マントルまで掘り進む船
nikkeibp.jp(8/1)の記事。マントル層への到達を目指す地球深部探査船「ちきゅう」引き渡しへ
三菱重工業は2005年7月29日、世界最大級の掘削やぐら(デリック)を搭載した地球深部探査船「ちきゅう」(5万7087トン)を独立行政法人海洋研究開発機構に引き渡した。海洋研究開発機構が600億円をかけて2000年から建造を進めてきた最新鋭探査船で、長崎市の三菱重工業長崎造船所で引き渡し式を行った。ということで、マントルまで到達しようというのは相当にすごいかもしれない。マントルに到達してどうするの?ってのも興味があるし。三菱重工のサイトで探すと、ニュースリリースがみつかったが、上のニュース以上に詳しい情報はあまり得られない。ちきゅうは、科学研究目的の深部探査船としては初めて、海底油田の掘削に使われる「ライザー掘削方式」を採用。海底下7000mまで地質サンプルを採取できる。ライザー方式は、探査船と海底下の掘削孔の間をライザーパイプと噴出防止装置でつなぎ、その中に泥水を循環させながら地層の圧力を制御して掘削孔が崩れるのを防ぐ。
科学調査目的の掘削最高記録は、米国のノン・ライザー型船の海面下2111mm。ちきゅうは、記録更新を目指し、水深2500mの海域で海底下7000mの掘削を行うほか、将来的には水深4000mの海域で海底下7000mの掘削に挑戦し、マントル層への到達を目指す。全長210.0×全幅38.0m。掘削やぐらは水面上高さ120m、重さ約1000トン。
洋研究開発機構は、同造船所や洋上で主要機器の操作確認などを行ったあと、10月ごろから下北半島東方沖でライザー掘削に向けた装置試験を行う。
もう一方の当事者、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)側を探してみたら、地球発見という専用サイトが見つかった。このサイト、とても力が入っているようで、写真や動画、Q&A、広報誌やパンフレットなど、ちょっと見には盛りだくさんなのだが、肝心の深海掘削の目的や技術についての分かりやすい説明は見当たらない。(このサイトはこども、学生、教育関係者、など対象者別に入口が用意されているのだが、結局たどり着く先のコンテンツは共通だったりする。)
もう少し探してみたら、同じ "jamstec.go.jp" ドメインで地球深部探査船「ちきゅう」というサイトが見つかった。こちらは、ライザー掘削システムの説明や、そもそもの深海探査計画の目的の説明などが比較的丁寧に書かれている。
なんか、この二つのサイトは合体させた方が、情報を探しに来た人には親切だと思うけどなあ。そもそも、似たようなコンテンツを両方で展開して維持していくのはすごい無駄だと思うし。。
そう言えば、地殻の厚さは、陸地で厚く深海で薄い、というのは大昔に習ったような記憶がある。(参考:大陸域で平均30km、海洋域で5km程度)ということで、マントルに到達するには、地殻の薄い深海から掘り進めたいということのようだ。マントルのサンプルを入手するというのは、確かにおもしろそうだし、何か新たな発見などもあるかもしれない。もっとも、ほんの数点のマントルのサンプルを分析しても、それでここに書かれているような目的が達成できるのかどうかは、激しく疑問なのだが。。
ちなみに、マントルってドロドロに溶けているんじゃないの? というのはFAQのようで、ここに回答が載っている。
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