日本国内の物質フロー
EICネットの4/8のニュース。2001年度の日本国内の物質フローの集計結果が公表されたというもの。環境省の発表資料はこちら。2000年(平成12年)度に比べて、資源生産性と循環利用率がやや悪化し、最終処分量は順調に減少した、ということのようだ。添付資料は図表が多くてわかり易い。もっとも全部で資源投入量が21億トンと言われても全然ピンとは来ないけど。。
この資料を見ると、循環型社会形成基本計画というのがあって、その目標と比較した形になっているが、この計画は、2001年に施行された循環型社会形成推進基本法というのに則って、昨年策定されたものらしい。(EICニュース、環境省資料)
この計画、目立たない割には、とても志が高く、「非持続的な20世紀型の活動様式を改め、天然資源の消費の抑制と環境負荷の低減のため、循環を基調とする社会経済システムの実現・廃棄物問題の解決を図ること」を目指しているようだ。
そこで、2010年度の目標として、2000年度と比べ、資源生産性と循環利用率を約4割向上させ、廃棄物の最終処分量を半減させる、という数値目標を定めている。
また、取り組み目標として、国民1人1日あたりのごみの排出量を20%削減し、循環型社会ビジネスの市場・雇用規模を倍増させる、というのも掲げられている。ごみの排出量の削減目標なんか、誰も知らないんじゃなかろうか?
そもそも、この手の目標の数値というのは、具体的な計画の積み上げで決まったものなのだろうか? 或いは、別の要求から決まった目標で、これを達成するための具体的な計画が進んでいるのだろうか?
目標と実績の対比だけではなく、具体的な計画と実績の対比という形で見せてもらわないと、何が原因なのかよくわからない気がする。それに、2001年度の数値が今頃出てきて、このままじゃ目標到達が苦しいかもと言ったって、もう既に2004年度に入っているわけで、少し集計が遅すぎるんじゃないのかな?
そういえば、NIKKEI NET(4/7)の記事、
「植林でCO2吸収」誤算、京都議定書達成難しくも、成り行きまかせと言うか、目標はあるけど実行計画がないんじゃないかと疑いたくなる話だ。
地球温暖化を防ぐため政府が主要対策に掲げる植林による二酸化炭素(CO2)の吸収が、当初予想より大幅に少なくなることが、環境省の試算で6日わかった。林野事業の人手不足で国有林や民有林の保全が進まないのが理由。温暖化防止を目指す京都議定書の達成が難しくなり、同省は見込み違いに頭を痛めている。
試算では、京都議定書で定めている2008―12年に、国内の森林がCO2を吸収する量は約3780万トン(年平均)と予測。02年3月時点の見通しより約1000万トン少なくなる。
環境問題の解決には、いろんな利害が絡むから、そう簡単ではないのもわかるけど、国会や閣議で決めたんだったら、もう少し計画的であって欲しい気がする。「計画倒れ」という言葉はあるけど、日本の環境問題への取り組みの現状は「目標倒れ」という感じだものな。
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