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2005/05/30

桜開花予想式の精度

MSN-Mainichi INTERACTIVE(5/30)のニュース。桜開花予想:高精度の予測式作りに着手 気象庁

 東京の桜の開花予想について、気象庁は今より精度の高い予測式作りに着手した。今年の開花が予想より3日遅れ、数十件の苦情が殺到したため。同庁観測部の担当者は「3日程度の遅れは許容範囲と考えていたが、甘かった。桜に関連するイベントは多く、開花予想への注目が高いことが分かった」と話す。汚名返上へ向け、過去30年分の膨大なデータの分析に取り組んでいる。

 現在の方法では、東京の場合は2月15日を起算日として、1日の予想平均気温を「成長度」に換算する数式を使って予想する。予想平均気温が15度の日は成長度を1日、18度の日は1.5日などと換算し、起算日からの成長度が積算で19.6日を超える日を開花日とする。同庁は96年にこの数式を導入した際、誤差を3日程度と設定した。

 同庁が今年3月初めに予想した開花日は同28日だった。実際の開花は31日で、誤差は3日に収まった。東京の過去30年の記録では、数式導入前は誤差が最大5日あったが導入後は99年と今年の3日が最大で、同庁は「外れたと思っていなかった」という。

 ところが、予想日前後から「サクラはまだ咲かないのか」などという問い合わせが殺到。同庁だけで数十件あった。

 想定外の反応に、同庁は「東京での誤差は、わずかでもインパクトが大きいことに気付いた」。このため「サクラは冬の気温が高いと開花が遅れやすい」という学説に着目し、冬の平均気温をデータ化して数式に導入する検討を始めた。この方法が有効かどうかの分析には数カ月以上かかるため、結論が出るのは今年末以降になるという。

というものだが、桜の開花や杉花粉の飛散開始は、気温の累積値が何度になると開花する、というような説明を見たような記憶があるのだが、少なくとも気象庁の桜開花予想は単純な累積気温ではなく、少し手の込んだ方法を使って予想しているようだ。

しかし、気象庁のホームページで、東京地方の今年の桜開花予想を改めて調べてみると、第1回予想(2005/3/2) では 3/30、第2回予想(2005/3/9) では 3/29、第3回予想(2005/3/16) では 3/27となっていて、3/28なんて予想は一度も出していないようだが。。

しかし、最も精度が出るはずの最後の発表で誤差が4日と一番大きくはずしてしまったのは事実だ。もっとも、この気象庁の資料では「さくらの予想開花日は、過去の開花日と気温のデータから予想式を作成し、これに、昨年秋からの気温経過と気温予報をあてはめて求めています。」と書かれており、新聞で紹介されている方法とは異なるように読めなくもない。

東京地方 過去の天気予報一覧というデータ収集を行っている身としては、この予想のずれは式の問題なのか、気温の予測精度の問題なのかが気になるところ。(何故か冒頭の記事を読む限りは予測式に問題があるという視点のみから書かれているのだが。。)

色々と探してみたら、みんなでつくろう北東北ふるさと季節前線というページに、さくら開花予想の計算表と、桜の開花予測をやってみようという解説書が掲載されている。どうやら、この表は新聞で紹介されている計算式に準拠しているように見える。

で、この表に実際の東京地方の平均気温の実績値を入れてみた。解説書には、計算の開始日が2/1以外の場合の対処法が書かれていないが、計算開始日を2/15に変え、気象庁の観測データから平均気温を持ってきて入力してみた。結果はワークシートに示したが、温度換算積算値が19.6を越えるのは3/29となった。これは、実際の開花日よりも2日早いということになる。

3月前半に出された予測は3/30、3/29、3/27で実際の開花日が3/31。何とも微妙な話ではあるが、確かに温度の予測の誤差よりも計算式自体の方が影響は大きいのかもしれないが、最終の予測で大きくはずしたのは、3/16以降の気温の予測の誤差が大きかったためではないか?という疑いも残る。

そこで、実績値と7日前予報値の偏差を調べてみると
  3/1~3/15 最高気温偏差平均:-0.98℃、最低気温偏差平均:-1.61℃
  3/16~3/31 最高気温偏差平均:+0.09℃、最低気温偏差平均:-0.09℃
となり、むしろ3月前半の予報が大きく高めサイドに外れていたものの、3月後半は比較的良く一致しているように見える。ということは、やはり気温予測の誤差よりは計算式の精度が問題ということでよいのかもしれない。

なお、平均気温が15℃の日は1日、18℃の日は1.5日というような、温度換算日数の実際の計算方法は、このエクセルの計算式で見てみると
  exp(9500*(t+273.15-288.15)/((t+273.15)*288.15))
となっており、気温15℃を基準として、何故か絶対温度を用いて、無理やり回帰式を作った気配がうかがわれる。いずれにしても、相当に経験的な式のようだから、実はこの9500という係数を変えるだけでも調整可能なような気がしないでもない。

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前に桜の開花を巡って、気象庁とウェザーニュースの予想が異なって いるということを書きました。結果がでました。 [続きを読む]

受信: 2006/03/26 00:36

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