形面と20個の6角形面からなっており、このパズルではそれぞれが15ピース、18ピースからなっているので、全部で12*15+20*18=540ピースとなる。一方、5個のピースが集合している点は、その5角形の中心点だけなので全部で12個しかないが、6個のピースが集合している点は、6角形の中心点(20個)とサッカーボール型多面体の頂点すべて(60点)が該当するので、全部で80点となる。ということで、説明になってるかな?
さて、240ピース、960ピース或いは1500ピースのパズルがどんな構成になっているのか、考えてみる??(5*12+6*20=180であり、180の整数倍なのは540だけ、他はどうなってるのだろう?)
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コメント
サッカーボールもいいアイディアだが、正統に舟型多円錐図法を用いちゃダメなんだろうか?
投稿: ts | 2004/02/10 00:45
ほー、懐かしい用語だね。特許の絡みとかもあるのかも知れないけど、全てのピースの形や大きさを大体同じにするという制約があるからね。
投稿: tf2 | 2004/02/10 01:29
答えは別の多面体を使う。
240ピースの場合、
12の正5角形と20の正三角形からなる多面体を使う。
そして、1つの三角形につき3つのピースを使うと、
12*5*3+20*3=240
で240ピースになる。
http://info.nies.go.jp:8094/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter3.htm">http://info.nies.go.jp:8094/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter3.htm
投稿: popofu | 2004/02/14 11:36
あ、本当だ! ありがとうございます。確かにこのやり方だと条件をうまく満たしますね。
それにしても、同じサイトのhttp://info.nies.go.jp:8094/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter4.htm#kyuu">http://info.nies.go.jp:8094/~cml/Researchers/sugimoto/Tamenntai/Chapter4.htm#kyuuにある写真12を見ると、サッカーボールの5角形を5等分して、6角形を6等分したものと一緒に見えるし、奥が深いなあ。
もしわかったら、960と1500ピースも教えてください(^_^;)
投稿: tf2 | 2004/02/14 13:22
ご指摘のページにある正20面体を使ったほうがよかったです。
三角形の面を4つの3角形に分割して、
1つの3角形に3ピース使えば、
20*4*3=240
240ピースになるようです。
960ピースは240*4=960なので、
3角形をもう一度4分割します。
20*4*4*3=960になります。
球に頂点が内接する
三角形の面を持つ多面体と考えれば良いみたいですね。
1500は私も分かりませんでした。
どなたか教えて下さい。
以下のリンク先も詳しいです。
http://www.sra.co.jp/people/aoki/Jun/Topics/TypicalHedron/">http://www.sra.co.jp/people/aoki/Jun/Topics/TypicalHedron/
投稿: popofu | 2004/02/14 18:40
あれ、すいませんコメント欄でのリンクの貼り方教えて下さい。
投稿: popofu | 2004/02/14 18:43
教えていただいたリンク先、面白かったですが、少し私には難しかったかもしれません。960ピースは確かに、240の4倍ですね。もう少し頭を使わねば。。
1500ピースも、もう少し考えてみましょう。パズルとは言え、奥が深くて楽しいですね、っていうか、ジグソーパズルを楽しむ以前にその構造で楽しむってのも。。。
リンクの貼り方ですが、コメントの中で、HTMLのタグが使えるようにするために、URLを自動認識してリンクさせる設定を殺してます。
こちらで、手動でリンク貼りますから、今までどおりにURLを書いていただければいいですよ。
投稿: tf2 | 2004/02/14 19:53
店頭に展示してある1500ピースの地球儀を見てきました。見た所、5個のピースが集まっている点がなかったような? あれ、北極点or南極点を見ればわかったのに、見忘れてしまいました。それと各ピースの形や組み合わせ方は一緒に見えました。
ヒントになるでしょうか?
投稿: tf2 | 2004/03/07 19:58
依然として、答えがみつかっていない1500ピースの地球儀だが、3/17にこんなhttp://www.mainichi.co.jp/news/journal/photojournal/archive/200403/17/17-08.html">写真ニュースが載っていた。
投稿: tf2 | 2004/03/17 21:56
次のように考えてみました。
①3個のピースで三角形を作る。
②正20面体の面を三角形で置き換える。
③置き換える三角形を2倍、3倍、4倍と増やしていく。
1倍 3×20×1=60
2倍 3×20×4=240
3倍 3×20×9=540
4倍 3×20×16=960
5倍 3×20×25=1500
6倍 3×20×36=2160
ということではないでしょうか。
(540ピースがサッカーボール型という分析は
誤りではないとおもいますがきり方の問題でしょう。)
投稿: Sand | 2004/05/05 13:17
Sandさん、ありがとうございます。
やっと理解できました。これですっきりしました。
正二十面体の各面(正三角形)をいくつの正三角形に分割するか、ってことだったんですね。たまたま9分割した540ピースが、見方によってはサッカーボールに見えたってことですね。
最初に頭に浮かんだ発想でずっと考えていたから、いつまでたっても答えが見えなくなっていたってことですねぇ。まだまだ修行が足りませんでした。
投稿: tf2 | 2004/05/05 16:00