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2004/03/21

バイソンの肉がアメリカで人気

CNN.co.jp(3/21)の記事。

野牛の肉、米で人気急上昇 「安全でヘルシー」
カンザス州ウィチタ(AP) 北米一帯に群生し、西部劇などで知られるアメリカバイソン(野牛)が最近、米国人の間で食用として注目を浴びている。人気の背景には、脂肪の多い肉を避ける健康志向や、同国内で牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)の感染牛が見つかったことによる「牛肉離れ」などがあるとみられる。

米農務省によると、米国内で昨年食肉処理された野牛は3万4444頭。肉牛の3570万頭には遠く及ばないが、前年に比べて36%増加し、過去最高を記録した。今年はさらに増える勢いだという。

今はまだ、野牛の肉を食べたことがないという米国人も多い。しかし、健康や環境への関心が高い層を中心に、需要は確実に伸びている。野牛の肉は牛肉より脂肪が少なく、成長ホルモンや抗生物質を使わない「自然飼育」を売り物にしているからだ。今年6月からは、自然飼育を保証する農務省のラベル表示も始まる。

CNNテレビ創設者のテッド・ターナー氏が2年前から全米各地に展開している野牛料理専門のレストラン・チェーンも、普及に一役買っている。農務省も昨年、学校給食用に1000万ドル分の野牛肉を買い上げた。牛肉に比べて値段が高めなのが欠点だったが、昨年牛肉が記録的に高騰したため、大きな差はなくなったという。

全米バイソン協会のカーター会長によると、全米で飼育されている野牛は約27万頭。モンタナ州の3万8000頭を筆頭に、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、コロラド、カンザスなどの州に牧場が集中している。インターネットなどを通して、牧場直売の肉をまとめ買いするファンも多いという。

バイソンを食用に飼育しているのか! この元の英語記事は、DodgeGlobe.comなど。この記事の書き出しは、
More than 125 years after settlers eradicated millions of wild buffalo that once roamed the continent, modern-day consumers are developing a taste for the meat that nourished American Indians for centuries.
となっている。かつてアメリカンインディアンの貴重な食料であった野生のバッファローは、乱獲によって一時絶滅の危機に瀕していたのに、今や現代アメリカ人の食肉として復活するということらしい。ん? バッファロー? バイソンじゃなかったの?
Among the reasons for bison meat's resurgence is the popularity of high-protein diets and a growing consumer demand for more healthy foods. Buffalo, a red meat alternative, has less fat and fewer calories than beef. Bison are also raised naturally without growth hormones or antibiotics.
何だかバイソンとバッファローが出てきてややこしいが、調べてみると、夕刊河馬 雑記帖(この雑記帖の中にもバイソンの食肉用の牧畜の話が載っている。)や映画とネットの日々 9月のコラムなどが見つかる。どうやら、アメリカの野牛は、アメリカンバイソンと呼ぶべきだが、肝心のアメリカ人がバッファロー(本来はユーラシア等に住む水牛)と呼んでしまっているので、混乱しているようだ。この記事も混乱しているのか、意図的に使い分けているのか?

関連して大阪近鉄は水牛か野牛かを検証している本当はどっちだも楽しい。

バイソンの絶滅危機については、Mammo.tv Natural Modeeco being エコツアーなどが参考になる。絶滅寸前まで追い込んだけど、ようやく増え始め、どうにか天然に生き残ってくれたようだが、一方では食肉目的で、牧畜も始めちゃったということなのか。

DodgeGlobe.comの記事の最後に、

Kathy Jeffries, an Illinois environmental activist, bought 70 pounds of bison meat from Smoky Hill Bison in Kansas after searching the Internet for buffalo raised naturally by family farmers. Jeffries said she wanted a cleaner, grass-fed meat alternative."You are what you eat," she said.
とあるが、アメリカの環境活動家は、絶滅寸前に追い込んだバイソンを食べることについては、むしろ賛成しているのか?? 理解に苦しむ。 鯨は駄目だと言うくせに。。 そもそもヘルシー志向なら、もっと魚を食べる方がよっぽど健康に良いだろうに、最近は水銀が多いからあんまり食べるな、と言ってるらしい。(NY Timesの記事

人工的に栄養調整されたりした牛よりも、自然環境の中で育った野牛の方が、確かに「ナチュラル」な印象を与えるけど、だから健康に良いかどうか? 野生に近ければ近いほど、寄生虫だとか、色んな感染症の危険性が高いと思うのだが。。。(それ以前に、牧畜されているんじゃ、それ程ナチュラルでもないような。。)

記事に出てくるバイソン料理のレストラン、テッド・モンタナ・グリル。今のところはアメリカ国内だけのチェーンだけど、そのうち海外進出するかも。調べた限りでは、日本でバイソンの肉が食べられるレストランはなさそうだ。

ちなみに、バッファロー・ウイングというのは鶏の手羽先フライらしいが(バッファローは地名に由来)、バッファロー・モッツァレラというのは、バッファロー(水牛)の乳で作ったチーズらしい。

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コメント

ここ(東京 茅場町周辺)は、バイソンの肉を食べさせてくれるみたいだ。
http://www.piazza.co.jp/DAG/">デニス・アメリカン・グリル。

投稿: tf2 | 2004/03/26 02:18

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