地震のマグニチュードと Richter scale
昨夜の紀伊半島沖の地震2連発について、海外の報道を見ようとGoogle Newsで探したら、予想以上に多くの記事が集まっていた。 地震の規模について、CNN.comでは、
The two offshore quakes Sunday -- the first with a magnitude of 6.9 followed by a 7.3-magnitude temblor five hours later -- were felt most strongly in sparsely populated areas in southwestern Wakayama prefecture (state), about 450 kilometers (280 miles) west of Tokyo.と "magniture" で書かれている。(地震を表すのに "temblor" なんて単語もあるんだ) 一方、例えば reuters.co.uk では
An earthquake measuring 7.4 on the open-ended Richter scale shook western Japan just before midnight on Sunday, forcing hundreds to evacuate as quake-generated tsunami waves approached.と、マグニチュードではなく、"Richter scale"で書かれている。今回の2回目の地震のマグニチュードについては、速報値は 7.3 だけど、後に 7.4 に修正されたようなので、CNN と Reuters で数値が異なるのが、この物差しの違いなのか、発表時点の違いなのか不明。
ということで、マグニチュードと Richter scale の関係を調べてみると、ウィキペディアに簡潔にまとまっているが、地震のマグニチュードを表す定義は沢山あるということがわかる。気象庁の発表するマグニチュードは、気象庁独自のものらしいので、気象庁のサイトで探してみると 気象、地震、火山、海洋等の基礎知識というページがあったが、マグニチュードについてはあまり詳しく触れられていない。昨年9月のマグニチュード算出方法変更については、報道発表資料が読める。
この話はなかなか難しいが、他にも解説記事としては、
地震被害0をめざして
日本地震学会
東大地震研
Hi-net 高感度地震観測網
などが参考になる。マグニチュードが対数尺度で、マグニチュードが2大きくなると地震のエネルギーが1000倍になること、また地震のマグニチュードが大きくなると、対数尺度で直線的に発生頻度が減少するということ(グーテンベルグ-リヒター(Gutenberg-Richter)の関係式と呼ばれる)も初めて知った。
ということで、恐らく、海外のメディアが日本の地震の規模を "Richter scale" と表記するのは、厳密に言うと誤りなのだろうと思う。
ところで、津波については
Tsunami -- waves triggered by seismic activity -- as high as 90 centimeters (3 feet) were recorded along the Pacific Coast Sunday, though the Meteorological Agency lifted its tsunami warnings early Monday.のように、CNNでは解説付きで "tsunami"という単語を使用しているが、他の新聞は特に解説なしで普通に "tsunami" を使っているようだ。
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コメント
ぉぉ! マグニチュードに色々あるとは全然知りませんでした。震度と違って絶対的に規模を表すもので、算出方法も一つにガチッと決まっているものと信じていました。すげー。
投稿: 石倉由 | 2004/09/07 12:05
普通はそーですよね。学校じゃ教えてくれないし、TVでも取り上げないですから。でも、ふと気になることをネットで調べると大抵のことは答えが見つかる、いい時代です。
細かな計算まで知ってる必要はないでしょうけど、これもひとつのトリビアということで。。 喜んでいただけたようで何よりです。
投稿: tf2 | 2004/09/07 19:35