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2005/04/15

競走馬のクローン誕生

Sankei Web(4/15)の記事。優勝馬のクローンが誕生 伊で世界2例目とBBC

 英BBC放送(電子版)などによると、イタリア・クレモナのスパランツァーニ畜産研究所は14日、耐久レースに優勝した馬(アラブ種)の遺伝子をコピーしたクローン馬の生産に成功したと発表した。

 クローン馬は2003年5月に同研究所で生まれた雌に続いて世界で2例目だが、優勝馬のクローンは初めて。競馬界や馬術競技会にも影響を与えそうだ。

 ピエラズ2と命名されたクローン牡馬は2月25日生まれで、出生時の体重は42キロ。

 “親”のピエラズは去勢された牡馬で、1994年と96年に耐久レースで優勝。現在は米国で引退生活を送るが、去勢されたため子孫を残せず、フランスの研究機関が細胞を採取し保存していた。

 ピエラズ2はレースには参加しないが、種馬としてピエラズのような実力を持った子どもの誕生に貢献することが期待されている。

 耐久レースは10数キロの距離の持久力を争う競技で、特にアラブ首長国連邦などで人気という。

 同畜産研究所は03年5月、世界で初めてクローン雌馬のプロメテアを誕生させた。

10数キロを走る馬の長距離レースがあるというのも知らなかったが、いつの間にか馬のクローンが誕生していたようだ。探してみると、東奥日報に最初のクローン馬の詳しい話が載っている。また、デイリースポーツonlineにも関連の話が載っているが、競馬は血統をとても重要視しているために、クローンはいろいろと波紋を呼んでいるようだ。

今回のニュースについてのイギリスの報道を見てみると、news.telegraphが詳しい。去勢されて、通常ならば血統を残せない筈の馬が、このクローンにより血筋が継続可能であるということが注目されているようだ。一方で、競馬の世界は大きなお金が動くので、色々とビジネスチャンスを狙って動いている企業があるようだ。(産経の記事中には、フランスの研究機関と書かれているが、Cryozootechは会社のようだ。ついでに訂正しとくと、Endurance horse racing の距離は 50マイル以上に及ぶようで、途中でピットストップがあるんだそうだ。)

なお、羊や牛のクローンは成功率が低かったり、寿命の問題があったりするが、今のところラバや馬のクローンは成功率も高く、健康に育っているということで、クローンが成功しやすい種ではないか、とも書かれている。

この記事にも書かれているが、優勝馬のクローンが果たして親と同じように優秀なのかどうかという問題もあるが、それにも増して、ある時点の優勝馬と、その馬や他の馬の血筋を掛け合わせて生み出した後年の馬はどちらが優秀なのか?という疑問もある。 何となくだけど、ブリーディングによって、過去よりは現在、現在よりは将来の方が、優秀な馬が誕生するという気がしないでもないのだが。。 もしもクローンが遺伝上の親と同等の力量を示してくれるのであれば、シンザンとハイセイコーとシンボリルドルフの直接対決、みたいなことが実現できて面白いのに。。

ちなみに、「クローン人間の倫理」読者の教室によると、現在までに誕生している哺乳類のクローンは、羊、マウス、牛、山羊、ウサギ、猫、豚、ラバ、馬ということで全部で9種類。一時、クローン人間が誕生したと騒いでいた人がいたが、正式には認められていないようだ。Amrit不老不死研究所に、関連ニュースがまとまっている。

そう言えば、2004/4/11のエントリーで、ペットのクローンビジネスを取り上げたが、あの時はネコのクローンに続いて犬のクローンも検討中なんて話だったが、その後どうなったのだろう? 久々に、Genetic Savings & Clone,Inc. に行ってみたら、日本語ページができている。ここには犬のクローンもは今年中に始めると書いてある。。

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