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2004/08/09

血液事業白書を見てみた

最近も色々と献血や輸血を巡るトラブルが報道されているが、献血に興味ある者として関連情報を見てきた者としては、献血を含めた血液事業に関しての情報公開が相当に遅れているように思える。

今回、初めて「血液白書」とも呼べる 平成16年版血液事業報告献血事業の情報ページ に公表された。

実は7/14のYahoo!ニュース

検査すり抜け、図解で説明 厚労省が初の「血液白書」

 厚生労働省は14日、献血血液の安全対策や輸血による副作用・感染症報告数など、血液にまつわる情報を初めて1冊にまとめた「2004年版血液事業報告」を公表した。
 昨年問題化した、エイズウイルス(HIV)などが日赤の高感度検査をすり抜けてしまう現状も図解入りで説明し「感染症検査のために献血をするのはやめましょう」と呼び掛けている。
 A4判で55ページ。今後、5000部を都道府県などに配布するほか、厚労省ホームページでも公表する。「血液の白書」として年1回、内容を更新するという。
 事業報告は、献血された血液が製剤に加工される流れなどを解説。HIVや肝炎ウイルスに感染した直後に献血すると、高感度検査でも検出できない「空白期間」があることをグラフ付きで説明している。
 献血時のHIV検査で陽性だった人数は02年が82人と5年前の1・5倍に増えており、検査目的の献血が「血液製剤の安全性に支障を来しかねない」と警告した。(共同通信)

と報道されていたのだが、ホームページに載ったのが8/4だったようだ。従来、あまりまとまった資料はなかっただけに、今回の白書はそれなりに頑張ったな、という印象。

日本全体の血液フローシートを改めてみてみると、献血申込者延べ 695万人に対して、106万人が採血基準不適や問診等で門前払いされている。何と15%強にもなる。更に血液検査でウィルス等を検知して不適とされたのは 37万人で、こちらは全体の5%強。献血ルームで見てるとリピーターは結構多いのに、結局献血希望者全体の20%以上が採血できない、もしくは採血しても使えないという状況になっているのは驚きだ。

特に採血基準不適等で門前払いされた人についてはに男女別の最近の推移がグラフになっているが、女性の血液比重・血色素量不足というのが非常に多く、しかも最近ずーっと増加傾向であることがわかる。過剰ダイエットが原因と推定されているようだが、本人は献血しようという意思があるのだから、自分は健康という意識があるのだろうに。基準が厳しすぎるのか、それとも本当に不健康な身体となっているのだろうか? 

今問題となっている、感染症が検査をすり抜ける問題については、各種ウィルス毎に検査の感度と感染後のウィルスの増大の関係など、感染症報告とウインドウ期 にかなり専門的な説明もされている。

この問題については、報道の印象からして最近増えていると思っていたが、この資料を見るとそれほど単純ではなく、血液検査で陽性となって不適とされる本数はむしろ継続的に減少しており、より高感度のNAT(核酸増幅検査)で不適となる本数が増加傾向にあるようだ。その意味では検査技術の向上(感度アップ)の影響もありそうだ。

ただし HIV については、献血者当たりの陽性件数が明らかに増加(1997年の0.9から2002年の1.4件/10万人)しており、検査の感度アップだけでは所詮焼け石に水となりかねず、ソフト・ハード両面での別の対策が急がれる所以。

まあ、とかく印象の悪い血液がらみの事業だが、この厚生労働省の情報公開に負けず、日本赤十字にも積極的に情報発信をしてもらい、安全であると同時にまずは健全な事業を進めていって欲しいものだ。

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コメント

献血は60回
血の気が多いから
時々 抜きに行きますと
冗談をかましてますが ・・・

安全神話崩壊では困ります
検査目的の献血も ・・・ 問題外ですが

投稿: 和パパ | 2004/08/09 21:43

和パパさん、ようこそ。コメントありがとうございます。

つまらないトラブルや大きな問題、まあ色々とあるようですけど、ともかくも折角善意でやっている献血が無駄になったり、悪いイメージを持たれたりで、献血を続けている身としては、おいおいしっかりしてくれよ!って思いますよね。

今日もまた献血に関係した感染症の問題輸血用血液の遅配などががニュースになってますね。

投稿: tf2 | 2004/08/10 20:40

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