円錐形コーヒードリッパー
Fujisankei Business i(10/9)で紹介されているのだが、画期的円すい形ペーパードリッパー「V60透過ドリッパー」
通常の扇形のドリッパーに比べコーヒー粉に湯が長く触れるため、コーヒー成分がしっかり抽出できる。ドリッパー底の大きなひとつ穴から湯がスムーズに落ちるので、注湯の速度で味の調節が可能。プラスチック製で大きさは3種類。価格は420-683円(専用フィルターは別売り)。販売中。という商品、ちょっと興味がある。ハリオグラスのサイトを見たが、まだこの商品は掲載されていないようだ。かわりに日経プレスリリースを見つけた。
最大の特長は、"円すい形"だということ。従来の扇形に比べ珈琲粉の層が深くなり、お湯が珈琲粉に長く触れるため、珈琲の成分をより多く抽出できる。少人数分でもしっかり旨味を出せるのがうれしい。また、ドリッパー底に、大きなひとつ穴が空いているのもポイント。この穴からペーパーの先端が飛び出す仕組み。お湯はドリッパー内に滞留することなく、ペーパー先端へスムーズに落ちていくため、注湯の速さで珈琲の味を変えられる。素早く注げばすっきり雑味のない味に、ゆっくり注げばコク深い味に。おいしさを自分好みにコントロールする醍醐味までも、ネルドリップ並みと言える。とのことだが、何となく不思議な感じもする。というのも、円錐形のロートが画期的と言われても、いわゆる理科の実験で使用するロートは昔から円錐形だし、むしろ通常のペーパードリップ用のあんな形(扇型と言っていいのか?)のロートの方が、よっぽど工夫されたものじゃないかと思うのだが。。 この商品、既に販売されてので、Yahoo!ショップでは上の説明が図解されている。ところで、抽出前に珈琲粉を蒸らすひと手間。この味わいを左右する"蒸らし"の過程にも、「V60透過ドリッパー」はとことんこだわった。内側に施した新形状のスパイラルリブ(凸部)が、ペーパーとドリッパーの密着を防ぎ、空気の抜け道を確保。珈琲粉の膨らみを妨げず、ふっくら膨らませることができる。
さらに探してみたら、コーヒーモルティブ下北沢に詳しい写真と解説が載っている。確かに、驚くほどデカイ穴が開いている。ここに書かれているのだが、円錐形のドリッパーとしては、以前からコーノ(KONO)という製品が存在しているようだ。
ちなみに、ペーパードリップではメリタとカリタが有名だが、メリタは1つ穴で、カリタは3つ穴という違いがある。(カリタはホームページを開設していないのだろうか、みつからなかった。)この違いについては、さすがに嗜好品だけあり、いろいろなこだわりや意見があるようだが、たとえばここやここなどが参考になる。
どうやら、3つ穴のカリタの方が速く落ちるので、お湯の注ぎ方を人間がコントロールしなくてはならない代わりに味を調節できる一方で、1つ穴のメリタはドリッパーが滴下速度をコントロールしてくれるので必要なお湯を一度に注ぐことで安定した抽出ができるということらしい。もっとも、メジャースプーンの違いでわかるように、カリタは1杯が10g、メリタは8gを標準と考えているようなので、両社のドリップに対するポリシーは大きく異なっているようだ。今回のハリオのものは、カリタよりも更に速く落ちるように設計されているので、お湯の注ぎ方によって味をコントロールできる一方で、素人にはかなり難しいのかもしれない。
ちなみに、理科の実験で使用するロートの正しい使い方が、泥水の浄化実験に解説図つきで載っている。ポイントは、予めろ紙を湿らせ、ロートとろ紙の間に空気が入らないようにすること。こうすることで、ろ過速度の遅い液をろ過する際には、ろ紙の下部(足先まで)に水が満たされた状態となり、この水が落下しようとする力によってろ過速度を向上させることができる。一方、コーヒーのペーパードリップの場合には、ろ紙とロートの間に積極的に空気を入れることで、安定した自然なろ過が行えるようにしているものと思われる。
それはともかく、今回のハリオのドリッパー、違いのわかる人にとっては結構注目の一品かもしれない。多分微妙な違いはわからないと思うけど、同じ豆を使って3方式で淹れたコーヒーの飲み比べをしてみたい気はする。。
なお、ハリオ式ペーパーフィルターの形は、写真から推定すると、展開した時に丁度半円形となっているようだ。一方、カリタやメリタのペーパーフィルターは展開すると、かなり不規則な形状をしている。ということで、ハリオ式の方が元々無駄な部分が少ない形であるのに加え、接着するのも1箇所だけで済むというメリットもあり、安く作れそうだ。。
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