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2005/06/02

ゲルマニウムと32℃の謎

FujiSankei business i(6/2)の記事。快適繊維「チオクリーン」を使用したゴルフウエア「MLU1650」

 「ミラー・ショーン スポーツ」ブランドに登場。「チオクリーン」は高純度のゲルマニウムをレーヨン繊維に練りこみ、半永久的に機能を発揮する新素材として注目されている。メンズ、レディースとも半袖、長袖1型ずつ計4型。カラーは、ブラック、ホワイトなど。価格は2万2050円。販売中。
最近、機能性繊維を使用したスポーツウエアやインナーウエアが各種出てきているようだが、有名ブランドであるデサントが採用したとなると影響力も大きいだろう。一体ゲルマニウムが半永久的に発揮する機能とは何だろう??デサントのサイトで探してみると、5/23のリリースに書かれている。ここではゲルマニウムの特性として
炭素族元素の一つで元素記号は「Ge」。金属と非金属の中間に位置し、金属であって金属で無い物質です。普通の状態では電気を流さず、温度が上がると電気が流れるという「半導体物質」です。ゲルマニウムは32℃以上になるとイオン化し、他の原子と結合して正常な状態に戻す働きがあります。
と書かれているが、ゲルマニウムが半導体であるのはいいとしても、32℃以上でイオン化するとはどういうことだろう? 正常な状態に戻す働きというのは、一体何を戻すんだ?? このイメージ図という奴も何だかなあ。。(電子が全部で7個しかないし、内側の軌道の電子は何故3個なんだろう? ちなみに Ge の電子配置は、1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p2である。) こんな怪しげな解説記事を公式ページに載せてしまって大丈夫だろうか?

「チオクリーン」で探してみると、意外にも非常に多くのページが見つかる。健康市場では結構有名な素材らしい。例えば、こんなページの説明によると、

「チオクリーン」は、清川株式会社が開発、オーミケンシ株式会社にて製造している機能性繊維です。サブナノ単位にまで粉砕した粒度のゲルマニウム・ジリコニウムの天然鉱石をレーヨン繊維に練り込み
とあるが、「サブナノ単位まで粉砕」というのもすごい技術だけど、「ジリコニウム」とは何だろう?? ここのゲルマニウムの説明はさらに詳しいけど、
ゲルマニウムの接触面の温度が32℃以上になると、一番外側の軌道を回る4個のマイナス電子が外へ飛び出し、電子浸透圧が働き、イオン化して皮膚組織の下に浸透します。皮下組織中の毛細血管に到達したゲルマニウムのマイナス電子が浸透して、血液中に電子の移動が行われます。血液が酸性状態にあれば、ゲルマニウムのマイナスイオンが吸着され血液pHを中性にし、逆に、アルカリ状態であれば、電子反転作用でプラスイオンとなり、血液中のpHを正常に保つ働きをします。
身体の生体電流を活性化させ、血行をよくする事で筋肉のコリ、痛み、疲労を緩和させる働きがあります。
ゲルマニウムから電子が皮膚組織の中に浸透するというよくわからない説明なのだが、電子反転作用なんてすごいことが起こることで血液のpHを常に正常に保ってくれるらしい。。 で、この作用が半永久的に続くってことは、どこかから電子を供給しないと、ゲルマニウムがプラスイオンになってしまうけどどうなんだろう? もしもゲルマニウムイオンとなって体内に入ると危険かもしれない。何しろゲルマニウムは「健康食品」の安全性・有効性情報によると少なくとも経口摂取は危険とある。。

でも、日本成人病予防協会の認定証によると、少なくとも安全性は保証されているようだから大丈夫かな? もっともこの協会は検索してみると、色んな怪しげな商品も推薦してくれるところらしく、マイナスイオンサングラスなんてものにまでお墨付きを与えているらしいからなあ。。。

ちなみに、開発元の清川株式会社や販売元のオーミケンシ株式会には、この繊維についての情報はない。それにしても、どこを探しても、肝心のゲルマニウムの含有量などの情報が何も載っていないのも不思議ではある。どのくらい含んでいるんだろう?

さて、ゲルマニウムは最近非常に流行っているようで、ブレスレットなどでも同じような効能が宣伝されているようだ。どうやら、体温近くの32℃で電子が飛び出すということで、特別な機能を持つかのようにもてはやされているようなのだが、これって一体どこから来た話なのだろう? (原子番号が32なのと関係あるのかな?)

ゲルマニウムのバンドギャップは0.67eVということで、体温付近でもそれなりの電気伝導度を持つのは事実だろうけど、ここの説明にあるように、温度上昇によってゲルマニウム中に伝導電子が生成したとしても、金属中の自由電子に比べたら大した量でもないし、決してある温度を境にスイッチが切り替わるように急激に変化するはずもない。 (自由に動ける電子なら、普通の金属中にはいくらでも存在するのだが。。) もちろん、ゲルマニウムから出た電子だけが特別だというわけもないし、そもそも外部電圧等の助けもなしに、電子が勝手に外に出続けてしまったら、電気的中性が保てなくて困るだろうけど。。

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コメント

私はこのテーマであるGe健康商材に関わり(研究)13年になります。どなたが言い始めたのかGeが単体で身体の健康に効果があるかのごとく慎しやかに、日本国中の大多数の人方が信じて居る様だが、そんな非科学的なことがあるなら、科学と言う学問は無用と言うもんだ。仮にGeが単体で身体の健康に効果があると言うのなら、何も高価なネックレスやブレスレットなど必要はない。又ついでに申し上げるなら、確かなGe製品でもブレスレットを装着したからと言って肩コリに効果がある訳ではないものです。勿論ネックレスもその様な効果は望めません。もし Ge単体の製品が効果あるならば、世にあふれる程普及しているペットボトルを適当なサイズに切りキザミ身体に貼るか、微細に粉砕し下着等に織り込めば効果が有ることになる。(一部にその様な虚偽商品が出回っている)ご存知ない方もおられると思いますが、ペットボトルの透明度を上げるのにGeが使われています。Geを効果のある製品に仕上げるには、江崎玲於奈博士の理論を下にトンネル効果理論のNとPの内のN型を用いるのです。流石の江崎玲於奈先生も、ご自分の発見(発明)の一部が人の健康に効果をもたらす事に活用されて居るなど思いも及ばないことでしょう。

投稿: 山 城 | 2010/03/13 10:00

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