車の平均寿命
NIKKEI NET(11/16)の記事。自動車の平均寿命10.97年・調査開始以来最高に
国土交通省の外郭団体である自動車検査登録協力会は15日、2004年3月末時点の自動車保有動向をまとめた。自動車が新規登録されてから登録抹消されるまでの平均年数(車の平均寿命)は10.97年となり、1974年の調査開始以来最高となった。最高更新は7年連続で、10年前と比べると1.71年延びた。自動車の性能向上が影響したとみられる。ということで、自動車の平均使用年数は約11年なのだそうだ。平均年数も延びており、ここ何年か連続して延び続けているようだ。詳細データは、自動車検査登録協力会のサイトで、平均車齢推移&平均使用年数推移に車種別の昨年までの数値が掲載されている。どの車種でも使用年数が毎年延び続けているところを見ると、特に業務用の車の買い替えはひとえに経済的に合理的な判断がなされるはずだから、総合的にみて経済的なのはこの程度の使用年数ということだと思われる。(消費者・使用者は十分に賢いと仮定しての話)国内で走っている車が新規登録されてからの平均年数(車の平均年齢)は6.58年となり、11年続けて過去最高となった。景気低迷で新車販売の伸び悩みが続いたことで「自動車の高齢化」が進んでいる。1世帯あたりの乗用車保有台数は約1.1台と前年とほぼ同水準。都市別では愛知県西尾市(1.9台)、石川県小松市(1.8台)などが多かった。
もっとも、当然といえば当然の帰結だが、同時に自動車の保有台数も順調に伸びているので、単純に買い控えている状況とは言えない。他の国はどうかというと、やや古いデータだが1997年の比較で、アメリカ 14.5年、ドイツ 12.0年、日本 9.28年とあり、日本はまだまだ短いという数字が見つかった。一方、こちらの資料では、アメリカは2000年で乗用車が8.3年、商用車は6.9年とあり、日本の小型乗用車の10.61年よりも短いことになっている。。真偽は不明だが、ざっと眺めると一般的には日本の使用年数は短い方だという主張がされているようだ。
まあ、長く乗り続けるのが良いのかどうかも、環境汚染と二酸化炭素のトレードオフもあって簡単ではないが、現時点ではグリーン税制の一環として、13年目以降のガソリン車等には自動車税を1割程度重課税する制度となっているようだ。
ちなみに、家電製品の平均使用年数も、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビ等については、ほぼ10~13年程度となっているようで、自動車の年数と同等となっているのが面白い。購入価格は一桁程度違うのに。(参考)
ところで、実はこのニュースで気になったのは「平均寿命」というところだったりする。今回の車の平均使用年数は、恐らく、昨年度に廃車になった車の使用年数を単純に平均したものと思われる。これは人に当てはめれば、昨年死亡した人の死亡年齢の平均値ということになる。
人の平均寿命の定義はこれとは異なり、厚生労働省 平成15年簡易生命表の参考資料にも載っているように、ゼロ歳の平均余命のことである。平均余命は、各年齢での死亡率をベースに定常的な人口モデルを仮定して計算する。何故、人の寿命統計を毎年の死亡者の年齢構成から計算しないのかわからないが、計算方式でどれくらい数字が異なるのか試してみた。
ここにある平成15年の簡易生命表の各年齢の死亡数から、平均死亡年齢を求めてみると、男性が77.9歳、女性が85.0歳となった。(100歳以上ランクの平均死亡年齢を105歳と仮定して求めた。計算合ってるかな?) 実際の平均寿命は、男性が78.4歳、女性が85.3歳なので、平均寿命は平均死亡年齢よりもやや大きい数字となるようだ。それでも、かなり近い数字になるんだなあ、と妙に納得。
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コメント
おそらく景気が悪くなると買い換えが止まるでしょうね。
もちろん他の国との比較には使えませんが、平均使用年数が
伸びているのは景気が落ち込んでいるからというのも
大きいと思います。
ただ、京都議定書の事もありますし、ここは一つ
ハイブリッド車への転換をどーんと進めて欲しいところですね。
投稿: ESD | 2004/11/18 01:06
ここ最近、どの車種でもずーっと使用年数が増えている理由は、もちろん景気動向も影響はしているでしょうけど、むしろ、自動車という商品が技術的に成熟したことが見逃せない気がしています。
個人的な印象ですが、20年前だと4年(1回のモデルチェンジ)経過すると、新車と従来車の違いが歴然としていたので、新型車が欲しいと思わせられたのですが、今は新車が出ても余り購買意欲を刺激されないで済んでいるように思います。
ハイブリッド車には頑張って欲しいですし、欧米でも予想以上に善戦しているようですけど、一方でメーカーとしては儲けの大きな大型高級車を前面に出さざるを得ないところに、葛藤がありそうですねぇ。
*自動車メーカーは、ハイブリッドでも燃料電池でも、新車が売れてくれればいいわけで、古い車の買い替えは大歓迎なわけですから、他の産業に比べれば持続可能社会への転換が起こっても、少なくとも一時的には、相対的には生き残り易い業界かもしれないですね。
投稿: tf2 | 2004/11/18 02:15