一般人向けの化学物質解説
EICネット(6/4)のニュースから。排出量が多いPRTR法対象物質の説明データ集への意見募集開始。
環境省は、PRTR法の対象となっている有害化学物質のうち環境中への排出量が多い物質の性質を、一般の人向けにわかりやすく解説した「化学物質ファクトシート(暫定版)」を作成し、平成16年7月2日まで内容について意見募集を行うことにした。というもの。「一般の人にわかりやすく解説したもの」らしいが、果たしてどんなものか? 環境省の報道発表は、「化学物質ファクトシート(暫定版)」の公表及び御意見等の募集について。確かに、
ファクトシート完全版には13年度PRTR集計結果で排出量が多かった上位50物質(注1)を掲載予定だが、今回公表された暫定版では、うち20物質の内容を公表した。
各物質の用途、排出量の動向、環境中での動き、人の健康への影響度、他の生物への影響度をわかりやすい言葉で説明しているほか、性状、排出量・移動量などのPRTRデータ、環境中の濃度データ、リスク評価値、適用法令などの具体的な情報も掲載している
このため、環境省は平成15年度より、(社)環境情報科学センターによる請負事業として、様々な分野の専門家からなる作成委員会を設置して、専門的で分かりにくい化学物質の情報を分かりやすく整理し、専門家以外の方にもよく理解していただけるよう簡潔にまとめた「化学物質ファクトシート」の作成を開始し、この度20物質について暫定版を取りまとめました。とある。その「化学物質ファクトシート」のサイトがこちら。
このファクトシートに掲載されているのは、PRTR対象物質のうち排出量の多い50種類のうちの20種類ということで、比較的おなじみの物質ばかり。実はこれらの物質の性状は調べる気になれば、いろんなサイトから比較的簡単に調べられるものだ。
それでは果たして今回のデータがどう役に立つのか? 実際に見てみると、PRTRの排出量データが載っているところが目新しいのと、環境省お墨付きということで、健康影響や生態影響についての現時点での公式見解が得られるということだろうか。データもきちんと元データにリンクされているようだから、その気になれば詳しく調べられるし、とてもコンパクトで、これはこれでよくまとまっていると思うけど。。
結局、この「ファクトシート」、一体どの辺が一般向けのわかりやすい点なのか? 文章が多くて、わかったようなわからないような、という中途半端な資料になっているようにも見えるけど。。(専門用語の解説も今ひとつ紋切り型で不親切だし。) せっかくだから「ご意見」を書いて送ってみようかな。
詳細な毒性データとか取り扱い方法などは、いわゆるMSDS(物質安全データシート)等、以下に示すようなサイトの方が圧倒的に充実していて、多くの物質をカバーしているけれど、確かにこれらのサイトはプロ向けと言えるかも知れない。実際にインターネットで、ある化学物質の性質を調べようとすると、いろんな機関がそれぞれデータベースを公開してくれているので、逆に全貌を理解するのが大変だったりもする。そういう意味では、むしろ、こういう既存のデータベースの上手な使いこなし方みたいな解説が欲しい気もする。
公的機関関係
厚生労働省 化学物質に関する情報
製品評価技術基盤機構 化学物質総合情報提供システム
国立医薬品食品衛生研究所 国際化学物質安全性カード
安全衛生情報センター 化学物質情報
化学物質環境リスクセンター 化学物質データベース WebKis-Plus
神奈川県環境科学センター 化学物質安全情報提供システム kis-net
薬品会社
昭和化学 試薬ケミカルデータベース
個人サイト
Funaのホームページ
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