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2005/02/21

カルニチン、オルニチンとハイポトニック

NIKKEI NETの新製品ニュース(2/21)から。アサヒ飲料、F1レーサーと共同開発したスポーツ飲料

 アサヒ飲料は3月30日、F1レーサーの佐藤琢磨氏や佐藤氏の所属チームと共同開発したスポーツ飲料「SUPER H2O」を発売する。体液より低い浸透圧に仕上げ、体内に吸収しやすくした。必須アミノ酸とされるBCAAや、オルニチン、カルニチン、有機酸の成分を配合し、運動などの際の持続力を高めるのに配慮した。500ミリリットルペットボトルで140円(税抜き)など。500万ケースの販売を目指す。
いよいよ今シーズンのF1グランプリも後2週間弱で開幕するが、昨シーズンの好調によりすっかり人気の出た佐藤琢磨選手がイメージキャラクターとなったスポーツドリンクのようだ。発売開始が3/30とF1開幕より遅れるのがちょっと残念かもしれない。

この短い宣伝文句の中に含まれるBCAA、オルニチン、カルニチンという用語は一般的にどの程度知られているのだろう? オルニチンとカルニチンは初めて聞いたような気がする。以前、このブログでは鰹だしの疲労回復効果という記事で、アンセリンとカルノシンというジペプチドがカツオのスタミナ物質ではないか、というのを紹介したことがあるがこれは別物のようだ。

アサヒ飲料のニュースリリースによると、

  「SUPER H2O」は、“水のようにクリアな後味で、素早く体を駆け抜ける、いわば水の進化形”という商品コンセプトのもと、素早く水分を体に浸透させるために、体液より低い浸透圧であるハイポトニック設計に仕上げたハイポトニック・スポーツウォーターです。
 また、他のスポーツと同様、またはそれ以上に「集中力」「持続力」が必要なF1レースを考えた中味設定になっています。具体的には、必須アミノ酸(BCAA)、オルニチン、カルニチン、有機酸という成分をプラスしています。味については、佐藤琢磨氏とともに改良を重ね、グレープフルーツをベースとしたフレーバーで、クリアな後味にこだわりました。さらに、カロリーオフで仕上げることによって、様々なスポーツシーンでの飲用はもちろん、日常生活での飲用も意識したものとなっています。
と書かれているが、「素早く体を駆け抜ける」って何だ? 駆け抜けちゃうわけ??  「ハイポトニック」という用語も何気なく使われているが、何だろう? SUPER H2O 専用サイトが出来ているけど、商品の解説は何もない。

浸透圧が体液と同じ状態をアイソトニック(isotonic)、体液よりも低い状態をハイポトニック(hypotonic)と呼ぶようだ。体液よりも高いのはハイパートニック(hypertonic
)ということになる。ポカリスエットとかはアイソトニック飲料だが、これとハイポトニック飲料の使い分けは、ewoman 元気のひみつによると、運動前にはアイソトニック、運動後はハイポトニックを飲むのが良いのだそうだ。味の素のサイトの「アミノバイタル」を科学しよう!の説明によると、今やハイポトニックが主流なのだそうだが、ここの説明は充実している。(結局、アイソトニック飲料を適度に薄めれば良いような気がするが。。)

さて、オルニチンとカルニチンは、アスコム・ダイエットウェブなどで紹介されているように、ダイエットアミノ酸として最近流行りのアミノ酸らしい。カルニチンは肝臓や腎臓でリジンとメチオニンから合成されるペプチドで、脂肪酸をミトコンドリアまで運ぶのに関与したり、ダイエットにも関係している物質らしい。また、オルニチンは筋肉増強ホルモンとして働くアミノ酸で、カルニチンと同時に摂ると脂肪の代謝を促進するとか。。

もう少し詳しい情報としては、オルニチンについては、協和発酵のアミノ酸講座がわかりやすそうだ。また、カルニチンについては、脂肪と血栓の医学というサイトのカルニチンに詳しい。よくみると、アサヒ飲料がそのものズバリカルニチンというドリンクを売っているようだ。

それにしても、この手の用語をインターネットで検索してみると痛感するのが、サプリメントの販売関係サイトの多いこと。。今回のアサヒ飲料のような大手企業が進出する頃には、既にマニアの間では知名度がある程度高まっているというのが前提となっているのかもしれないし、これでオルニチンやカルニチンという用語の知名度が一段と高まるということだろうな。。

ところで、通常の食生活をしている人にとって、これらの成分の充足状況がどんな具合なのだろう? なんか、普通の食品にもそれなりに含まれていそうなんだけど。。 もし不足していたとして、このドリンクをどれだけ摂ればいいのだろう? (成分表も見当たらないし。) とは言え、このドリンクを飲んで頑張る、B・A・R ホンダチームと佐藤琢磨選手の今シーズンの活躍を期待しよう。

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