高機能繊維:サランアート
The Chemical Daily(化学工業日報)の12/8の記事。旭化成L&L、サラン系高機能繊維を発売。
旭化成ライフ&リビングは7日、従来のポリ塩化ビニリデン(PVDC)系合成繊維「サラン繊維」の感温変色・蓄光・芳香機能を一層高め、玩具用途はもとより一般衣料やインテリア資材など幅広く使用できるサラン高機能繊維「サランアート」シリーズを今月13日から発売すると発表した。新シリーズ製品で2007年度に5億円の売り上げを目指す。というもので、サランの繊維に、温度で変色、蓄光、臭いといった機能を付与したものを発売するようだ。旭化成のプレスリリースによると、それぞれ、感温変色顔料カプセル、蓄光剤、香料をサラン繊維に練りこんだもののようだ。
サランというと、サランラップが有名だが、サラン繊維も従来から工業用途等で広く使われているようだが、他にも、バービー人形やリカちゃん人形の髪の毛に使われているみたいだ。今回、これらの機能をサラン繊維と組み合わせた理由については、「ドールへア等の玩具用途において、その審美性が高く評価されている「サラン」繊維に感温変色・蓄光・芳香機能をさらに高めました。」とある。想定している用途は、
感温変色繊維とのこと。旭化成の感温変色繊維の実例はこちらに写真が載っている。温度で色が変化する材料は、サーモクロミック材料と呼ばれ、結構ポピュラーなもので、様々な種類のサーモクロミック顔料や、サーモクロミックインクなどが売られている。
温度の変化によって色が変るセーター
温度により柄が発現、または消滅するジャカード生地
気温の変化によって色が変る造花
家の内外の温度差によって色が変わったり、柄が変る生地
水に浸かると色が変わる水着
色が多様に変化する織ネーム、リボン
冬は斑点柄、夏はソリッドカラーの縫いぐるみ など蓄光繊維
柄部分が光るジャカード織編地
暗闇で光る縫いぐるみ、人形の髪の毛
暗闇で光るスリッパ
暗闇で非難経路を光って示すカーペット など芳香繊維
布団、枕、縫いぐるみの中綿
人形の髪の毛
インテリア商品
携帯マスコット
靴の中敷
造花 など
感温変色繊維についても、例えば、カラーフォーマーという色素を使う例がみつかるし、他にも、光や熱で変色する繊維の例もみつかる。
蓄光については、何といっても根本特殊化学のN夜光が有名どころだろう。(さすがに最近はあまり名前を聞かなくなったけど。。) また、ひかり商会☆分室などを見ると、他にも酸化物セラミックス系の蓄光剤が開発されて売られているようだ。
この手の機能性繊維については、アイデア次第で色々と面白い用途がありそうだが、こういう技術が実用化されたことを知らずにいると、最初はかなり驚かされることになるだろうと思う。
それにしても、何故サランなのか? がよくわからない。。 これらの機能を練り込むことが、サランでしかできなかったとしても、じゃあ、これでセーターだとか水着とかを作って、本来それらに求められる機能については大丈夫なのだろうか??
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コメント
サランアートを使用して、観賞魚水槽内の水温を視覚で
確認したい。魚の生息温度は魚種により異なるが、いずれも20-30度cであるが、冬場の水温が20度以下になると飼育環境としては不可で、観賞魚用ヒーターを使用
するが、種々事故がおこる。(夏場30度以上)
早い段階で水温を感知できれば、事故を防ぐ事が可能となるが、温度表示は水温計となるが、水槽内の景色を変えれは早く水温変化を視覚で捉えることがかのうである。
擬木、擬水草、床砂 等、アクセサリーの変色を利用して検温が可能となれば面白い。
投稿: 新井剛 | 2011/11/14 11:26