「ミニ地球」実験9月から開始
NIKKEI NET(7/25)の記事。密閉施設で居住実験へ、環境科技研が「ミニ地球」公開
完全に密閉された施設内で人が暮らし、水や空気を繰り返し利用、作物も自給自足する――こんな実験を財団法人・環境科学技術研究所(青森県六ケ所村)が9月から始める。そのための施設「ミニ地球」の内部を25日、報道陣に公開した。宇宙で生活する技術の研究などに役立てる。前にも同じような実験をしていたような気もするが、どうなのだろう? 調べてみると、関連記事としては、北海道新聞には、実験施設の密閉部分は面積500平方メートル。研究員用の1LDKの居住区、食料のコメや大豆を育てる植物栽培区、同居するヤギを育てる動物飼育区を備える。併設した設備で酸素や水、排せつ物を処理して再利用する。
9月の実験では2人の研究者とヤギ2頭が1週間住み込み、体調の変化などを調べる。2009年には4カ月間の居住実験も予定している。
実験に参加する篠原正典研究員は「電話やインターネットで外部と連絡は取れる。4年間準備してきたので、実験が楽しみだ。」と話した。
環境科学技術研究所(環境研)が十年間かけ、六ケ所村で準備を進めてきた閉鎖型生態系実験施設「ミニ地球」の居住実験がいよいよ、九月六日から始まる。「エコ・ノート」と呼ばれる研究員が昨年から、予備実験や植物栽培訓練などを重ねており、本実験となる今回は一週間、研究員二人とヤギが外気を遮断した閉鎖空間内で生活する。とあり、何と 10年も前から準備していたものがようやく本格的な実験段階に入るということのようだ。
そもそも、密閉系施設での居住実験はアメリカでバイオスフィア2という施設での実験が有名だろう。これについてはWikipediaがよくまとまっている。結論としては失敗という位置づけになるだろう。今さら日本で後を追うような実験をする意味があるのだろうか? EICネットのコラムによると、今回の日本版バイオスフィアは、バイオスフィア2の結果を受けて
実験施設を計画した財団法人環境科学研究所では、「自然の物質循環は地球という広大な面積で行われるから全体でつじつまが合っている。狭い施設で自然に任せるだけでは循環が追い付かないことを、バイオスフィア2が示した」と指摘し、「閉鎖系環境条件の中で物質循環を空調装置および、物質処理装置により厳密に維持制御」することとしています。ということで、物質循環を自然に任せるのではなく、人為的にコントロールする点が異なるようだ。この環境科学技術研究所の閉鎖型生態系実験施設の説明を見ると、外部のユーティリティシステムとやり取りするようだし、完全な閉鎖系というわけでもないようだ。
日本科学未来館で昨年行われた シンポジウムの特集記事が掲載されている。とても読み応えがあるのだが、あれこれ盛り沢山に書かれている割に、バイオスフィア2との根本的な違いが今一わからない。 電気を外部から供給するのは許せるとしても、結局この実験で何を明らかとしたいのかが、スッキリしていないような気がする。まあ、実験が始まるともう少し具体的な紹介記事も出てくるだろうから、楽しみに待っていようか。
関連する読み物としては、三菱電機のDSPACEに日本の「ミニ地球」実験って?と、ヒトとヤギが暮らす「ミニ地球」というコラムが載っている。何故ヤギなの?というと、ヒトが消化できない植物繊維を消化してくれるというのが主な理由らしい。決してミルクや肉に化けたりはしないようだ。。
それにしても、たった2名が生活するための生態系としてこの程度の広さが必要というのも、結構考えさせられる。
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