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2005/09/27

ワールドソーラーチャレンジを知ってる?

Exciteニュース(9/27)から。第8回ワールドソーラーチャレンジ 世界のソーラーカーが豪縦断

日曜日、昆虫を思わせる形のソーラーカー22台が、オーストラリアの荒野に集合した。第8回ワールドソーラーチャレンジの開幕だ。

ワールドソーラーチャレンジは、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで3000キロ走破を競うソーラーカーレース。世界各国の企業や大学が開発したソーラーカーが参加している。芦屋大学の「芦屋スカイエースTIGA」が好調だ。

芦屋大学の中川邦夫教授によれば、TIGAは時速95キロを出すことが可能だという。

「第一の目標はレースを安全に終えること、第二の目標は上位3位内に入ることです」中川教授はオーストラリア国営放送ラジオで語った。

2001年と2003年の大会で優勝したオランダのチームも、「Nuna 3」で再び参戦している。その他、アメリカ、フランス、カナダなど10ヶ国からの参加があった。

Nuna 3は2003年に、30時間54秒の大会記録を出した。

先頭集団は今週半ばにアデレードに到着するとみられている。

このレースは、次世代のエネルギーと交通テクノロジー問題において革新的な存在であるソーラーカーの研究開発促進のために開催されている。

このニュースを見て最初に思ったのは、「ほー、まだやってるんだ。。」というもの。 というのも、最近ソーラーカーレースをTVで見ることはないけれど、10年程前はちょっとしたブームで、鈴鹿サーキットや大潟村のレース中継や、オーストラリアのソーラーチャレンジのドキュメントをTVで見た記憶がある。当時は大手自動車メーカーなどが積極的に参加していて、オーストラリアの大会でもホンダが優勝したはずだ。

そういえば、このレース関連の本を読んだことがあるなと思い、探してみたら 1994年に発行された

 光の国のグランプリ  ワールド・ソーラー・チャレンジ
 中部 博 著 (bk1amazon

という本が本棚にあった。10年以上も前に読んだものだから内容はあまり覚えていないけど。。

芦屋大学のソーラーカープロジェクトを見ると、この大学が1993年から10年以上も継続してソーラーカーの製作とレースへの参加を行っていることがわかる。今年のワールドソーラーチャレンジへの参加車は2000年に完成したSky Ace TIGAのようだ。

オーストラリアのワールドソーラーチャレンジ(WSC)の公式サイトを見ると2005 World Solar Challengeは、9/25の朝8時に北側の街ダーウィンをスタートし、南側の街アデレードまでの約3000kmを太陽光だけをエネルギーとして昼間だけ(午後5時まで)走り、4日程度でゴールする。本日(9/27:3日目)現在の成績は、Provisional Resultsによると、前回優勝の Nuna3がトップで、芦屋大学の Sky Ace TIGA は4番手のようだ。

前述の「光の国のグランプリ」を見ると、1993年の大会には14か国から55台が参加、日本からはホンダ、トヨタ、日産、京セラなどのメーカーと早大、東海大、芦屋大などの大学などから合計20チームも参加している。一方、今年のリストを見ると、全部で11か国、25台の参加のようだが、日本からは芦屋大学チームただ1台である。

日本人は熱しやすく冷めやすいのだろうか? それでも、こうして続けている芦屋大学は、それだけで偉い!と言ってあげたくなる。 「継続は力なり」だし、これだけ続けるとノウハウも蓄積され、伝統も生まれるんだろうな。。

今年の参加者を見ると、ほとんど各国の大学チームであり、ほぼ大学選手権という位置づけということのようだ。(調べた範囲ではレギュレーションには企業チームを排除する項目はなさそうだ。) まあ、自動車メーカーにとっては、ソーラーカーから得られるものには、今ではあまり魅力を感じられないってことだろうか。一方、次世代自動車として有望な電気自動車や燃料電池車については、学生主体の手作りレベルのレース(電気自動車燃料電池車)があるだけのようだ。この手のエコカーの技術レベルをアピールするには、そろそろ大手自動車メーカーが本格的に参加するようなレースがあってもよいのではないだろうか。

ちなみに、レギュレーションも変わっているようで大きさも違うし、恐らく掛けたお金も全然違うだろうけど、1996年大会で優勝したのホンダの新型「ドリーム」と、今年の芦屋大学のSky Ace TIGAの性能を比べてみると、9年前のホンダの性能(太陽電池、巡航速度など)がかなり優れていることがわかる。もっとも、昨年の優勝タイムが30時間54分に対し、1993年のホンダの優勝タイムが35時間28分なので、トップレベルの技術はそれなりに進歩しているようだ。

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コメント

このレース。
96年と99年にドライバーで参加しましたー。
なんとなく、取り上げられていて嬉しかったです。
芦屋さんはたぶん4位かな?ホンダさんの96年の記録は更新したようですけども・・・。

今、このレースはどちらかと言うと、太陽電池の性能に負うところが多く、あまり自動車メーカー的にはオイシクないところがあるのかもしれません。
学生チームでも衛星グレードのすごーーーい太陽電池を持ってこられちゃうと、自動車メーカーが惨敗する可能性が高いですしね。

ただ、電気自動車や燃料電池のレースですが、ワークス参戦こそないですが、普通に自動車メーカー、部品メーカーの技術者さんが参加していたり、参加していた学生がメーカーに採用されたりと、それなりにフィードバックされている部分もありますです。

投稿: waka | 2005/09/29 16:45

おぉ!現場経験者の方ですか。コメントありがとうございます。参考になります。

確かに太陽電池次第となると確かに自動車メーカーの出る幕ではなさそうですね。

結局今年も優勝はNuna 3で、記録を大幅に更新したようですね。 29時間11分とのこと。芦屋大学チームは 4位でゴールしたみたいです。記録は33時間45分で、これも当時のホンダの記録を超えてますね。

それと、よく見たら芦屋大学以外にも青山学院大学チームの Aglaia が走行中でした。本文では日本から1台だけと書いたけど間違いですね。 m(__)m

投稿: tf2 | 2005/09/29 19:36

今年のオーストラリアに参加した者です。
4日に帰国して検索したらここにきましたw
今年は鈴鹿で勝ったオーロラ(オーストラリア、メルボルン)を目標にしてましたが、やっぱり直線仕様のマシンにはかないませんw
では、またこさせてもらいますペコリ(o_ _)o))

投稿: 今年の参加者(芦屋) | 2005/10/08 02:05

今年の参加者(芦屋)さん、ありがとうございます。きっとハードで充実した貴重なオーストラリア体験だったと思います。何かうらやましいです。。

http://www.ashiya-u.ac.jp/solarcar/topics.html">トピックス/芦屋大学ソーラーカープロジェクトにも結果がアップされていますね。なるほど、芦屋大学さんはサーキットコースが得意なマシンなのですね。

可能な範囲で、レースレポートや技術的な話などをどこかに載せていただけるとうれしかったりします。

投稿: tf2 | 2005/10/08 10:45

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