黄砂が増加
やや話題としてはタイミングを失しているが、備忘録として残しておこう。(ネタ切れとも言う?)
EICネットの4/19の記事。北東アジア地域からの黄砂、増加傾向に。
北東アジア地域からの黄砂、増加傾向に50年前に比べて5倍に増加というのは、予想外にすごい増加と言えそうだ。国連のニュースリリースはこちら。黄砂の増加の原因については、
世界環境大臣フォーラム及び第8回UNEP管理理事会特別会合の会場で、北東アジア地域からの黄砂が、1950年代と比較して5倍近くになっていることが明らかにされた。黄砂は、中国北部やモンゴルの乾燥地域で発生するが、朝鮮半島や日本にも達して、年々ひどくなってきている。黄砂によって、通信障害、呼吸器系疾患の増加や、農作物及び家畜への被害等の問題も生じている。韓国の大学及び研究機関の研究者は、大気中の煤などの汚染物質と、黄砂が混ざることを懸念している。
In China nearly 30 percent of its land area is affected by desertification due to over farming and grazing and cutting of forest, driven by population growth, and changing weather patterns, with annual direct economic losses of around US$6500 million.と書かれており、人為的なものと考えて良さそうだ。被害額の推定値も載っているが、どんどん増加しているとすると、問題は深刻だ。
黄砂というと、日本では歌のタイトルにもなるくらいで、何となくエキゾチックで、東日本の人にとっては年に何度か春先にやってくるお客さんというイメージだけど、西日本などではかなり深刻な問題になっているようだ。(例えば、GIS NEXT EXPRESSのニュース等。)
まして発生源に近い中国や韓国では、更に激しい被害を及ぼすようで、中国では沙塵暴と呼んで、気象災害の一種と位置づけられているし、韓国でも学校が休みになったりしているようだ。
黄砂についての一般的な解説としては、長崎県衛生公害研究所のページがわかりやすい。
黄砂の地球規模での影響はなかなか複雑で、例えば、畠山 史郎さんの「酸性雨 誰が森林を傷めているのか?」(bk1、amazon)に、
環境化学的に見ると黄砂には二つの側面があって、一つは黄砂粒子が中国で放出された酸性物質を吸着し日本まで運んで来るという側面である。もう一つはアルカリ成分を含む黄砂が酸性物質を中和するという側面である。(p.155)とあるが、更には黄砂が太陽光を遮ることによる寒冷化効果もあったり、3/4のブログで書いたように、アジアからの黄砂が太平洋に落ちて、これが海洋光合成に寄与しているのではないか? という話もある。
なお、気象庁の黄砂情報のページでは、ほぼリアルタイムで黄砂実況図と予想図が見られる。
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