コレステロール値の季節変動
CNN.co.jp(5/2)の記事。コレステロール値、夏に測ると低めの数字に 米研究。
シカゴ(ロイター) 血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となるコレステロール。その血中濃度は秋から冬にかけて最も高くなり、春から夏にかけては低くなるとの報告を、米研究チームが発表した。健康診断の結果を見る時の参考になりそうだ。なんだかなあ。こんなこと、今まで誰も調べていなかったのだろうか? 季節変動に限らず、日間変動だのなんのと色んな変動があることは常識だと思うのだが。調べてみると、スポーツ内科医の日記でも、冬場にコレステロールが高くなる結果が得られた、と書かれていることを見ると、季節変動についても必ずしも確立した解釈はないのかもしれない。米マサチューセッツ大医療センターでは、517人の健康な男女を対象に1年間の追跡調査を実施。食生活や運動量、日光を浴びた時間、行動パターンなどと、血中コレステロール値との関連を調べた。研究の成果は、医学誌「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン」の最新号に発表された。
それによると、被験者の平均総コレステロール値は男性で222mg/dl、女性で213mg/dlだった。日米の診断基準では、コレステロール値は220mg/dl未満なら正常、240mg/dlを超えると危険な領域とされる。
今回の研究では、このコレステロール値が季節によってかなり変動することが明らかになった。男性では平均3.9mg/dlの幅で変動し、12月がピークに。女性の変動幅は平均5.4mg/dlとさらに大きく、1月がピークだった。もともとコレステロール値が高めの人は特に変動が激しく、全体の約4分の1が冬になると240mg/dl以上の「危険域」に達したという。
夏になると気温が上がり、運動量が増えるために体内を循環する血液の量が増え、その結果コレステロールの濃度が下がるのでは、というのが、研究チームの推論だ。冬はその逆の現象が起きるため、コレステロールの絶対量は同じでも濃度が上がるというわけだ。測定する季節によって、診断結果が変わる可能性も出てくる。チームは報告の中で、「動脈硬化や心臓病の予防に向け、気温や運動量による影響をより詳しく調べる必要がある」と強調している。
こういう時は、もう何年も毎月のように献血を続けていると、自分のデータが豊富にあるので便利かも、ということで、自分の献血時の検査結果をプロットしてみた。
このグラフは、定期的に成分献血を行ってきたこの12年間の総コレステロール値を月ごとにプロットしたもの。紺色が生データで、ピンク色が平均値。データのばらつきが、CNNの記事の値よりもはるかに大きく、同じ月でも数十mg/dl程度の変動があり、季節変動があるとしても、通常のばらつきの中に埋もれてしまっている。(平均値のプロットから、無理に傾向を読み取ると、確かに夏場に低くなっているけど。。)
ということで、よっぽど注意深く測定条件をコントロールしなければ、季節変動がどうだこうだなんて議論するだけ無駄のような気がするのだけど。。(というか、そもそも1回の測定値だけで判断することに無理があると言えそうだ。。)
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