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2005/10/20

光触媒新聞用紙ってどう?

nikkeibp.jp(10/19)の記事。「空気清浄効果のある新聞用紙」、日本製紙と読売新聞が共同開発

日本製紙と読売新聞社は10月19日、光触媒である酸化チタンをコーティングした新聞用紙「光触媒新聞用紙」を開発したと発表した。

直射日光のあたる場所に置いておくと、室内の空気に含まれるタバコ、汗、ペットの臭気などを除去、浄化するという。

酸化チタンは揮発性有機化合物(VOC)やホルムアルデヒドを化学分解するため、消臭用途のほかシックハウス対策として住宅の塗料などに使われるが、「新聞用紙への応用は世界で初めての試み」(両社)。

日本製紙と読売新聞社では、化学反応によって紙自体の品質が劣化するという従来の光触媒技術にあった問題を解決。製品化に成功したという。耐久性に優れ、オフセット輪転印刷機による高速印刷が可能。インクの着肉性も良好で、広告、ポスター、カレンダーとしても利用できるとしている。

なお読売新聞社では日刊紙「読売新聞」の東京23区発行分に、同光触媒新聞用紙を使った別刷り広告特集を折り込む。また10月22日から日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催される「東京モーターショー 2005」で同広告特集を約10万部配布する予定。

光触媒も随分とポピュラーになって、いろんな製品が出ているようだけど、ついに新聞紙にまで光触媒が付いてくるようになるらしい。何故かこのニュース、読売新聞が報道していないばかりか、読売新聞社のお知らせにも掲載されていない。。(中部発として空気浄化新聞用紙、本社など共同開発というニュースがひっそりと掲載されたようだが。)

一方の日本製紙のサイトには、空気清浄効果のある新聞用紙「光触媒新聞用紙」を開発というニュースが掲載されているが、新聞報道の内容以上の情報はあまり得られないようだ。

まあ、光触媒とはいっても、中身は酸化チタンであり、酸化チタンそのものは昔から白色顔料などとして紙などにも使われているので、その酸化チタンを光触媒機能を持つものにしたと考えれば、さして目新しいとは言えないかもしれない。ここの説明によると、タバコの巻紙にも酸化チタンが使われているようだ。

でも、確かに光触媒は、光が当たればそれなりの浄化作用は期待できるのだろうけど、新聞紙の現実的な使用条件で、一体どれほどの効果があるものだろう? 新聞紙なんて、大体たたんで置いておくだろうし、あまり光の当たるものとは思えないのだが。。 ここは、定量的な実験結果なども示して欲しいところだ。例えば、タバコを吸いながら新聞を読むなんていうシチュエーションには多少は効果がありそうな気もするが、実際には全然浄化が間に合わないだろうと思うし。。

普通、光触媒機能付きの色んな製品を購入する人は、その光触媒効果に多少なりとも期待するからこそ、お金を出すわけだ。(おもしろいところでは、光触媒のうんこなんてのもある。) でも、光触媒新聞紙の場合はどうだろう? 光触媒機能が付いているから、読売新聞を購入しようと思う人がどれだけいるのだろう? 新聞を買ったら光触媒が洩れなく付いてくる、ってのも、ある意味、機能の押し売りのような気もするし。。 それに、光触媒の寿命は相当に長いはずなのに、これでは光触媒が文字通り、日の目を見ないで使い捨てされちゃうということになる。これでは、光触媒を作っている人が悲しみそうだ。

まあ、価格も通常の新聞紙の2~3倍ということだから、さすがに通常の新聞に使用するのではなく、特別なもの、例えばカレンダーとかポスターなどに採用するということだろうとは思うけど、だったら「新聞用紙」という名前はやめた方が良さそうな気もする。。

ちなみに、光触媒はやっぱり光に当てるのが大事。その点、光触媒シューズや、光触媒靴下や、光触媒下着なんていう製品などはいつ光を当てるんだろう?

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コメント

先日、ロケットレーシングリーグの件でお邪魔しました、クルマバカオヤジの赤ガエルです。
クルマの車検でエアコンフィルターの汚れを指摘されたのですが、DIY派としては工賃払うのはもったいないとカーショップで購入しに行きました。そこで見つけたのがこれ、
http://www.blitz.co.jp/products/a_c-filter/a_c-filter.htm
うーん、ついにここまで来たかー、って感じです。もともとクルマ物にはニセ化学っぽい波動とかマイナスイオンとかがあふれている(小さい会社の製品が多いから?)んですが、アフマ製品としては結構メジャーなブリッツが出してきたのには驚きました。
一応言い訳は用意しているようで、一度光を当てたら効果は「しばらく」続きます、みたいな注意書きがあります。あのフィルターは普通1年以上は日の目を見ないはずなんですが・・・
とりあえずうちはありきたりな普通の製品を買いました。

投稿: 赤ガエル | 2005/10/27 19:24

おもしろい情報提供ありがとうございます。そういえば、エンジンの外側に貼り付けるだけで燃費が向上するいう製品の話を聞いたことがあります。

紹介していただいた光触媒付きエアコンフィルターですが、確かに光触媒は役立たずでしょうねぇ。光触媒って奴は光が当たっていないと、何にも仕事をしないと考えていいと思います。

検索なんかで訪れる方のために、念のために補足しておきますと、吸着剤などは、徐々に機能が低下していくので、再生処理によってまた元気にするわけですが、光触媒はあくまでも光エネルギーを使って化学的に有機物を酸化分解していますから、光がないと何もしないんですよね。

まあ、普通のフィルターとしては働くので、それ以上のものを期待しなければいいのでしょうけど。。 ところでエアコンフィルターってどこについているんでしょう? 自分で交換なんかしたことないです。。

投稿: tf2 | 2005/10/28 00:26

以前、仕事でちょっと建材関係の調査をしたときに聞いた話ですが、光触媒というのは日本発ということでもてはやされてはいるけれども、その人体への影響などはまだ全く検証されていない。従って、例えば光触媒を使った内装材に1週間光が当たり続けて、その中に人がいたらどうなるか誰にも分からない、ということだったと記憶しています。他の抗菌素材もそうかもしれませんが、リスク・リターンが分からないものというのは怖いなと思いました。

投稿: jitsuko2 | 2005/11/01 23:40

現在実用化されているほとんどの光触媒は、ほぼ純粋なニ酸化チタンが使われているはずですから、光触媒自身の有害性については、それなりに解明されていると思うのですが。

それでは、使用中に光触媒から何か成分が出てくるか?というと、何らかの反応生成物が出てくることは考えられます。理想的には有機物が完全に酸化されて、二酸化炭素と水などが生成するのでしょうけど、中途半端な生成物(ホルマリンからギ酸とか、アセトアルデヒドから酢酸など?)が出ないとは言い切れないかもしれません。

ただ、以下は特にデータもないので、私の印象だけですが、光触媒から何か得体の知れない有害性の物質が出てくるかもしれない、とは考えにくいです。それと、光触媒を部屋の内面に塗布して、1週間光を当てたとしても、トータルの反応量は相当に小さいと思います。人体に悪影響がある程度の量の有害物質を発生させるのは、部屋を完全密閉したとしても、かなり無理があるんじゃないかと思いますけど。。

投稿: tf2 | 2005/11/02 01:10

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