昨年の航空機事故
CNN.co.jp(3/8)のニュース。空の旅、2004年が「最も安全な年」に、IATA
ジュネーブ──主要航空会社などが加盟する国際航空運送協会(IATA)は7日、2004年に世界で起こった商業航空における事故件数が、第二次世界大戦後、最も少なかったと発表した。年間の輸送人数18億人以上に対し、死者は428人で、航空機事故で死亡する確率は、およそ1000万人に1人だった。輸送人数 18億人に対して死者 428人で、どうして1000万人に1人となるのかよくわからない(単純に割ると420万人に1人となる)が、回数当たりでいえば航空機事故で死亡する確率は無視できる程度に小さいのは間違いなさそうだ。IATAの元記事は2004- The Safest Ever for Air Transport。(ここに出てくる hull loss rate という数字はどうやって求めているのかよくわからない。。)IATAによると昨年1年間の死者数は、第二次世界大戦が終了し、大規模な商業輸送が始まった1945年とほぼ同じ水準だった。当時の輸送人数は、およそ900万人だった。
離陸から着陸までに事故を起こした航空機は、96年の13機から02年には9機、04年の8機に減少。また、02年は輸送人数16億人に対し死者は974人、03年は16億5000万人に対し死者663人で、04年にかけて大幅に減少した。
IATAのビジニァーニ事務局長は、事故を減らすため安全基準を厳しくした結果だ、と言明。「2004年は航空輸送史上、最も安全な年だったといえる。今後も、この結果を続けるように努力していく」と語った。
これと関連したニュースとして、朝鮮日報に【航空会社の安全度調査】大韓航空43位 アシアナ32位という記事が載っている。ドイツの航空専門誌『アエロ・インターナショナル(Al)』が分析した世界の航空会社の安全順位で、安全第1位がカンタス航空、最下位がトルコ航空とのこと。他にもフィンエアー、キャセイパシフィック、全日空が最高レベルで、エジプト航空、インド航空、台湾中華航空が最低レベルらしい。この雑誌はドイツ語だけど、航空会社ランキングの一覧表は見ただけで大体理解できそうだ。ちなみにJALは29位となっている。なお、朝鮮日報の記事によると
Alは、昨年が民間航空機の運航史上「最も安全な年」で、世界の航空事故による死者数が514人と、これまでで最も少なかった1984年の627人より113人が減ったと指摘した。また、1970年代に比べると、今日の航空機事故の危険性は6分の1に減ったとAlは付け加えた。ということで、昨年は航空事故死者が最も少なかったというのはIATAと同じだが、死者数が異なっている。事故の内訳まで知ろうと思うと、外山智士さんのホームページに、世界の航空事故総覧という素晴らしいデータが公開されている。
ここでは、航空機の機種別や航空会社別などに分類されており、非常によくまとまっている。1947年以降の世界の主な航空機事故が全部で725件収録されているが、これによると、2004年が9件、2003年が7件、2002年が18件、2001年が14件、2000年が9件となっている。ちなみに、ここの資料から2004年の死者を合計すると410人となり、これまた微妙に違う。(IATAのニュース記事では、昨年の事故件数は全部で103件となっているから、ここに収録されているのはあくまでも大きなものだけということのようだ。)
航空機事故のリスクは、日常のさまざまなリスクの大きさを考える上での指標の一つとしてよく使われるので、検索するといろんなサイトが出てくるが、例えば、ここなどが参考になる。また、原子力技術リスクC3研究の中にある、市民のためのリスクコミュニケーションガイドなどもわかりやすい。
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