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2004/08/06

水で消せるニャンペン

NIKKEI NET(8/5)の記事。プリモテック、文字を水で消せる「猫ペン」を商品化

 沖電気工業の事業再編を機に独立した開発型ベンチャーのプリモテック(群馬県高崎市、沢田稔社長)は、猫の脚の肉球や顔をイメージしたキャップが特徴の「ニャンペン」を商品化する。書いた文字を水や湿った布で消せる。実用的な癒やし系グッズとして販売する。

 プリモテックは用紙を数百回にわたり再生利用できるプリンターの機能向上を手がけている。ニャンペンの開発にもその技術を活用した。冷蔵庫に書きつける食品賞味期限、伝言などのメモや、子供の落書き用など幅広い使い方を想定する。

 肉球部分はほどよい弾力感を出すため、シリコン素材を採用。携帯電話のストラップやキーホルダーとして利用できるように金具も取り付けた。インターネットとOEM(相手先ブランドによる生産)で販売する考え。価格は未定。

プリモテックのホームページを見てみると、ニャンペンの説明が載っている。
書いた文字は水分に触れないと消えません。(手や服が触れても消えません)
水や湿った布、スポンジなどで拭くとサーッ!と消えます。
水洗いなどによっても消色します。手についても水で消えます。
※インクの染み込むものには書かないでください。

消しカス(ダスト)が出ないので、周囲を汚しません。
空気を汚すミクロの単位のホコリ、すなわち肺に有害な浮遊ダストを出しません。
安全無害です。また、フィルム・ガラスなども傷めることもありません。

肉球を模したプニュプニュ感が売りの商品みたいだけど、僕としては、水で完全に消えてしまうメカニズムが気になる。幸い、このホームページでは特許番号が記載されているので、特許 3329505 「白板用筆記具」を特許庁の電子図書館で調べてみた。
グループAから選択される1種以上の電子供与性呈色化合物と、サリチル酸亜鉛である電子受容性顕色化合物とを、エタノールを含む無水の溶剤内で混合した液状の有色インク剤を、容器体に収容してなり、かつ前記有色インク剤は前記電子供与性呈色化合物と電子受容性顕色化合物との呈色反応を減感する不揮発性の減感剤を含有しないとともに、白板への筆記を可能とし、しかも含水した白板消し具による拭き取り操作によって、水の塗布に伴い前記有色インク剤が消色されることにより、前記白板に再度筆記可能としたことを特徴としている。

【作用】前記グループAから選択される電子供与性呈色化合物は、サリチル酸亜鉛である電子受容性顕色化合物と分子接触することによって、無色から各呈色化合物固有の色に発色する。従って、これらの混合によって有色のインク剤を形成できる。このインク剤は、水の付着によって前記顕色化合物の効果を喪失せしめ、有色状態から無色状態に変化しうる。すなわちインク剤は水の付着のみによって消色し、筆記跡を消去できる。又水により顕色化合物の効果を喪失せしめるものであるため、乾燥後も消色状態が維持され、従って消色部分上に、該筆記具による新たな筆記が可能となり、文字等の訂正、修正作業を便宜に行いうる。

又衣服、壁、家具等への落書、誤操作による付着、汚れ等も、水の付着で簡易に消色、清浄化しうる。なお消色状態の筆記跡は、例えば前記顕色化合物の塗布によって再発色させることもでき、従ってこの消色を用いて重要機密を無色状に記録保管させることもできるなど新たな使用をも行いうる。

とあり、どうやら、共に無色のA成分とB成分を混合すると反応して有色のC成分となり、これをインクとして使用。このC成分は水と反応して無色の化合物Aに戻る、ということらしい。(なお、Aはクリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、、、等の化合物、Bはサリチル酸亜鉛)

従って、このペンで書いた後で水で消しても、実は無色のインクが残っているので、また発色させることも可能ということだ。考えてみると、インク成分そのものが、水で濡らすだけでこの世から消え去ってしまう訳も無いのだけど、再発色可能というところが面白いというかミソかもしれない。(発明者も、一旦消してから再発色させる用途を想定して明細書に記載しているし。)

ホワイトボードなんかは、機密事項も書いたりするから、本当に消したい時には注意深く元の化合物Aがなくなるまで完全に拭き取る必要がありそうだ。逆に湿気の多い場所だと、自然に消えたりしないのだろうか? という心配もあるが。。

ちょっと面白そうだから、1本購入してみてもいいかも。

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