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2004/11/18

ブレインヘルスと健脳食

日経新聞の11/17夕刊の「からだのお話」というコラムの記事。ネットには載っていないので、備忘録としてメモ。

成績アップには「脳の健康」不可欠 そう快な香りで活性化

 心臓、肺など人間が生きるため必要なからだの各部の働きは「脳」によって制御されている。それにとどまらず、行動や意欲、感情とあらゆる精神機能を生み出す。激しいトレーニングだけに頼らず、「ブレインヘルス(脳の健康)」を意識することが、スポーツの成績を伸ばす重要な手段と認識され始めている。
 ブレインヘルスを維持するには「特に『におい』に気を配ることが肝心」と杏林大医学部の古賀良彦教授。きゅう覚は人間の五感の中で唯一、感情や本能と深く結び付いている大脳辺縁系と呼ぶ部分に直接、伝わるためだ。
 実際、好きな香りをかいで識別テストをすると、情報処理を行う際に出る「P300」という脳波が増加。日常生活に大きく作用するにおいとスポーツの関係について、古賀教授が代表例を教えてくれた。「運動前、試しにユニフォームにレモン系の香りを振りかけてみて下さい。持久力のアップにつながりますよ。」
 汗のにおいが選手を奮い立たせるとの考えもあるが、実はまったく逆。深いなにおいは成績に悪影響を与えるだけ。そう快な香りが脳の働きを活性化し、パフォーマンス向上に結び付くというわけだ。スポーツにとどまらない。服飾デザインやイラストなどの色彩を扱う職場にコーヒーのほのかな香りを漂わせると、「感性が鋭敏になり、良い作品が生み出される可能性がある」と古賀教授は説明する。
 ブレインヘルスを維持するための情報を広めようと、古賀教授らは十月に特定非営利活動法人(NPO法人)の「日本ブレインヘルス協会」を設立。近年、うつ病患者の増加などを背景に健康食品、アロマテラピーなど脳をターゲットにした商品が市場にあふれるが、これらを客観的に評価し、正確な知識を身に付けてもらうのも目的という。
 ビッグネームになればなるほど、メンタル面が重要視されるが、その基本はすべて脳にかかっている。ブレインヘルスが今後のスポーツ界のキーワードになるかもしれない。

というもの。昔からお香とかもあることだし、アロマテラピーには何がしかの効果があるだろうと思うのだが、スポーツにも効果があるのかなあ、それも持久力のようなものに表れるだろうか、と思わないでもない。

この古賀先生は、結構マスコミに露出されている方のようで、あるある大事典にも出てくるし、ファブリーズの宣伝にも出ている。少しまともな記事としては、こんな対談記事も見つかった。

さて、香りに効果があるとしても、これが脳の健康と関係あると言われると、いやに飛躍しているような気がしないでもない。脳の健康をどう定義するのかにもよるのだろうが、いい香りを嗅ぐことで脳が健康になるのだろうか? 日本ブレインヘルス協会のサイトを見てみると、まだコンテンツは少ないが、脳の健康というのは、どうやらハードウエアとしての脳ではなく、ソフトウエア部分の健康を扱っているみたいだ。その中で薬品や食品と並んでアロマテラピーが一つの柱になっているみたいだ。

ちなみに、この協会を紹介したnikkeibpの記事では、「健脳食」というキーワードが出てくる。健脳食という言葉は既に定着しているみたいで、岐阜県の公式サイトの中に健脳食情報なんてページがある。(岐阜県は「健脳産業」を育成しているらしい。)

今は健康食品といえば、ダイエット系が中心かもしれないが、今後確かに、脳はターゲットとして有望かもしれない。既に頭がよくなるホームページなんてのもある。こうやって今後どんどん専門化していくと、ますます一般人には訳がわからなくなってしまいそうだ。この協会が、怪しげな健康情報や製品がはびこらないように活動してくれることを期待したいものだが。

Brain Health で海の向こうを検索してみると、意外にもあまり使われていない用語みたいだ。その中に子供向けにBrain Fitness - Your Guide to Good Brain Healthなんてページがあった。ここではケガや薬品によるダメージを防ぐことが中心だが、食べ物について、一言だけ "Eat right!" で済ましているところが潔くて好きだ。

*アロマセラピーかアロマテラピーか迷ったのだが、上記学会のページの表記によると、アロマテラピーを行う人がアロマセラピストらしい。

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