« グリーン電力証書Tシャツ | トップページ | 「海馬 -脳は疲れない-」 »

2005/07/14

乾燥泡膜?

Yahoo! NEWS経由の共同(7/12)。水含まぬシャボン膜発見 世界初、高温でも壊れず

 水を全く含まない乾燥したシャボン膜を世界で初めて発見したと、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の一ノ瀬泉アソシエートディレクターらの研究グループが12日、発表した。18日発行のドイツの化学雑誌に掲載される。

 同機構によると、シャボン玉やせっけんの泡は、泡を作る性質を持つ「界面活性分子」で表面を覆われた薄い水の膜でできているが、これまでは乾燥させると膜は壊れてしまった。

 一ノ瀬さんらは、直径約10マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)の微細な穴が開いた基板を作製。これを特殊な界面活性分子の溶液につけて乾燥させ、厚みが2-3ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)と極めて薄いシャボン膜を作製した。膜は、セ氏150度以上でも壊れなかったという。

世界初か。。物質・材料研究機構のリリースによると、これは「乾燥泡膜」と呼ばれるらしい。
今回、数マイクロメートルの微細なフレームの中で様々なシャボン膜を作製し、乾燥後、その形態を観察する研究が系統的に行われた。その結果、特定の界面活性分子を用いた場合、厚みが分子2個分に相当する極めて薄い膜(乾燥泡膜)として安定に存在できることが発見された。このような乾燥泡膜には、150℃以上の熱安定性を示すものもあり、超高真空下でも安定に存在できる。
ということで、PDF版リリースには、結構詳細な解説が載っており、模式図と共に、真空下で撮影した乾燥泡膜のSEM写真も掲載されており、なかなか興味深いものがある。

それにしても、通常の石けん膜は、界面活性剤の親水基が薄い水の膜を両側から挟んだ形で安定しているはずで、この状態から水を取除き、最終的に界面活性剤の親水基同士が直接向き合う形になるわけだ。普通は、そんな状態は不安定だから壊れちゃうんだろうけど、今回はどこが従来と異なるかというと、どうやら界面活性剤が特殊なもので、

アンモニウム基を親水部にもつ界面活性剤や双生イオン型界面活性剤では、少なくとも数マイクロメートル領域では、乾燥しても壊れないシャボン膜(乾燥泡膜)が得られることが世界で始めて発見された。
と書かれている。しかし、ここにも書かれているように、もともとこの膜は水の表面張力で成立していたのだから、水がなくなった途端に異なるメカニズムで形を保つ必要があるような気もするのだが、サイズが数ミクロン程度だったら何とかなるのだろうか? (物質・材料研のリリースを見ても、150℃や真空中でも安定だとは書かれているけど、水分子が存在しないことを分析的に確認したとは書かれていないのが、気にならないでもない。。) 

Ikuro's homepageのコラムの記事、シャボン玉とんだ(シャボン玉の科学史)膜の研究者たちは石けん膜に関する、様々な話題を取り上げていて勉強になるが、多くの有名どころの研究者が膜に興味を持って色々調べてきた歴史があるようだ。なんと、あのイギリス首相だったサッチャーさんが元は化学者で、機能性薄膜の研究者だったとは知らなかった。。

|

« グリーン電力証書Tシャツ | トップページ | 「海馬 -脳は疲れない-」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 乾燥泡膜?:

« グリーン電力証書Tシャツ | トップページ | 「海馬 -脳は疲れない-」 »