タバコをやめて1年
1年前のゴールデンウィークに、インターネットをいつものように見ていて、たまたま、この喫煙者を救え!というページを目にしなければ、今もタバコをくわえながらこのブログを書いていたんじゃないかと思う。正に偶然だけど、たまたま僕のツボにハマってしまった、運命の出会いだったかも。(改めて読み返してみると、必ずしもこのページの主張は同意できる部分ばかりではないのだけど、きっかけであったのは間違いない。)
このページの作者、岩城さんがここで語っていることの多くは、アレン・カーの「禁煙セラピー」(bk1、amazon)というベストセラーと同じ趣旨だ。でも、とても要領よくそのポイントをまとめてくれているし、岩城さん独自の主張や説明も豊富に含まれている。他の禁煙法は知らないけれど、ともかく論理的に、まず頭で理解することから始めようというコンセプトは、少なくとも僕に対しては実に説得力があった。
何しろ、それまで毎日40~50本を吸っていた自他共に認めるヘビースモーカーだったのに、ほとんど何の苦労もなく、パッタリとやめられてしまったのだから、威力は絶大だ。周りでタバコをやめた人達は、ニコチンパッチを使ったり、少しずつ本数を減らしたり、何度も失敗したり、なんだかんだと苦労しているのを見てきた。それに対してこの方法は、何の小道具も段取りもなしに、あるとき単に「タバコを吸うのをやめよう」と決意するだけ。最初は、何も失うものもないんだし、まあ騙されたと思ってやってみるか、という程度のものだった。
実際には、「禁煙セラピー」の本を買うことで、自分の決意を確かめることから始めた。そして、タバコを吸いながら本を読み始め、数時間後に読み終わる頃には、タバコを吸うのが何となく気持ち悪くなり、部屋の中にあったタバコ(まだ封を切っていない箱が何箱もあったけど)を全部捨ててしまっていた。(何と暗示に掛かりやすい奴なんだろう!) それ以来1年が経過。この間、飲み会等の成り行きで数本吸ったことはあるけれど、完全に「禁煙」に成功したと言ってよいだろう。
その経験から言うと、タバコをやめるのは本当に簡単だということ。禁断症状が苦しいとか、間が持てないとか、我慢できない、なんていうのは、全部誰かの陰謀なんじゃないか、と思えてくる。だって今の時代、タバコを吸い続けるには、吸うのを我慢しなければならない場所や時間が多すぎる。タバコをやめるということは、タバコを吸うのを我慢するのもやめるってことだから、トータルでは絶対にやめちゃう方が楽だ。
実際、禁断症状なんてものには全く苦しめられなかったし。(というか、辛かったという記憶が残っていないから、多分大したことはなかったんだと思う。)少なくとも、TVなんかでの麻薬の禁断症状みたいに、「タバコをくれー」って言いながら、よだれ垂らしたり、震えが来たり、七転八倒するなんてことはなかった。今に禁断症状が来るぞ来るぞ、と少し楽しみ(?)にしていたけど、結局来ないまま1年経ってしまった、という感じ。
結局、「わかっちゃいるけどやめれらない」ではなく、「わかってしまえばやめられる」ってことだろうか。
*この方法の特徴は、タバコを吸うのは何故か、やめるっていうのはどういうことか、ということをまず頭で論理的に理解・納得することから始める点だと思う。禁断症状が苦しいという先入観で始めると身体がそのように反応する恐れがあるが、禁断症状は苦しくないという先入観で始めたことが功を奏したと思う。
*やっぱり「禁煙」って言葉は変だ。喫煙が禁じられた時間や空間に対して「禁煙」と言うべきであって、タバコをやめることを「禁煙」と言うべきではない。「断煙」という言葉もあるようだけど、何だか大げさだし。強いて言えば、non-smoking というのがスッキリしているんだけど、うまい日本語がないみたい。(レストランで、喫煙ですか、禁煙ですか?って聴かれるのも、考えてみるとちょっと変だし。)
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コメント
いつも楽しく読ませていただいております。ここならではの話題が多く、とても勉強になります。
雑想雑思のトラックバックはミスで入れてしまったものです。申し訳ありません。
禁断症状というのはタバコに限らず、ヘロインのような麻薬でもかなり心理的な要素で左右されるそうです。実際経験者から話を聞いたことがあります。
この「わかっってしまえばやめられる」というメカニズムを本一冊で実践させた例としては、禁煙セラピーのほかサーノ博士の腰痛に関する理論(TMS)が頭に浮かびます。いずれもどんな人に効果がよりあったかなかったか(性別、国籍、職業など)のデータがあれば見てみたいなと思いますね。
投稿: 院主です | 2004/05/08 01:19
院主ですさん、コメントと新しい情報を提供していただき、ありがとうございます。勉強になります。
麻薬の禁断症状が心理的な要因で影響されるって話は初めて聞きましたが、確かに多少は影響がありそうですね。(それで全く楽になるわけではないでしょうけど。)
サーノ博士のTMS理論、確かにベストセラーになっているようですが、知りませんでした。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4393713281/249-0272186-2627507">amazonの書評を見ると、大きな効果が出てるケースもあるみたいですね。
ただしこの方法が、科学的な評価を得た治療法かというと疑問です。確かに腰痛で苦しむ人の中には、この本の方法で治る方もいることは事実なのでしょうが、誰にでも効くわけではなさそうです。
タバコを止めるのは、失敗しても駄目元という部分がありますが、医療・治療行為となると話は別で、(怪しい代替医療ではないかとか)もう少し慎重に見極める必要があると思います。
幸い腰痛に悩まされたことはないのですが、もしそういうことになったら、駄目元で読んでみるのも一興かな、とは思いますが。
投稿: tf2 | 2004/05/08 18:30
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投稿: 新規開拓営業研究所 | 2006/02/08 22:43