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2004/03/13

アメリカ:肥満との戦い

時事ドットコム(3/13)の記事。

肥満防止で食品の表示改善要請=飲食店はカロリー情報提供を-米国
【ワシントン12日時事】トンプソン米厚生長官は12日、国民の肥満防止を目的として、食品メーカーが製品の表示を明確化するよう要請した。飲食店に対しても、顧客が注文した商品のカロリーなどの情報提供を求めた。同省はこうした措置を自主的に実施するよう勧告したが、米国では国民の30%以上が肥満とみられており、将来は立法化の可能性もありそうだ。
アメリカでは肥満が社会問題化しているようだ。"obesity epidemic"という言葉が向こうの新聞のヘッドラインになっている。("epidemic"は病気の流行というニュアンスのようだ。)そういえば、最近チーズバーガー法案が可決されたというニュースがあったな。asahi.com(3/12)の記事。
米下院、チーズバーガー法案を可決 業界に肥満訴訟禁止
 米連邦下院は10日、肥満の人が、肥満になった責任はファストフード業者にあるとして起こす訴訟を禁止する法案を、276対139の賛成多数で可決した。「チーズバーガー法案」の別称で呼ばれ、法案を提出した共和党議員は、非常識でばかげた訴訟に網をかけるのを狙っている。

 一方で議会には、法律で訴訟を一律禁止することへの反論も多い。法案は今後、上院に送られるが、論争は必至と見られている。

 米メディアによれば、提案者の一人ケラー下院議員は「たばこ業界に次ぐ標的として弁護士はファストフード業界を狙っている。恥ずべき責任転嫁をし、犠牲者のように訴訟を起こすのではなく、常識と自己責任に立ち戻る必要がある」と主張する。

 一方、民主党議員の中には「訴訟がばかげているのなら、取り扱うか否かの判断は裁判所がすればいい」などと反対する声が多い。ファストフード業界に後押しされ、ブッシュ政権も支持する同法案を、「くず」呼ばわりする消費者団体寄りの議員もいる。

 ファストフードをめぐる米の訴訟には、毎日のようにマクドナルドでハンバーガーを食べて肥満し、糖尿病など健康被害を受けたと訴えた10代の女性らに対し、ニューヨーク連邦地裁が昨年、「自己責任による健康被害の救済を法廷に持ち込むのはお門違い」として棄却した例などがある。

まあ、いかにもイカレタ訴訟社会らしい法案だけど、アメリカの肥満が本当に深刻なことの表れだろう。一方の外食産業は、それでも沢山食べてもらわねばならないから必死だ。CNN.co.jp(3/13)には、こんな記事が載っている。
ヘルシー志向受け、「低糖ドーナツ」を販売
ノースカロライナ州ウィンストン―セーラム(AP) パンなしピザの次は「低糖ドーナツ」?――米ドーナツチェーンのクリスピー・クリームは11日、米国民の健康重視の高まりをにらみ、砂糖の量を抑えたヘルシードーナツを製造、販売する計画を発表した。

砂糖の量をどの程度減らすのかは、「まだ開発段階」(クリスピー・クリーム広報担当)なため、明らかにはされなかったが、今年末までには販売を開始できる見込みだという。

同チェーンのドーナツは、シュガーシロップを表面に塗ったシンプルなものでも1つ200カロリー、砂糖10グラム、脂肪分12グラムと、ダイエット重視の消費者にとってはまさに「大敵」。そうした人々の「ドーナツ離れ」を防ごうと、チェーン側も必死だ。

だが、新商品の開発に関して「良いアイデアだと思うけれど、やっぱり今までの甘いドーナツが食べたい」との意見や、「もともと高カロリーのものなのに、無理矢理ヘルシーにしようとするなんて変」との冷ややかな意見も出ている。

アメリカの肥満の原因を経済学の目で解析し、日本の現状と将来にも言及した、最新の資料をみつけた。大阪大学社会経済研究所の大竹さんの資料。これによると、技術革新によって、いつでも簡単に安く食べられる社会が出現したことが、アメリカ人に食べ過ぎる生活習慣をもたらしたことが原因としている。(日本人から見たら、奴ら単なる食べ過ぎではなくて、甘ーいものの食べ過ぎだと思うけどねえ。)

こちらには、日米の食生活比較が載っているが、日本人の摂取エネルギーが平均2645kcal/日に対してアメリカ人は3600kcal/日だそうだ。1.4倍近くだ。これは体格の違いを考慮しても、確かに太りそうだな。

そういえば、NHKスペシャルでも、アメリカでは病的な肥満の治療として胃のバイパス手術までする人が出ているのに対して、アフリカ・シエラレオネでは栄養失調で死んでいく子供たちが沢山いるという現実が対照的に描かれていた。

世界全体にバランスよく食料品が行き渡るような、そんな社会が成立するようなビジネスモデルができないものだろうか? それとも国際的な約束事や規制によって、世の中の枠組みを強制的に変える必要があるのだろうか?(アメリカ人が金を払ってでも肥満を解決しようとするなら、その金をアフリカに回せる可能性があるかも。アメリカ人がそれで自己満足に浸ってくれると益々いいのだけど。)

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コメント

ここ、ハワイも肥満が多い。
ハワイアンはもともと脂肪を貯める体質のようだが、それにしても。。。
アメリカ人というくくりで民族を越えてもこの国は超肥満〜肥満が多いということはやはり食生活=ライフスタイルが関係していることは確実だ。
macはとうとう特大(ほんとにデカイ!)の販売を中止した。

投稿: tra | 2004/04/23 18:24

traさん、コメントありがとうございます。ハワイは行ったことがないんですが、曙さんクラスがゾロゾロ状態なのでしょうか? NYやSF等での都会的生活よりはハワイでの暮らしの方がヘルシーなイメージもありますし、不健全な肥満と健全な肥満があるのかもしれませんが、どうなんでしょう?

特大MACの販売を止めても、お客側が普通サイズを2個食べちゃったら一緒だったりして。。結局はお店側ではなくて、個人個人の問題なんだろうから。(それでも何がしかのブレーキとしては働くのかな?)

ファストフード業界は、一見逆風に見えるこういう状況下でも、いろんな肥満対策フード類で逆襲を掛け始めたようで、やはり商魂たくましいな、と感心します。

投稿: tf2 | 2004/04/24 14:50

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