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2005/04/20

アメリカの調査:太り気味の方が長生き

Yahoo! 経由の共同の記事(4/20)太めの方が死亡少なかった 肥満大国の米で意外な結果

 【ワシントン19日共同】肥満が深刻な社会問題になっている米国で、最新データを基に体格と死亡数の関係を調べたところ、肥満まではいかない「太り過ぎ」に分類された人たちの方が、標準とされる集団より死亡数が少ないことが、米疾病対策センター(CDC)の分析で19日分かった。

 米政府は、肥満や太り過ぎが心臓病などさまざまな疾患の原因になるとして対策に懸命。意外な結果だが、CDCは「肥満が深刻な問題であることは変わらない」として、引き続き対策を進める考えを強調した。

どういう話なんだろう? 本家 CDCのPress Releaseによると、
The study found:

・There were 112,000 more deaths than expected in 2000 among obese individuals (BMI of 30 or higher).

・Underweight individuals (BMI of less than 18.5) had a higher risk of death with nearly 34,000 more deaths than expected.

・Most of the excess deaths among the underweight occurred in people age 70 or older. Among the obese, the increased risk of death was most pronounced among people younger than 70.

・Being overweight (BMI of 25-29.9) was not associated with excess mortality. The study found that 87,000 fewer deaths than expected were associated with being overweight.

と書かれているのだが、今一わからない。どうやら、疫学的および統計的な調査によって2000年のデータを調べた結果、体重による影響がないと仮定して予想した死亡者数に比べ、BMIが30以上の肥満グループは112,000人死亡者数が多く、18.5以下のやせ過ぎグループも34,000人多く死亡しているが、25~29.9の太り過ぎグループは逆に87,000人死亡者数が少なかったということのようだ。

これだけではよくわからないが、washington postseattle post intelligencerのニュース記事を読むと、少し背景が見えてくる。

そもそも同じアメリカのCDCが昨年、アメリカでは肥満により毎年400,000人が余計に死亡していると発表していたようだ。これは回避可能な死因の第2位にランクされるのだが、今回の112,000人というのは先のランキングで第8位に相当するようだ。

今回の調査は、それなりに信頼できる専門家が集まって行ったもので、これだけ肥満の影響が小さく見積もられた原因は明確ではないようだが、最新のデータを使ったので医療技術の進歩により肥満が死にまで至らずに済んだことなどが考えられているようだ。それにしても、疫学や統計学は前提や使用するデータを変えることで、こんな具合に全く違う結論へ導いてしまうことがあるわけで、結果の数字だけで議論するのは危険が伴うということだ。

アメリカ国内では、早速多くの議論が巻き起こっているようで、特に食品関連企業などから、従来の肥満キャンペーンは不当だったのだ、というような主張がされたり、逆にこれで肥満が正当化されることは将来への大きな問題だ、という意見などが掲載されている。

何故か、本家CDCのリリースが随分とあっさりしているのが印象的だ。従来の知見をくつがえし、食生活や食品産業に大きな影響を与えそうな結論なのだから、もう少しわかりやすい解説や考察があっても良いように思うのだが。

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