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2005/08/22

LPGボンベ方式の自転車用空気入れ

7/19にスーパーバルブとは何もの?で書いた自転車の空気漏れだが、スーパーバルブに替えたのに、やっぱり数日後には乗れない程度まで空気が抜けてしまう状態が続いた。だましだまし使っていたのだが、さすがに根本的に修理する必要があると判断し、パンク修理をすることにした。

実は、自転車用の空気入れとしてはフレンチバルブ用のポンプしか持っていなかったので、今まではスーパーで見つけたガスボンベ式の簡単空気入れを使っていた。これまでに、(株)サギサカの簡単な空気入れという奴と、マルニ工業(株)のらくらく空気入れというのを使ってみたが、後者の方が少し圧力が高いようで、結構パンパンに入れることができる。実は、両者ともに中のガスはLPGのようだ。可燃ガスをパンパンにタイヤの中に充填するというのは余り気持ちの良いものではないが、何と言っても値段も安いし、手軽だし、便利な優れものと判断していたのだが。。

さて、今回のスローパンク修理に際して、何度も空気を入れたり抜いたりする必要があるので、仕方なく英式バルブ用の空気入れを買ってきた。自転車を室内に持ち込んで、じっくりとパンク箇所を調べ始めた。前後共にチューブをタイヤから引っ張り出して、空気を入れ、水を張った洗面器に漬けて、漏れ箇所を探した。まあ、昔とった何とかで、それなりに要領よく進めたつもりだが、漏れ箇所が見つからない。。 繰り返し丁寧に調べたのだが、どうなってるんだ?

ここで、ふと気になってネットを検索。@nifty 自転車フォーラムでは、空気の抜けの話はあまりされていないのだが、可燃ガスを充填することの危険性や液化ガスを充填することの問題が語られている。一方、とくみつ録では、空気がすぐ抜ける、と書かれているし、2ちゃんねるでもママチャリ総合スレの#252で「ボンベはやめれLPGだからあっというまに抜ける」と書かれているじゃないの。。

なるほど、確かにLPGなんて典型的な炭化水素だし、ゴムへの溶解度や透過速度が速そうだ。ゴムのガス透過については、自転車探検!の自転車チューブや、伊藤工機(株)のゴム材料のLPガス透過現象についてや、新潟大学工学部の日常の化学工学 風船はなぜしぼむなどが参考になる。タイヤのゴムチューブから、LPガスが空気に比べてどの程度早く抜けるのか、そのものズバリの定量的な数値は見つからなかったが、これは相当に怪しい。

で、結局何もパンク修理をしないまま、チューブを元に戻し、今度は「空気」をパンパンに詰めて放置してみた。その結果、丸1日が経過したけど、全く空気が抜けている気配はない。これは、やっぱりLPGだから抜けていたというのが真相のようだ。。

確かに、楽に空気ガスを入れることができるし、このボンベに書かれている注意事項にウソはないようだから、緊急時の一時充填用としてはそれなりに有用な商品だとは思う。しかし、今回のようなガス漏れに関する注意事項が何も書かれていないのは問題ではなかろうか? 製造元や発売元が、こういう問題が起こることを認識しているのかどうか不明だが、発売前にテストくらいはしているだろうから、何も知らないとは思えない。

これを買って使った人は必ず、ガス漏れに悩まされ、多くの人は結局自転車屋さんに持ち込むことだろう。自転車屋さんは、やっぱりチューブを引っ張り出してパンク点検するだろうから、もしも異常なしということになったとしても、お金を取られてしまうだろうし、下手すれば原因不明でチューブ交換されちゃうかもしれない。この商品は、自転車屋さんの店先にも置いてあったりするけど、多分自転車屋さんも、そんな問題があることを知らないんじゃなかろうか? (知ってて売ってたらそれも問題だろうけど。。)

ちなみに、東邦金属工業のスプレー式 瞬間空気入れは、LPGではなく代替フロンらしいけど、これもゴムを透過しやすそうな気がするなあ。。

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コメント

そうだったのか、やはり便利なものには弱点もあるってことを実感しました。
実は、コーナンで自転車(中国製)を買って、バルブを「スーパーバルブ」に取り換え、ダイソーで買った「らくらく空気入れ」でタイヤをパンパンにしたまではよかったのですが、翌日にはもうヤワヤワ状態になりました。家内は「余計なことをするから」とブツブツ。
さっぱり原因がわからず、もしかしてパンク? いや、「スーパーバルブ」(中国製)の品質不良か? 悩んだ挙句、元の虫ゴム式のバルブに戻して再度「らくらく空気入れ」を使ったら、またもやすぐに空気漏れ。こうなったらコーナンへ持って行って調べてもらうしかないのかと思っていたところでした。「今回のようなガス漏れに関する注意事項が何も書かれていないのは問題ではなかろうか? 製造元や発売元が、こういう問題が起こることを認識しているのかどうか不明だが、発売前にテストくらいはしているだろうから、何も知らないとは思えない」という意見には全く同感です。
 結論としては、汗を惜しまず空気は足踏みポンプを使うべし、ってこと。平凡ですが。

投稿: 九宇鬼抜太 | 2011/05/12 08:04

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受信: 2006/03/08 22:55

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