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2004/09/28

ダイオキシン排出量順調に削減

YOMIURI ON-LINE(9/27)の記事。ダイオキシンの総排出量、「9割削減」の目標達成

 環境省は27日、2003年のダイオキシン類の総排出量は376―404グラムで、1997年と比べて95%減となり、ダイオキシン対策推進基本指針などで掲げた「9割削減」の目標を達成したと発表した。

 規制強化によって、排出の大部分を占める一般廃棄物と産業廃棄物の焼却施設の新築や改築、廃止が進み、排出量が98%削減された。

今やニュースバリューも随分と小さくなってしまったダイオキシンだが、6年前に比べて95%も削減された、という話の取り扱いはこんなに小さくなってしまった。MSN-Mainichi INTERACTIVEでも報道されているが、ダイオキシン:03年の排出量は前年より6割減
 環境省は27日、03年のダイオキシン類排出量は全国で376~404グラム(最も毒性の強いダイオキシン換算)とみられ、前年に比べて約6割減ったと発表した。政府は99年3月に「4年以内に年間排出量を97年比で約9割削減する」ことを決定していた。03年の排出量は97年に比べると95%減となり、目標が予定通り達成された。
という具合で、これまた随分小さい扱いだ。それでも、読売や毎日はまだニュースにしているけど、asahi.comではニュースにもなってない。騒ぐ時だけ大騒ぎして、沈静化すると報道もされないというのも、どういうものだか。。

ところでこの読売の記事、削減された量として95%と98%の二つの数値が出てきてわかりにくい。毎日の記事だと前年に比べて6割減というのを見出しに持ってきてるし。元データは、環境省の報道発表で見ることができる。ダイオキシン類の排出総量は、平成9年が 7680~8135(g-TEQ/年)、平成15年が 376~404(g-TEQ/年)だから、小さいほうの数字同士で比較しても、大きいほうの数字同士を比較しても削減率は 95%となる。

その内訳は、ダイオキシン類排出量の目録という資料で見られるが、なるほど、一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設からの排出量が、合計6500(g-TEQ/年)から145(g-TEQ/年)まで削減されており、これが98%となっている。読売の記事はこの数字を取り上げていたわけだ。 (個別に見ると、一般廃棄物焼却施設が99%、産業廃棄物焼却施設が95%、小型廃棄物焼却炉等が90~92%削減となっており、大型施設程削減が進んでいるようだ。)

もともと、各種焼却炉からの排出量が全体の 9割以上だったのが、焼却炉の対策が進んだことで今では 6割程度に減ったということになる。(従来は 9割が焼却起因というのが、この分野の常識だったので、環境関係の試験を受ける人は注意が必要かもしれない。) また、一番排出量が多いカテゴリーも、一般廃棄物焼却施設から製鋼用電気炉に変わったようだ。

こんな思い切った目標をしっかりと達成するというのも、目標そのものや、その方法が妥当だったかどうかは別として大したものではある。どうやって目標の数値を決めたのか興味があるところだ。 環境省もたまには少し自慢して、日本の環境は確実によくなっている部分もあるのだ、と認識してもらう努力をすればいいのに。

環境省の詳細資料には、各カテゴリーからのダイオキシン類の排出量の推計方法についての説明がある。たばこ1本当たりのダイオキシン発生量とか、火葬場での遺体1人当たりのダイオキシン発生量なんて数字も載っていて、それなりに興味深いものがある。

それにしても、全国で排出されるダイオキシン類を全部集めても、1日平均 1g程度とは本当に微量だな。

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