大豆ペプチド飲料
Business Line(日刊工業新聞)の7/2の記事、機能性素材、大豆ペプチド商品続々-飲料やゼリー猛暑で好調か。
新たな機能性素材「大豆ペプチド」を含んだ商品が相次ぎ登場してきた。カルピスや森永製菓などが機能性飲料やゼリー商品などを発売したのに続き、5日には日本コカ・コーラが新飲料を投入する。大豆ペプチドは大豆タンパクが分解される過程で生じる物質。筋肉疲労の回復や脳の活性化などに効果があるとされ、スポーツ選手や芸能人、さらには経営トップなどが愛飲している。この夏は猛暑が予想されており、一気にブレイクする可能性もある。「大豆ペプチド」は日経トレンディ誌の2004年度ヒット予想商品のランキング第5位だそうで、今年になって色んな商品が登場しているようだ。もともと、大豆は健康イメージが高いし、アミノ酸ブームの次に来るものとして期待されているようだ。大豆タンパクが酵素分解した大豆ペプチドは、さらに分解が進むとアミノ酸となるため、たんぱく質とアミノ酸の中間物質ともいわれる。アミノ酸より分子量が大きく、分子をまとめて体内に吸収するため、そのスピードはアミノ酸を上回るとされる。コカ・コーラでは「アミノ酸に代わる話題の成分」と銘打ち、大豆ペプチドを4000ミリグラム配合した機能性清涼飲料「パワーエイド」を投入する。
コカコーラの「パワーエイド」は、こちら。大豆ペプチド含有量は350mL中に4000mg。(大豆ペプチドは、納豆1パックに400mg程度含まれているらしいから、その10倍だ。)
一方、カルピスの「もイチド」は、こちら。大豆ペプチド含有量は、500mL中に2000mg。より高濃度の「ペプチドパワー」もある。こちらは、100mL中に4000mg。
大豆ペプチドが多けりゃ良いんだったら、トーラクという会社の「ザ・ペプチド」は、300g中に8000mgも含まれているぞ。
この大豆ペプチドは不二製油という会社がほぼ独占的に生産しているようで、このブームを見込んで生産能力を大幅拡大したようだ。
さて、この大豆ペプチドって何ものか?ということに関しては、何とその名も大豆ペプチド健康フォーラムなんてのがあって、いろいろと広報資料が載っている。肉体の疲労だけでなく、精神の疲労にも効果がありそうな話になっている。(参考:毎日新聞(6/11))
たんぱく質が体内で吸収される際に、必ずしもアミノ酸まで分解されずなくとも、ジペプチドやトリペプチドの形態で吸収されるというのは事実らしい。しかし、「大豆ペプチド」といっても、大豆に含まれる種々のアミノ酸から構成されるペプチドって何種類も考えられるわけで、その中身(アミノ酸パターン)はどうなっているんだろう?
アミノ酸については、具体的なアミノ酸の種類で議論が行われているのと比べると、「大豆ペプチドは身体に良い!」ってのは随分乱暴な話に聞こえるんだけど。リジンとイソロイシンのジペプチドが効く、みたいな話だったらもう少し信憑性がありそうなものだが。。
*昨年、阪神タイガースのトレーナーが大豆ペプチドを使った飲料を使ったのが、ヒットの伏線になっているらしいが、今年は別のキャッチフレーズが必要じゃなかろうか? (冒頭の記事で「経営トップなどが愛飲している」とあるけど、自社製品を飲んでるだけだったりして。。)
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コメント
こんにちは。記事面白かったです。
市販のアミノ酸飲料は、アミノ酸の含有量が少なく糖も添加されているので「?」と思っていましたが、この大豆ペプチド飲料の方は含有量としてはそれよりは良心的な感じがしますね。こういうものが身体にいいというのは、納豆が大豆のままよりも栄養的に優れている面があるというのと同じ仕組みなのでしょうか?
投稿: flask | 2004/07/03 18:34
flaskさん、コメントありがとうございます。
納豆は、確かに大豆タンパクの一部が分解してペプチドの形になっているようですが、納豆の良さはむしろそれ以外の成分で説明されているようですよ。例えば、http://allabout.co.jp/health/healthfood/closeup/CU20031218A/?FM=bg">All About。
いずれにしても、本当に必要な成分はドリンクやサプリメントからではなく、普段の食事から摂取したいものですが。。
まあ、この手のドリンクは、どうせ喉の渇きに何かを飲むなら、少しは健康に効果的なものがいいかも、っていう要求に応えるものなのでしょうね。
投稿: tf2 | 2004/07/03 19:55