銅メダルはブロンズ?
オリンピックにちなんで、メダルの話。メダルといえば、金・銀・銅は周期表の11族に縦に並んだ元素の組み合わせとなっており、某所では「将来は金メダルより上に Uuu(Rg:レントゲニウム?)メダルができるのでは」と言われているらしい?
金メダルは実は銀メダルに金メッキをしたものだ、ということは比較的知られているが、読売新聞の記事 によると、今回のアテネオリンピックの金メダルは直径 6cm、質量 140gの銀メダルに金をメッキしたもので、重さは 148gらしい。金と銀の密度、それぞれ 19.3g/cm3と 10.5g/cm3から計算すると、銀メダルの厚みは約 4.7mm、金メダルの金メッキの厚みは約 55μmとなる。金の重さ 8gというと結構な量に思えるが、さすがに金は重いので、思った以上に薄い。
ところで、英語では Gold、Silver、Bronze と言うようだが、気になるのは、銅メダルが何故ブロンズメダルになるのかだ。 ちなみに、中国は人民網あたりを見ても、日本と同様に、金・銀・銅という表記になっている。一方、イタリア語(di bronzo)やフランス語(le bronze)では、英語と同様にブロンズに相当する単語を使っているようだ。
さて、Bronzeとは何か? 辞書を見ると、狭義には青銅(銅とスズの合金)のことだが、より広義には、黄銅(銅と亜鉛の合金=真鍮)以外の銅合金を意味する場合もあるし、更に広い意味では銅合金全般を指すこともあるらしい。
ちなみに銅合金というのは古くから身近に色々と使われており、日本のコインもアルミの1円玉以外は全て銅合金だ。
さて「銅メダルは青銅メダルなのか」問題?は気になる人が結構いるようで、fiptips.comの2003/5/31の日記帳でも参考になる考察がなされている。
実は、オリンピック憲章を見ると、金メダルと銀メダルについては、大きさや純度の規定が書かれているが、銅メダルについては特に何も触れられていない。
色々探してみると、シドニーオリンピック(2000)の銅メダルは、シドニー2000によると、銅に少量の銀が混ぜられた合金が使われたとある。
また、ソルトレークシティの冬季オリンピック(2002)の銅メダルはThe New York Timesによると "bronze is an alloy of 90 percent copper and 10 percent zinc over a silver base"と書かれており、これは銀メダルに真鍮メッキなのかな?
ということで、銅メダルは銅合金製のメダルであって、その組成は様々のようだ。従って、銅メダルは確かに bronze medal だが、青銅メダルとは限らない、といったところだろうか? 肝心のアテネオリンピックの銅メダルの組成は残念ながら不明。。
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