アメリカ航空機のライター禁止
CNN.co.jp(4/23)のニュースから。ライターの機内持ち込み禁止、5日間で14万個以上没収
ワシントン(CNN) 米政府は、商業用航空機内へのライター持ち込みを全面禁止するテロ対策を4月14日から開始したが、実施後の最初の5日間、429カ所の空港で計14万2709個を没収したことが21日分かった。米運輸安全局(TSA)が公表した。ということで、アメリカの安全対策はどんどんエスカレートしているようだ。1日平均で28500個も没収しているということは、手荷物検査所は、さぞかし混雑していることだろう。うち約13万5000個は搭乗口へ向かう手荷物検査所で、残りは各航空会社の検査個所で発見した。
集めたライターは、TSAが契約した業者が有害廃棄物として処理する。TSAは、乗客から多数の苦情が寄せられたものの、措置は概ね成功しているとしている。
ライターのメーカー、ジッポー社は、持ち込み禁止の影響で売り上げが通常より2割から3割落ち込む可能性があると指摘。預託荷物の中にもライターを入れることを禁止することに関しては、1件も爆発事故など起きた例がないとして、強く反対している。
ライターの持ち込み禁止は2001年、パリからマイアミへ向かうアメリカン航空機で英国の男が、靴に仕掛けた爆弾にマッチで点火しようとした事件がきっかけとなった。TSAはマッチについても持ち込み禁止を検討しているが、現段階では検知が困難なことなどから許可している。
このライター持込禁止の詳しいお知らせは、成田国際空港の新着情報に載っているが、「米国航空会社の航空機及びグアムやサイパンを含む米国の都市発着の航空機について、燃料(ガス、オイル)の有無にかかわらず、すべてのライターの持込を禁止」したようだ。さすがに、出発コンコース内の喫煙所にはライターを置いてあるそうだ。4/14のasahi.comニュースによると、ライターを手荷物一時預かりに預けて出る人もいるようだ。
アメリカのTSAのサイトに行ってみると、Prohibited Lighters and Matchesというリリースがあり、燃料を使用しない電気ヒーター型のライターも含めて持ち込み禁止ということだ。預け入れる手荷物にもライターを入れてはいけないということなので、タバコを吸う人はライターを出発空港で捨てるか預けるかして、到着空港で新たに購入するというような方法をとることになる。なかなか不便そうだ。
日本では影響は小さいのだろうが、アメリカの空港ではライターの廃棄物が大量に発生していそうだ。ジッポー社では売り上げが減ると言っているらしいが、強制的に廃棄させられるのだから、逆に売り上げが伸びるのではないだろうか? (Detroit Free Pressによると、Zippo社では売り上げが 20~30%も減少すると予想しているようだが。) でも、First Coast Newsによると、
Smokers who lose their lighters to airport screeners are scrambling to find ways to light up soon after their flights land. Some have sought out lighters or matches from airport kiosks, but many stores at airports no longer sell lighters because of the ban or earlier security concerns. As a result, demand is high for lighters or matches at airports.ということで、アメリカの空港ではライターは滅多に売っていないようなので、到着してもタバコに火を付けるまでが相当に大変なようだ。1個のライターが平均 4.75g のブタンを含んでいるということで、集まるブタンの量も相当のようだ。
もしかしたら、出発客の持ってきたライターを有料で引き取り、到着客に安価に販売するようなライターのリサイクル商売というのが成り立つかもしれないな。。
なお、TSAの許可品目及び禁止品目という日本語資料は、翻訳がこなれていないので違和感も多いのだが、砕氷斧とか牛追い棒とか、何それ?というようなものまでリストアップされている。
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