赤い粉体、リセッターRでしみ隠し
FujiSankei Business i(7/21)の記事。ナノテクでお肌保護 ポーラが抗老化化粧品発表
ポーラ化粧品本舗は20日、アンチエージング(抗老化)の基礎化粧品「B・A(ビー・エー)」シリーズに、ファンデーションなどのベースメークシリーズ「ザメークB・A」(8種・19品)を10月1日に発売すると発表した。鈴木郷(さと)史(し)社長は記者会見で、「日中の肌をベールするという、これまでのファンデーションの概念を超えた商品」とアピールし、新シリーズで初年度40億円の販売目標を掲げた。赤い光がしわや小じわなどを見えにくくする、というのも中々驚きなのだが、両端が「井」の字をした赤色の立方体で、長さが300マイクロメータのナイロン繊維という表現がどうにもイメージできない。立方体の繊維というのはどんなものだろう?新シリーズは、600ナノ(1ナノは10億分の1)メートルより長い波長の光(赤色の光)が、しわや毛穴、小じわなどの肌の欠点をみえにくくする研究成果を初めて採用した。
両端が「井」の字をした赤色の立方体「リセッターR粉体」をファンデーションなどに混入。その形状による複雑な線と凹凸が光を全方向に反射し、赤い光に照らされたような効果が得られるという。粉体は長さ300マイクロ(1マイクロは100万分の1)メートルの微細なナイロン繊維でできている。
ポーラのサイトに~美人を作り出す赤い光~という、カラー顔写真が満載のニュースリリースが載っている。結局、
様々な波長光を任意の割合で混合して照射できる新規の照射機「ライティングイコライザー」を開発し、様々な光を肌にあてて、しみ、毛穴、小じわ等の欠点がどのように見えるかを調査しました。結果、600nm 以上の赤い光で照らされた肌は、それらの欠点が目立ちにくくなり、美しく見えることが分かりました。さらに、肌における600nm 以上の光の反射率が10%上がったとき、肌の均一感は向上して自然に美しく見えることが確認できました。600nm 以上の赤い光は、メラニンの色情報、小じわや毛穴の凹凸情報をひろいにくいため、肌の欠点が目立ちにくくなるものと考えられます。という興味深い発見があったようだ。確かに掲載されている写真からは(修正されていないとすれば)そう見えるのだが、客観的な評価は試みなかったのかな? それに、メラニンの色情報はともかくも、小じわや毛穴の情報を拾わないってのはどういうことだろうか? まさか、光の波長と小じわや毛穴の大きさとの関係を言っているのか? もしも、赤の光の波長に近い、サブミクロンサイズのシワや毛穴があったとしても、最初から肉眼では見えないだろうに。。 ともかくも、この結果を受けて、
様々な赤い粉体をファンデーションに混合して、分光反射率の測定や視覚評価を行いました。結果、一般的な赤い粉体(赤酸化鉄や赤有機色素等)をファンデーションに混合しても、目的とする600nm 以上の光の反射率が上がらないこと、「リセッターR粉体」は、光を反射する面と線を多数有しているため、赤い光を全方向に強くはじき返す効果があり、そのため、赤みを増やした照明と同じように、600nm 以上の光の反射率が上がること、が確認できました。とあり、そのリセッターR粉体の模式図も載っている。それにしても、赤い粉体を混ぜても、赤い光の反射率が上がらないというのはどういうことだろうか? んーと、もしかして、赤色粉体を使っても赤い光の反射率が上がるわけではなく、赤の補色の反射率が下がるだけってことかな?
ということは、600nm以上の波長の光の反射率が上がることが重要であって、赤く見えることが重要なのではないってことかな? なんだか、赤い光を当てるとしみやしわが目立たないって話と矛盾しているような気もしないではないのだが。。 光の色と反射率の話をうまく使い分けているような、むしろ混乱しているような、何だか微妙な話だなあ。。
で、リセッターRという粉体を使うと、他の波長域の反射率は変えずに、600nm以上の光の反射率だけを上げることができるようだ。これは、赤い色素で染色されたイゲタ型のファイバー粉体で、光を反射する面と線を多数持つので、赤い光の反射率が高くなるという説明なのだが、そんなもんだろうか? (少なくとも中央の空洞部分は光の反射には寄与してそうもない。) 光を反射する面が多いというのなら、この形状である必然性はなさそうだが、あまり微粉末にすると散乱してしまって反射率が低下するということはありそうだ。ならば、微粉末よりは、ある程度の大きさの平面で構成された多面体粒子が良いということか。例えば、赤いガラスを適当な大きさに粉砕しても結構いい線いくんじゃなかろうか? まあ、砕いたガラス粉じゃ、ファンデーションに混ぜるわけにはいかないだろうけど。。
ところで、こういうふうに外観上目立たなくするだけでも「アンチエイジング」になるなのかな?
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