酸素・水蒸気透過性マニキュア
asahi.com(6/22)の記事。つめに優しいマニキュア素材開発 酸素・水蒸気を透過
従来の25倍の酸素を通すマニキュアの新素材を化粧品のコーセーとコンタクトレンズメーカーのシードが共同開発した。両社が22日発表した。8月にもこの素材を使った新商品が発売される。拡大するマニキュア市場で「つめの負担を大幅に軽減できる」をうたって、売り上げ拡大をめざす。爪は酸素や水蒸気を大気とやり取りしているんだろうか? 爪って死んで角質化したものだと思っていたのだが。。コーセーのプレスリリースには、従来のネイルエナメル素材であるニトロセルロースは、「水蒸気透過性や酸素透過性が低いため、閉塞感があり、爪への大きな負担になっていました。」と書かれているが、具体的に酸素や水蒸気の透過性がどこにどう影響するのか、については何も書かれていないようだ。コンタクトレンズと同じアクリル系・シリコン系樹脂を用い、水蒸気も従来の3.8倍を透過させるという。従来のマニキュアは、つめの成分の7~12%を占める水分の蒸散を妨げ、利用者に圧迫感を与えることもある。
ただ、製造コストも約15倍と高い。当面は高価格帯のブランドを中心に、従来素材に混ぜる形で製品化する。
爪が呼吸するのか? というのは FAQ らしく、あちこちに記載が見つかるが、例えばここやここなどにあるように、やっぱり爪の細胞そのものが直接呼吸したり、酸素を必要としているということはなさそうだ。また、爪の下にある細胞が爪を通して酸素や水蒸気を大気とやり取りしている、という可能性も低そうだ。
ちなみに、医学都市伝説や、皮膚呼吸って何?に書かれているように、人間は皮膚呼吸をしていないというのも、意外と知られていないことのようだ。
では、この製品は全く無意味なものなのか? わざわざ酸素透過性や水蒸気透過性を大幅に向上させた新規マニキュアを開発したのだから、何らかの具体的なメリットがあるんだろうと考えたいのだが、何しろ開発したメーカーが「爪への負担を軽減」という、何とも抽象的な効果しか宣伝していないので、何とも。。。
あいにくとマニキュアをしたことがないので、具体的にどんな負担を感じるのかわからないが、はっきりと「気のせい」と書いてあるサイトも多いようだ。 もっとも、先に紹介したサイトにもあったが、風呂上がりに爪が柔らかくなるのはよく経験することだし、酸素透過はともかく、水蒸気透過は何らかの意味があるのかもしれない。 メーカーのプレスリリースでは不明確なのだが、朝日の記事では「水分の蒸散」がポイントだと書いてあるようにも読めるし。。 有名大手ブランドなんだし、正しい知識を広めるためにも、怪しげで抽象的な宣伝ではなく、もっときちんとした説明が欲しいところだ。
一方、目の場合には、ここなどに説明されているように、角膜は血管がないために涙などから酸素を供給してもらっているので、コンタクトレンズにとっては酸素透過性は重要な要素となるようだ。
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