カリフォルニアの温室効果ガス規制
Yahoo!ニュース(6/11)から、温室ガス15年までに3割減 米加州新車に義務付けへ。
【ロサンゼルス11日共同】10日付米紙ロサンゼルス・タイムズによると、米カリフォルニア州は自動車メーカーに対し、新車から出る二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを、2015年までに現在より29・2%減らすよう義務付ける新規制の検討を始め、近く詳細を発表する。アメリカとしては京都議定書を批准する気はないけれど、カリフォルニア州は環境問題については先進的(?)だし、国の方針とは別に、独自に規制に乗り出すということのようだ。
温室効果ガスは地球温暖化の原因とされており、温暖化防止を直接の目的とする排ガス規制は初めてという。自動車メーカー側は、州政府にこうした規制を行う法的権限はないと反発しており、訴訟も辞さない構えだ。
同州の素案によると、新規制は2009年型モデル以降の乗用車や小型トラックに適用され、排ガスを段階的に減らすことを義務付ける。カリフォルニア州の自動車販売台数は全米の約10%を占めており、これまでも全米で最も厳しい排ガス規制を適用してきた。
この話は日本の自動車メーカーにも大きな影響があるし、日本の規制への影響も無視できない話だと思うけど、何故か日本ではほとんど取り上げられていないみたい。アメリカでは関連ニュースが沢山載っている。例えば、
The New York Times(要登録)
The Mercury News
REUTERS など。
調べてみると、既に2002年の7月にカリフォルニア州では自動車からの温室効果ガスの排出規制法案が可決されていて、今回はその具体的な規制値を決めたということのようだ。NEDOレポート、日本政策投資銀行レポートなど。
興味があるのはカリフォルニアが温室効果ガスの規制をする根拠だ。カリフォルニアの主張は「温室効果ガスは大気汚染物質」であり、結果として自分たちの利益を害するのだ、というもののようだ。一方、アメリカの環境保護庁(EPA)は、それには反対しており、環境省の中央環境審議会地球環境部会(2003/11/12)の第10回資料によると、現在訴訟の真っ最中らしい。アメリカって国はこういう所がおもしろい。
まあ、大排気量車や悪(高)燃費車がかなり多く走っていそうなアメリカの話だから、今回の30%というCO2排出削減も、技術的にはそんなに大きなハードルではなさそうだ。もちろん経済的な影響は大きいだろうけど、むしろこの(CO2は有害ガスという)考え方が全米・世界へと広がることの影響の方が興味深い。まあ、それでも日本では到底こんな思い切った規制は無理そうだけど。。 (優遇税制ならあるが。)
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コメント
日本だと「上乗せ排出基準」として地方がこういうことを言っても合法かもと思って調べたところ、そもそも大気汚染防止法が(ある意味思った通り)固定発生源への規制で、しかも大気汚染防止法はCO2については触れていないのでやっぱり無理そうでした(苦笑)
「有害」物質なら地域ごとに基準が違っても構わないんですが、CO2みたいな広域に効くものだとちょっと難しい気がしますね。
投稿: ESD | 2004/06/12 02:27
ESDさん、コメントありがとうございます。
日本では無理そうだけど、アメリカでもすんなりとは行かないかも知れませんね。この法律は前知事の時に通したみたいだけど、今のシュワちゃんがどう考えるのか、ってのも影響しそうだし。
まあ、カリフォルニアにしたところで、車からのCO2の排出のみを制限するというのも中途半端というか、他の固定発生源等とのバランスを考えると、結局は単なるパフォーマンスかな、という気もするのですけどね。。
でも、ともかくもこんな動きが一つずつ積み重なっていって、本当に効果的な対策も少しずつ進むようになるのかな、という期待を込めて眺めてみたい所です。
投稿: tf2 | 2004/06/12 23:13