Googleでワイルドカード
たまたま図書館で、「翻訳に役立つGoogle活用テクニック」という本を見つけて読んでみた。実に実用的というか実戦的な本で、Googleを単なる情報検索としてではなく、表現検索の道具として使いこなそうというものだ。
確かに日本語でも、間違い表記かどうかをチェックするのに、Google様に聞いてみて多数決で判断する、いうのは結構有用なテクニックだし、多数決が必ずしも正しくないにしても、それなりに使われているのではないかと思う。例:うろおぼえ(23300件)、うるおぼえ(3370件)、うろ覚え(214000件)、うる覚え(20900件)。アスタリスク(71900件)、アステリスク(4630件)。
本書は、それと同じことを英語で行えば、英語圏でより一般的に使われる表記を見つけることができる、ということを基本にしている。その上で、単なる多数決ではなく、例えば科学用語の使い方であれば、Nature とか Science といった著名な雑誌からだけ検索してみたり、といった工夫が沢山紹介されている。( サイトオプションの使用、例えば "site:nature.com"、"site:aaas.org"、"site:sciam.com"など)
また、工事用のヘルメットは helmet か hard hat なのか、を確認するような場合には、イメージ検索を使えば一目瞭然などの例も紹介している。
しかし、何といっても、Googleでワイルドカードが使えることは知らなかった。知っている人には当たり前の話なのだろうけど、少し調べてみると、Googleではワイルドカードは公式にはサポートされていない機能のようで、ヘルプにも全く書かれていないようだ。
少なくとも英語の場合には、「*」1文字が one word を示すので、例えば「最も○○な問題」を英訳する際に、"the most * problems"、"the most ** problems"、"the most *** problems"というようにアスタリスクの数を変えてフレーズ入力して検索してみると、the most serious problems、the most important unsolved problems、the most exciting and important problems などの表現が見つかるので、実用的な英作文の参考になる、というわけだ。
なお、Googleは、複数形と単数形や動詞の活用形をあいまい検索してくれないので、場合によっては "the most * (problem OR problems)" というように "OR" でつなぐ必要があるが、逆に単数/複数の使い分けについて調べることができるメリットもある。
ところが、同じ事を日本語でやってみようとすると、今一うまく行かない。このことは多くの人が色々と試しているようで、はてなでも、様々な議論がされている。要するに、日本語の場合にはワイルドカードの動作は保証されていないし、英語に比べると実際に問題が多く、なかなかうまく使えない、ということみたいだ。なお、Yahoo!の場合には、アスタリスクは AND検索の記号として解釈されるようで、英語でもワイルドカードは使えないようだ。
本書では、他にも英単語の使い方を調べるのに有用なテクニックとして、"intitle:"オプションや "inurl:"オプションが紹介されている。例えば、ページのタイトルやURL中に "glossary"、"dictionary"、"about XX"、"faq"等の単語が含まれているページだけを検索対象に指定することで、使用法や解説記事を効率よく見つけようということだ。確かにうまいこと考えるものだ。
まだまだ知られていない使い方が隠されているのではないか、という気もしないではないし、もしもおもしろい発見をしても、そう簡単に他人に伝えるのはもったいない気もするが。まあ、何事も結構奥が深いものだ。。。
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