« 世界人口予測再び | トップページ | 多重即発ガンマ線分析 »

2004/08/19

土壌からテトラクロロエチレン

YOMIURI ON-LINE(8/18)の記事。HOYA跡地、発がん性指摘物質が環境基準の7千倍

 東京都羽村市神明台のHOYA羽村工場跡地で、発がん性が指摘されているテトラクロロエチレンが最大で環境基準の7700倍の値で検出されたことが18日、分かった。

 同社によると、土壌を1月から8月にかけて検査したところ、最大で水1リットル当たり77ミリ・グラムのテトラクロロエチレンを検出した。また、発がん性が指摘されるトリクロロエチレンも基準値の40倍だった。同工場では1965年から眼鏡レンズなどを製造し、昨年、操業を中止した。これらの物質は製造過程で使われた。同社は「地下水汚染の心配はない」としている。

ということで、テトラクロロエチレンは過去に多量に使われており、各種工場関係の土壌から検出されることも多い。この記事で注目するのは、「発がん性が指摘されている」という控えめな表現と、「水1リットル当たり77ミリ・グラム」と土壌汚染なのか地下水汚染なのかが不明な点。(地下水汚染の心配がないということは、どこの水から検出したんだ?)

他の新聞を探してみたら、Sankei Webで基準7700倍の有害物質 HOYA工場の敷地土壌という記事をみつけた。

 光学ガラス専門メーカーHOYAの羽村工場(東京都羽村市神明台4丁目)敷地内の土壌から、環境基準の7700倍に当たる1リットル当たり77ミリグラムの化学物質テトラクロロエチレンが検出されたことが18日、分かった。

 テトラクロロエチレンは機械の油汚れを落とす洗浄液などとして使われ、肝障害を起こす恐れがあるとされている。

 都有害化学物質対策課によると、羽村工場の閉鎖に伴う土壌検査で判明した。ほかにも環境基準の47倍の鉛など6物質が基準よりも高い数値を示したという。

となっており、この記事からは土壌から検出されたと読めるし、こちらは発がん性うんぬんには触れずに、肝障害の恐れがあるとだけ書かれている。

さて、このニュース、東京都環境局には掲載されていないし、HOYA株式会社にも何も情報がない。これから掲載されるのかもしれないが、日本ガイシのように、きちんと公開してくれると印象が良いと思うのだが。。
 
さて、テトラクロロエチレンの性質や環境基準は、化学物質ファクトシートに詳しいが、発がん性については「人に対して恐らく発がん性がある(2A)」に該当するようだ。また環境基準は、水質:0.01mg/L、地下水:0.01mg/L、土壌:0.01mg/L となっていて、土壌と地下水の基準は同じだ。

ということで、読売新聞の「発がん性が指摘されている」は、必ずしも適切な表現とは思わないが、発がん性物質と断定するよりはましかな?

考えてみると、土壌の環境基準の単位が mg/L と体積当たりの数値になっているのも何だか不思議だ。そこで、環境省の環境基準を見てみると、テトラクロロエチレンの土壌の環境基準は「検液 1Lにつき0.01mg以下であること」とあり、更に、この検液は付表の方法で作成するとある。これを読むと、テトラクロロエチレンの場合には、試料土壌を希塩酸と混合して10wt%の懸濁液として、これを攪拌、ろ過した液を検液とするようだ。ふーん。。

ということは、読売新聞の記事中の「水1リットル当たり」は、この検液のことなのだろうか??

|

« 世界人口予測再び | トップページ | 多重即発ガンマ線分析 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 土壌からテトラクロロエチレン:

« 世界人口予測再び | トップページ | 多重即発ガンマ線分析 »