伊方原発で放射能漏れ?
asahi.com(3/9)の記事。
伊方原発3号機で放射能もれ 1次冷却水1.6トン幸いにも外部へは全く影響がなかったようだが、「放射能もれ」、「放射性物質を帯びたガス」、「放射能を測定する」という用語の使い方が気になる記事だ。YOMIURI ON-LINE(3/9)だと、
四国電力は9日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町、加圧水型軽水炉、出力89万キロワット)で、放射能を帯びた1次冷却水を配管に戻すポンプから1次冷却水約1.6トンが漏れ、排気筒から通常の約1.5倍の放射性物質を帯びたガスが外部に流出した、と発表した。発電所周囲の放射能を測定するモニタリングポストには異常はないという。
愛媛・伊方原発で1次冷却水1・6トン漏れるとあり、放射能という言葉そのものが出てこない。記事全体の印象も全然違う。
9日午前9時55分ごろ、運転中の愛媛県伊方町、四国電力伊方原発3号機(加圧水型、89万キロ・ワット)の原子炉補助建屋で、充てんポンプから1次冷却水が漏れているのを運転員が見つけた。約4分後にポンプを止めたが、1・6トンが漏出した。
四国電力によると、環境への影響はないという。
四国電力のホームページを見ると、ニュースリリースが早速出ている。これによると、予備ポンプに切り替えて運転を継続している程度の「不具合」のようだ。朝日新聞の「放射性物質を帯びたガス」が外部に流出したというのは本当かな? 少なくとも四国電力のリリースには書かれていないし。そもそも「放射性物質を帯びたガス」って「放射性物質を含むガス」という意味なのかな? 今回の場合には放射性物質って何だろ? 外に出るのはせいぜい水蒸気だろうけど。外部に放出される放射線が通常レベルよりやや高くなっただけで、放射性物質は出てないと思うのだが。
放射線と放射能については、ついでだから伊方原発の解説ページ。随分前から、マスコミ関係の原子力関係用語の使い方がおかしいことは指摘されているにも関わらず、全然改善されてないみたいだ。「放射能もれ」も「放射性物質を帯びたガス」も「放射能を測定する」も表現として正しくないですよ、朝日新聞さん。
伊方原発のページを見ると、放射線モニターの測定値がリアルタイムで公表されている。確かにこのように情報公開をしていれば、問題が起こった時も隠すのは難しそうだ。(測定装置の出力を直接流しているわけではないかも。だとすると、必ずしも信用できない?)今回の「不具合」現象もしっかり認められる。
*四国電力のニュースリリースには、漏れた水量が1.6トンとか、放射線が通常の約1.5倍とか、4分後にポンプを停止、という記載はない。ということで、我々が事実を知ろうとした時には、大元の情報だけでなく、マスコミ報道も色々かき集めて判断する必要があるということだ。逆に言うと、四国電力の発表は、まだまだ内容が不十分だということになる。
*3/15追記。朝日新聞の記事はその後に訂正されて、指摘した問題点はなくなった。それも含めて、3/15のブログに書いた。
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コメント
これはひどい!
投稿: CPU | 2005/12/10 19:43