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2005/04/11

ポテトチップスの塩のこだわり

日刊工業新聞社のビジネスラインで見つけた記事(4/11)。

カルビー/「球美の塩」「室戸深層海水塩」のポテトチップス

 カルビー(0120・55・8570)は11日、ポテトチップス「球美の塩」「室戸深層海水塩」を発売する。それぞれ沖縄県久米島沖の水深612mの海水、高知県室戸岬沖の水深374mの海水を汲み上げ、濃縮し、窯でじっくり煮詰めた「深層海水塩」のみを味付けに使用。各容量76g、価格はオープン。

 同製品は、塩だけのシンプルな味付けで仕上げた「日本の塩」シリーズの第2弾。日本全国各地の海水塩を吟味し、ポテトチップスと相性の良い銘柄を選んだ。(後略)

というものだが、塩にこだわった商品のようだ。残念なことに、カルビーのニュースリリースを見ても、今回採用した塩が従来の塩とどこがどう違うのかの説明は何も書かれていない。

今回の「球美の塩」と「室戸深層海水塩」は第二弾ということで、第一弾は「宗谷の塩」と「石垣の塩」ということらしいのだが、これを見てもそれぞれどんな特徴があるのかわからない。大した違いはなさそうだが、一応調べてみた。

球美の塩については、球美の水のサイトの球美の塩の説明だと、塩分濃度が84%、100g当たり、Na:33g、Mg:710mg、Ca:770mg、K:230mgとある。このサイトの説明に、「久米島の海洋深層水は、水深612mと日本一深いところから汲み上げており」と書かれているし、トップページにこのポテトチップスが紹介されているので、カルビーが採用しているのはこの塩に間違いなさそうだ。

室戸深層海水塩については、374mという水深からしても 室戸海洋深層水株式会社 の製品だと思うが、海水の組成は載っているものの、塩の組成は載っていない。こちらのサイトに深海の華という天然の塩の組成が載っていて、Na:34.56%、Mg:0.58%、K:0.19%、Ca:0.36%とある。球美の塩よりもMg、Ca、K共にが少なめのようだ。

宗谷の塩は楽天市場には「ミネラル含有量世界一」とあるのだが、メーカーの田上食品工業の情報によると、100g当たり、Mg:約3.45g、K:約1g、Ca:約1gとあり、さすがにギネス申請中だけあって、マグネシウム、カリウム、カルシウム含量がとんでもなく高い。だけど、これって「にがり」を含んだままの、海水を煮詰めただけのものみたいだな。。 こんなものをギネスが認定するのだろうか? それに、さすがにここまでミネラル分が多いと、それを知ってて使わないといろいろと問題も出てきそうだが。

一方、石垣の塩は石垣の塩の紹介によると100g当たり、Mg:170mg、K:93mg、Ca:1300mgとあり、上の塩に比べるとミネラルは随分控えめのようだ。(カルシウムだけが何故か突出しているが)

こうやって見てみると、同じように海水から作る塩だけど、思った以上に違いがあるものだ。もっともこの違いは、原料として使った海水の違いというよりは、海水から塩を作る条件の違いのような気がするのだが。。

さらに探していたらたどり着いたのが、その名も世界のお塩.comというサイト。このサイトで検索すれば、それぞれの塩の組成や特徴も一発で手に入いるようだ。国内だけでも66種類もの塩を取り扱っているそうだが、何事も奥が深いというか。。 

なお、より科学的な情報は、財団法人ソルト・サイエンス研究財団がJT関連ということで充実しているようだ。塩・にがりの選び方とミネラルの生理作用によると、国内には食塩の規格がないので野放し状態だが、国際的な規格(CODEX)では、Mg、Ca、Kなどのミネラル分のトータルは3%未満となっているようだから、やっぱり注意が必要そうだ。

果たして普通の人がどの程度味の違いを見分けられるのだろう? 「宗谷の塩」ぐらいミネラルが多いとさすがに区別できそうだが、それでもポテトチップとして違いがわかるかどうかは?? 宗谷の塩や石垣の塩のポテトチップスは4月上旬までの期間限定販売らしいから、食べ比べをしようと思っても急がないと入手が難しいかもしれない。

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