世界最大のリゾットと飢餓を考える
CNN.co.jp(11/27)の記事。豪州、「7.5トン」の巨大リゾット、世界の飢餓を訴え
シドニー(ロイター) オーストラリア・シドニーのハーバーブリッジで26日、国内のシェフ、ボランティアらが重さ7.5トンの巨大リゾットを完成させた。ギネスブックに認定されれば、これまでの記録(6.3トン)を抜き、世界最大の「米料理」となる。飢餓問題を訴えるのを目的として、世界最大のリゾットを飢えていない人々に食べてもらうというのが、何となく自己矛盾をはらんでいるようで不思議な催しだ。それよりは、直接その食料を飢えている人々に送った方が良いのではないか?ハーバーブリッジのたもとに設置した長さ10メートル、幅3.6メートルの楕円形状の巨大鍋に、米1.6トン、スープ4400リットル、冷凍エンドウ豆800キロ、サフラン1.5キロ、チーズとバター600キロ、ニンニク20キロ、タマネギ、セロリを600キロ入れて煮込んだ。ボランティアらはボートのオール大もあるしゃもじで、鍋をかき回した。
出来上がりには3時間を要したという。
この催しは、国連が定める「国際コメ年」にちなむと同時に、世界中で起きている飢餓問題の存在を訴えるもの。国連によると、世界で8億4000万人が栄養不良の状態にあり、そのうち2億人が子供。また、飢えのため、毎日2万5000人が死亡している、という。
リゾットは募金した市民らに振る舞われた。売り上げは世界の食糧問題に取り組んでいる団体「CAREオーストラリア」に寄付する。
もう少し詳しい情報は、SBS Newsなどで読めるが、
The cookup, in aid of the United Nation's International Year of Rice, aimed to raise $100,000 for CARE Australia to help fight world hunger.とあり、どうやら、ゴールド・コイン・ドネーションにより、5,000人に振舞われ、全部で100,000ドルを集めるのが目標だったようだ。オーストラリアでは、ゴールド・コイン・ドネーションというのが比較的日常的に行われているらしい。ゴールド・コインというのは、1$もしくは2$のコインのこと。(1オーストラリアドルは約80円)The vegetarian recipe involved one and a half tonnes of rice, almost a tonne of peas, 4,400 litres of stock, 320kg of parmesan, 1.5kg of saffron, 80 litres of olive oil and 20kg of crushed garlic, and serves 5,000 people.
It was served to the public for a gold coin donation.
ん? 一人当たり 2$ の寄付としても全部で $10,000 にしかならないぞ? しかも、これだと一人 1.5kg になるけど、いくら何でも多すぎるような。。 ということは 50,000人の間違いか??
この団体、CARE Australia のページでMedia Releaseを読んでみると、今回のイベントは、イラク戦争の陰で目立たないけど、長年続いているスーダンの内戦の影響で現在も進行している大規模な飢餓等への支援を最優先としている。スーダンの飢餓問題については、国境なき医師団に詳しい。
なお、今年が国際コメ年だったというのは、どこかで聞いたことがあるような気もするが、全然意識していなかった。(けど、あと1か月で終わっちゃう)公式のホームページは、国際コメ年。コメが世界の過半数の人の主食であって、食物供給エネルギーとしても世界の20%で小麦を上回っているとは知らなかった。
*冒頭の疑問について考えると、集まったお金(約800万円?)を有効に使用すれば、7.5トンのリゾットよりは、桁違いに多量の食料が購入できるはずだし、この人達はこのリゾットを食べなければ別の何かを食べたのだろうから、人々への認知効果も考えると (こうやって日本で関連記事を書いたり、読んだりする人まで出てくるわけだし)、結構有意義な使い方だったと言えるのかな。
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