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2004/09/16

研究者の倫理意識の記事

NIKKEI NET(9/16)の記事。文科省調査、研究者の倫理意識がやや低下

 文部科学省は15日、研究者の倫理意識について調査した結果を発表した。倫理を日常意識しているか尋ねたところ「10分意識している」「比較的意識している」との回答は計80.8%で、1999年度の前回調査に比べて2.3ポイント減少していた。

 調査は昨年度に研究者2000人を対象に実施、約7割から回答を得た。

 研究成果が予期せず社会に悪影響を与えた場合について聞いた結果では、技術を使う側の責任であり「研究者が責任を負う必要性は感じない」との回答が前回比8.9ポイント増の20.8%だった。一方で「研究の危険性を扱った論文に目を通す」が同4.2ポイント増の15.3%など倫理問題に積極的な動きもみられた。

今のところは何故か記事にしているのは、日経新聞だけのようだ。元の資料は、文部科学省の我が国の研究活動の実態に関する調査報告らしい。

日経の記事では倫理意識の低下をメインで取り上げているが、文科省の調査報告では、

研究者の倫理意識 (平成11年度調査結果との比較)
  倫理問題を日常的に意識している研究者の割合は、8割以上で、ほとんど変化なし
  一方、具体的な配慮をしている研究者は増加
とまとめられており、ニュアンスがまるで異なっているのが気になる。そもそも、この調査は、他の項目を見ても、前回調査との差異がとても大きく、バラツキの大きな調査のような印象を受ける。そのせいか、文科省としは倫理意識が低下しているとは一言も書いていないのだ。

普通に考えると、研究に対する倫理意識が議論される機会は、特にバイオテクノロジーを中心に以前よりも相当に増えているように思うし、他の分野でも研究者倫理や技術者倫理が話題になることが多く、倫理意識が低下しているとは考えにくいように思うのだが。

ということで、この記事は、新聞を読んだだけだと、間違った印象が植え付けられかねないという典型的例のような。。

この調査、実は倫理意識以外の項目の方が結構おもしろい。研究者に対する国民のイメージが良くなったと感じている研究者が急増したこと、その理由は最近のノーベル賞連発やマスコミの科学報道だと考えていることなども、少し意外な印象。年齢の高い研究者ほど、国民の科学技術リテラシーが向上していると考えているなんてのも興味深い。

一方、研究者が自らの成果を一般国民にどんな手段で説明したいか、という問いに対しては、インターネットの活用がもっと多くても良いと思うけど、意外と保守的な内容でガッカリだ。


日経の記事の「10分意識している」はさすがに校正ミスだろうけど、こんな単純なミスをするところを見ると、Webに載せる原稿は、漢数字を半角洋数字に機械的に変換するフィルターを通しているのかもしれない。(数字が半角というのは珍しいかも。日経新聞も紙面では漢数字を使っている。)

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