One Planet, Many People
MSN-Mainichi INTERACTIVE(6/12)の記事。環境破壊:人工衛星がとらえた破壊の様子--国連環境計画、写真集を公表
国連環境計画(UNEP、本部・ナイロビ)は6月5日の世界環境デーに合わせ、各地で進む環境破壊の様子を人工衛星でとらえた写真集「一つの惑星、多くの人々」を公表した。クラウス・テプファー事務局長は「環境破壊は、国境を越えて他の国々に影響する。地球は一つなのです」と訴えている。ということで、写真集を探してみた。One Planet, Many Peopleは、US$150プラス送料で入手可能な写真付き地図(Atlas)らしい。これに含まれるいくつかのサンプル写真をこちらで見ることができる。なるほど、同一地域の過去と現在の衛星写真を並べて比較してある。古いものだと30年ぐらい前のものもある。30年前だと既に人工衛星から今と同じような写真が撮れていたわけだ。それにしても、高々数十年で随分と変化するものだ。写真集の作成には、米国地質調査所や米航空宇宙局(NASA)などの機関が協力した。イスラエル・ヨルダン国境にある塩湖の死海では、流れ込むヨルダン川からの過剰取水や塩類などを生産する蒸発池の設置で、湖の南部が干上がってしまった様子がとらえられた。砂漠に建設された米・ラスベガスの都市開発や南米で進む熱帯雨林の伐採なども紹介している。
この写真集は、どうやらこのページのFTPサイトへのリンク先から、全頁のダウンロードができるようだが、さすがにファイルサイズが巨大だ。それでも試しに一部を見てみると、写真集以外にも、地球温暖化、オゾン層破壊などの地球環境変化についての、絵やグラフをふんだんに使った解説記事も豊富のようで、地球環境問題を扱ったグラフィカルなハンドブックのような内容に見える。とてもカラフルで充実していそうだし、是非とも日本語版を出版して欲しいと思わせるものだ。
一方、同じUNEPのサイトのUNEP Global Changeによると、過去30年の変化が激しいホットスポット50か所の衛星写真を比較して、解説した写真集のpdf版(全141ページ、約13MB) "Selected Satellite Images of Our Changing Environment" が入手できる。これは、2003年に出版されたもので、純粋に各地の衛星写真を比較したものだ。この写真の少なくとも一部が、今度のOne Planet, Many People にも使われているようだ。
この写真集もとてもきれいである。地球全体や各地の過去と現在の衛星写真が沢山掲載されており、それを眺めているだけでも十分に楽しめる。なお、日本からは諫早湾の干拓事業の写真が掲載されている。
地球環境変化を多くの人に考えてもらうきっかけとしては、こうやってビジュアルから入るのがやっぱりインパクトが大きいと思うし、こういうものを日本でも色々と活用できると良いのだが。。
参考:これに関連したGISの環境問題への応用に関するリンク集
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