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2004/04/27

バイオオーギュメンテーション

nikkeibp.jp(4/27)の記事、経済産業省と環境省、バイオオーギュメンテーション指針の検討開始

経済産業省、環境省は、遺伝子操作されていない微生物を培養して土壌に添加する汚染土壌の浄化法(バイオオーギュメンテーション)の統一した指針を作製するための合同会合を4月26日に開催した。

合同会合は、経済産業省の産業構造審議会化学・バイオ部会組換えDNA技術小委員会開放系利用技術指針作成ワーキンググループと、環境省の中央産業審議会水環境土壌農薬合同部会バイオレメディエーション小委員会によるもの。

ふむ、読んでもさっぱりわからない記事だ。そもそも、バイオオーギュメンテーションという言葉を聞くのが初めてだから仕方ない。バイオレメディエーションは聞いたことがあるのだが。。

環境省のサイトに、この会議の資料が公表されている。主旨としては、微生物を用いた環境浄化技術の発展に伴い、ヒトや主要な動植物への影響が(たとえ遺伝子非組み換えであっても)懸念されるので、指針を作製したい、ということのようだ。

さて、バイオレメディエーション技術については、山科さんという方が個人で運営されている、環境バイオネットというサイトで非常に充実した資料がみつかった。バイオレメディエーションについてバイオレメディエーションプロセス

ここで、3つの用語が出てくる。せっかくの機会なので、お勉強しておこう。
 ・バイオレメディエーション bioremediation 微生物による環境修復技術全般を指す言葉。 remediation =修復・改善
 ・バイオスティミュレーション biostimulation 環境中の微生物に空気や栄養源或いは有機物を人為的に供給して浄化する手法。 stimulation =刺激・興奮
 ・バイオオーギュメンテーション bioaugmentation 汚染の浄化に効率的な微生物を人為的に導入して浄化する方法。 augmentation =増加・増大 (豊胸手術は breast augmentation というらしい)

時々、工場跡地などで土壌汚染が問題になるけれど、このバイオレメディエーションは正にそういう時が出番となる。本来は汚染しなければ、こんな浄化技術は不要だろうけど、現実には今後ますます需要が伸びると考えられており、だからこそ経済産業省が関係しているわけだ。

環境省の資料などを見ると、生物による有機物の分解というのは想像以上に速度が速く、1か月程度の時間で大部分が分解してしまう程度のようだ。(もちろん、物質やその濃度によって違うのだけど。) コストについてはよくわからないけど、確かに面白い技術だ。浄化を終えた後、その生物たちはどうなるの? なんてことも、今回の指針で議論される内容なのかな?

生物浄化なので、対象となる汚染は有機物に限るのかと思いきや、重金属でも可能性なのだそうだ。上記サイトでは、6価クロムを3価に還元して水酸化クロム(III)にする細菌や水銀を気化させる菌や、他にも金属濃縮能力を利用する方法等について紹介している。

また、農薬やPCB、ダイオキシン類等のように、大半の生物には有害そうで、しかも人工的に合成された物質であっても、世の中にはしっかりと分解してしまう生物がいるというのも、よく考えてみるとすごいことだ。もちろん効率よく分解するには、遺伝子組み換えが必要かもしれないが。。

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