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2004/04/10

中国の交通事故

FujiSankei Business iの 4/9の記事

中国の交通事故は米の8倍 経済的損失430億円
 中国で交通事故が激増している。昨年の交通事故は約77万件以上発生し、死亡者は10万4000人、負傷は56万人に上る。毎日284人が交通事故死していることになる。

 死亡者の半数以上は16歳から45歳の若年から中年層に集中しており、経済的損失は全体で33億元(約430億円)にも達する計算だ。

 中国衛生省の発表によると、中国の交通死亡事故は自動車1000台につき約2人の割合で発生しており、これは米国の8倍で、死亡者数とともに世界一となっている。

 中国の交通事故発生件数は1951年に約6000件だったのが、2001年には75万件と、125倍に達している。とりわけ近年、自動車台数の急増に伴い毎年約10%ずつ増えている。

(中略)

 世界保健機関(WHO)の02年の統計によると、全世界で毎日14万人が交通事故にあい、3000人以上が死亡、年間の交通事故死亡者数は118万人に上る。

少し統計を探してみると、総務省統計局のページに、世界の交通事故のデータがある。この表には何故か中国が含まれていないが、中国の人口を13億人とすると、人口10万人当たりの死亡者数は8.0人となる。日本が7.1、アメリカが15.3だけど、これは人口当たりで比べるからで、自動車保有台数とか道路総延長距離とか自動車の総走行距離当たり等の数値で比べると随分違ってくる。

この記事の「アメリカの8倍」というのは自動車保有台数当たりの数字のようで、同じ総務省統計局の世界の自動車保有台数のデータを使って計算してみると、日本はアメリカの6割程度で、中国の12分の1程度となる。

当然だけど、まだ自動車社会になっていないところは交通事故も少ない(ex.エチオピア等)。一方で日本は交通事故の多い状況を何とか抜け出して、交通事故死者が減少し始めているが、これはヨーロッパのイギリスや北欧諸国も似た状況かもしれない。(人口当たりの死者数が適当な指標かどうかは議論ありそうだが、結論は大きく変わらないように思える。)

これって、国連大学の安井さんがよく述べている、クズネッツ曲線に当てはまりそうだ。モータリゼーションの発展と共に事故が増え続け、対策は後手後手に回りながらも、いずれはハード・ソフト両面からの対策が効き始め、ゆっくりと減少しながら適当なところに落ち着く、というシナリオだろう。

記事の最後で、「WHOの統計によると」と書いてあるが、WHOと交通事故って直接結びつかなかったので、WHOのサイトで検索してみたら、こんな資料 "World report on road traffic injury prevention" が出てきた。

ちょっと眺めただけだけど、今後世界で交通事故が死因のベスト3に入ることが懸念されており、どうやって交通事故を減らすのか? という観点からまとめられているようだ。確かに交通事故というのは、世界的に克服すべき大きな問題となりそうだ。(ある程度の解決策はありそうだが、民族性まで考慮するとどうなるやら。。) 交通問題というのは、大気汚染、エネルギー、それにCO2の問題以外にも、交通事故による損失という点でも、ある意味では環境問題と考えられるわけだ。

ちなみに、現在の中国の交通事情だが、現代中国放大鏡のコラムを読むと、結構大変なことになってるようだ。しかも、あの広大な中国全体を考えると、当面は悲惨な状況が続くような気がする。NIKKEI NETの2003/10の記事でも、今後3-5年は事故は増加するだろうって観測を載せているが、甘すぎるような気がする。。

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