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2004/10/26

ナノコロイド白金入りガム

NIKKEI NET(10/26)の記事。シーテック、活性酸素除去狙ったガムを商品化

 東京大学発ベンチャーのシーテック(東京、中西信夫社長、03・5725・0805)は、老化などの原因となる体内の活性酸素の除去を狙ったチューインガムを商品化した。活性酸素を取り除く機能を持たせるため白金を粒状にし、ガム1粒に約0.8マイクロ(マイクロは100万分の1)グラム程度含ませた。調剤薬局や歯科医院、ドラッグストアなどで販売する。

 「イアソーガム」は百粒入りで2500円。ガムの中に直径1.8―2.2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの微細粒にした白金を含ませた。取締役に就いている東大大学院の宮本有正教授の研究成果を生かし、白金などの遷移金属に、活性酸素を除去する機能を期待する。甲府市の食品製造会社に製造を委託して商品化し、年間4億円の売り上げを見込む。シーテックはすでに化粧品やミネラルウオーターなどを商品化している。

白金入りのガムとはねえ。さすがに一粒25円だから、この手の食品としては高価だ。本当に活性酸素除去効果があるのだろうか。そもそもこれは医薬品なのか、それとも食品なのか?

シーテックという名前の会社は沢山あったけど、東京大学産学連携ベンチャーということで、株式会社シーテック SHETECH Co. LTD.がそれ。東大の宮本先生が、ごあいさつの中で、

世界には万病に効くと言われる「奇跡の水」が存在し、現実に数多な症例が報告されています。

その原因は未だ証明されていませんが、これらの「水」には、一般的に還元力があり、その還元力が体内の活性酸素を減少させ、結果、万病に効くという説が有力視されています。

私たちはこの「還元力」に着目し、工学的なナノテクノロジーを用いてアプローチすることで、従来の成分解析では見つけられなかった「特性」をナノレベルで解明することに成功しました。

と書かれているが、大丈夫かな?? 文面どおりに読むと、「奇跡の水の効果は還元力が原因であることを解明した」と読めなくもないけど、本当か? 商品ラインナップで見る限り、今回のガムは掲載されていないが、白金コロイド入りの化粧品を売っているようだ。化粧品ならばまだ許せるような気もするが、ガムに白金入れて本当に大丈夫か? 

ある程度の大きさの金属粒子なら白金は不活性なので、そのまま排出されて毒にも薬にもならないだろうけど(金箔入りの食品やらお酒のようなもの)、ナノコロイドとなるとどうだろう?白金族ナノコロイドの活性酸素消去能にはナノコロイドが触媒として働いて活性酸素を還元するような記載があるが、経口摂取したコロイドが体内に留まるのだろうか? 体内を血液等に含まれて循環するのか? なんだか危なそうな気もする。。

食品添加物協会のリストで調べてみると、確かに白金は食品添加物のリストにあるけど、これは単なる白金だ。ナノコロイドだから特異的に効果があると言っておいて、食品添加物としての認可はただの白金として受けている説明するのは、何かずるいと思うぞ。

白金ナノコロイド化粧品で探してみると、IASOショップが見つかる。ここで扱っている商品には、日田の天然水に白金ナノコロイドを添加したIASOウォーターなる商品まで存在するぞ。これはもはや水商売の範疇だ。(24Lで5103円だから、許せる範囲の値段だけど。) ちなみに、IASOとはシーテックの金属ナノコロイドに付けられた商標で、ギリシャ神話の癒しの女神イアソーからとり、日本語の癒しとの語呂合わせでイアソーと呼ぶらしい。

ちなみに、宮本先生のサイトはこちらで、東京大学大学院新領域創生科学研究科の先端生命科学専攻の構造生命科学講座に属しておられる。ところが、この先生、どういう根拠があるのか、あちこちで日田天領水を推薦していたりするから、なんだか信用できない気もする。

研究の成果を商品化したいのはわかるが、シーテックの扱っている化粧品やらガムなどが、通常踏むべきステップをきちんと踏んで商品化してるようには見えないし。

ついでに白金コロイドを調べてみたら、医薬品 内服用パプラールというのが出てきて、簡単にネットで買えちゃうみたいだけど、本当の薬なのか? それにこれはなんと野口英世の発明らしいぞ。それにしてもこのページの記載はひどいな。活性酸素は分子記号で「O5」と書くなんて初めて知った、というか分子記号って何よ??

どこまでがまともでどこからが「と」なのかわからないが、白金コロイドの世界は魑魅魍魎のような気がするなあ。。 日経新聞も時々こういう怪しいものを掲載するし。。

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コメント

還元力云々というのは常日頃から非常に疑問を持っているところです。というのは、腸内は間違いなく元々非常に嫌気的(≒還元的)条件のはずだからです。少々の水や触媒を加えて効果が上がるというのはちょっと考えにくいです。

しかし、あの日田天領水の大御所が新領域に居たんですね~(^_^;。…やっぱり健康系の教授ほど怪しい職業は無いと思います。

投稿: ESD | 2004/10/27 01:25

本件については、水商売ウォッチング掲示板でも話題になってます。ご参考まで。

ところで「健康系」ってのはどういうカテゴリーでしょう?

投稿: tf2 | 2004/10/27 19:35

健康系というのは、まあ「健康科学」みたいな名前の付くところに所属している、体育系の学部出身である、メディアへの露出が激しく、健康食品等の販売者に権威のお墨付きを与えているような人たちです。その意味では今回の宮本先生は医学部出身だったりしてやや標準的ではないかも知れません。なぜ体育系かというのにも理由があるのですが、ちょっとどろどろしているので省略しておきます(^_^;
私もいくつか実例を知っているんですが、概ね生化学なんかの知識に乏しいのにそれっぽい理屈をでっち上げていて、ヒトというばらつきの大きい研究対象に不用意としか言いようのない実験系を組んで怪しげな「成果」を上げていることが多いようです。

件の掲示板、かなり手厳しいですね。気が合いそうです(笑)。

投稿: ESD | 2004/10/27 22:04

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