低公害車ガイドブック2004
少し前に、環境省が低公害車ガイドブック2004を発行したというニュース(EICネットニュース(11/8)など)が載っていた。
全低公害車157車種の情報を掲載 『低公害車ガイドブック2004』刊行ということで、定価2100円の書籍なのだが、このほど環境省のサイトに掲載された。低公害車ガイドブック2004がそれ。ブロードバンドの普及が進んだ現在、この本を2100円出して購入する意味があるかどうか。日本国内で入手可能な全ての低公害車の情報を網羅した『低公害車ガイドブック2004』が2004年11月中旬に刊行されることになった。
このガイドブックは環境省、経済産業省、国土交通省の3省が、国内の自動車メーカーの協力により、1996年度から毎年作成しているもの。
電気自動車、燃料電気自動車、天然ガス自動車、ハイブリッド自動車などさまざまなタイプの低公害車について、排出ガス性能、価格、メンテナンス体制などの最新情報を整理して掲載しているほか、低公害車導入のための各種支援措置に関する情報も掲載されている。
04年版は、電気自動車24車種、燃料電気自動車9車種、天然ガス自動車63車種、ハイブリッド自動車13車種、低PM認定車などその他48車種--計157車種の情報を掲載している。
なおこのガイドブックは、各省庁や地方公共団体等に頒布するほか、一般にも有償(予定価格:2,100円)で頒布する予定。頒布問合せ先は(財)環境情報普及センター
さて、このガイドブックでは現時点の低公害車が乗用車から商用車まで網羅されているし(燃料電池車等まだ試験段階のものも載っている)、関連するインフラや支援措置についての情報も掲載されており、かなり便利な情報源として使えそうだ。例えば新たな低公害車が登場した時に、ここに掲載されている車のスペック表と比較したりできる。
ところで、ここに掲載されている車を眺めていると「低公害車」って何? という疑問が生じてくる。いわゆるHC、CO、NOx、PMといった大気汚染物質の排出が少ない車と、燃費の良い車が混在しているように見えるのだが。(燃費が良いということは、単位輸送量当たりの大気汚染物質の排出量は当然少なくなるんだろうけど。)
ということで、その定義に触れている箇所を見ると、「低公害車(電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車及び低燃費かつ低排出ガス認定車)」とか、「低公害車は、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)等の大気汚染物質の排出が少ない、または全く排出しない、燃費性能が優れているなどの環境にやさしい自動車です。」と書かれており、具体的には以下の6区分を対象としているらしい。
・燃料電池車
・電気自動車
・天然ガス自動車
・メタノール自動車
・ハイブリッド自動車
・低燃費かつ低排出ガス認定車
これは、グリーン購入法で定める「低公害車」の定義とほぼ同じみたいだ。
「低公害」という言葉の定着度からみて、今さら変えられないのかもしれないが、今後はますます低公害よりも省資源や低排出等、低環境インパクトであることが望まれる筈だ。単なる低排出や低燃費ではなく、全ライフサイクルでの環境へのインパクトのような新たな指標の導入と定着を、環境省が率先して目指して欲しいものだ。
個別に眺めてみると、意外と知らなかったのが、ハイブリッドバスとか、ハイブリッドトラックといったディーゼルハイブリッド。ちょっと探してみると、FujiSankei Business(11/15)に、商用車も環境配慮、ハイブリッド車需要拡大という記事もあり、ハイブリッドが商用車にも流行の兆しを見せている。
なお、この日産ディーゼルのハイブリッドトラックは、電池ではなくキャパシタを蓄電に使っている点も特徴のようだ。
ところで、注目はどうしても燃料電池車に集中する傾向があるし、以前は将来の花形として語られていた感のある電気自動車も、今や大手メーカーからは既に見放されてしまったみたいだ。でも、それ故なのか、光岡自動車、チョロキューモーターズ、ゼロスポーツなど、個性的な車やバイクなんかが並んでいて、ちょっと楽しい。意外と特定の用途には(燃料電池車までのつなぎかもしれないが)生き残りそうな気がする。
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