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2004/09/21

ブルーシルクで技術情報検索

FujiSankei Business i(9/21)の記事。専門用語なしで技術情報検索、三菱総研が12月にもサービス

 三菱総合研究所(東京都千代田区)は、東京大学(同文京区)、沖電気工業(同港区)と共同開発した高性能の検索技術「ブルーシルク」を使って、企業や大学の研究機関の研究テーマから、的確な情報を簡単に探せるシステムの実証実験を始めた。

 三菱総研では11月中旬まで実証実験を行い、使い勝手などを検証したうえで、早ければ12月にも有料の本サービスに移行する予定だ。

 今回の実証実験では、独立行政法人である科学技術振興機構(JST)の学術論文約60万件のほか、特許公報掲載済みの情報約40万件、そして全国の国公立大学と主な私立大学のホームページから検索できるようにした。

 トップ画面の検索文入力欄に、探したい研究成果に関する内容の単語または文章を書き込むと、その単語が含まれていたり、入力文章の内容に近いホームページを自動的に探す仕組み。文章でも入力できるようにしたことで、専門用語がわからなくても技術情報を検索できるようにした。 (後略)

ということで、JDream Petit に続いて、また新たな科学技術文献検索サービスがでてきた。

この ブルーシルクは、現在すでに無料お試しサービス中だが、Bluesilkとはによると、検索対象がJST(科学技術振興機構)提供の科学技術文献だけでなく、特許公報や、大学のサイト内の情報までをカバーしている点と、キーワード検索ではなく文章による連想検索ができるという点が特徴のようだ。

文章を入力しての連想検索や関連キーワードの抽出については、汎用連想計算エンジン「GETA」と、日本語形態素解析システム「茶筌」を採用している。これは、本を検索するシステム Webcat Plus や、新書マップとも共通の技術のようだ。

JSTの JDream Petit (そろそろ無料期間が終わる)と一部オーバーラップしたシステムのようにも思えるのだが、うまく使い分ければ有効かもしれない。 JDream Petit については、検索デスクでも検索の視点として、詳細な評価がされている。

早速、無料ユーザー登録をして、ちょっとだけ使ってみた。検索結果では、JSTの文献はお試し期間中は書誌事項だけで抄録も出てこないけど、特許の場合は明細書の全文まで簡単に見ることができるので特許庁の電子図書館よりもある意味では便利かもしれない。画面の左側や右側にいろいろと情報(関連語、著者一覧、所属機関一覧等)が出てくるのだが、今一有効な使い方がわからない部分もあり、少し使い込んでみる必要がありそうだ。(関連語は何故か Wikipedia にリンクしている)

Q&Aによると、

質問7 現在、Bluesilkでどのようなコンテンツが検索可能ですか?
答え7 現在、Bluesilkでは、以下のコンテンツが検索可能です。今後、逐次コンテンツを拡充していく予定です。
 ●特許(2003年1月~12月公開分):約35万件(特許庁発行 CD-ROM公開公報)
 ●論文(2003年度分):約67万件(JST提供)
 ●MRIオリジナルコンテンツ:約1万件(NEXTING、自治体チャンネル、MRITODAY等)
 ●東京大学ホームページ:約8万件
とあり、まだまだ本格的な使用には物足りない。有料化したときの価格については、まだ未定なのか書かれていないようだ。

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コメント

ブルーシルクにユーザー登録したら、メールが来た。

Bluesilk(http://www.bluesilk.biz/)へユーザ登録いただいた皆様へBluesilkの最新機能情報のご案内をお送りいたします。

去る9月16日(木)よりBluesilkの試験公開を実施しておりますが、この度、朝日新聞社様の御協力により、asahi.comのサイエンス記事(http://www.asahi.com/science/)による検索が可能になりました。

利用方法は簡単で、Bluesilkの検索画面(http://www.bluesilk.biz/fs/)に表示しているニュース記事の各見出しをクリックすることにより、その記事の内容に関連する論文や研究者、研究機関などを検索することができます。

というもの。早速、「理化学研究所が113番元素を発見」というニュースで検索してみると、なるほど、関連した文献や特許がリストアップされている。なかなか面白いことを考えたものだ。これはとっても便利かもしれない。

でも、「asahi.comにおいて元記事がexpireされると実行できなくなります。」とのことなので要注意。

投稿: tf2 | 2004/09/29 19:34

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